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【熾烈な米中覇権争い】ファーウェイの最新スマホを分解、半導体を調査する米政府

 米中の覇権争いが熾烈さを増しているのでしょうか。米紙報道によると、中国の「一部」の中央政府機関で職員が「iPhone」をはじめとする外国ブランドのデバイスを職場への持ち込みをやめるよう指示されているそうです。どの程度広がっているかは不明だといいます。

アップル株1カ月ぶり大幅安、中国政府機関でiPhone使用禁止報道 - Bloomberg

 これを受け、米国株式市場ではアップルの株価が約1カ月ぶりに大幅安になったといいます。アップルにとって中国は米国外で最大の市場で、「iPhone」が公的機関および民間セクターで多く使われるなど、アップル製品は広く人気を博しているそうです。

 米国による中国のハイテク産業の台頭を抑えようとする取り組みに対する反発を受けてのことなのでしょうか。

 

 

 一方、米政府が中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の最新スマートフォン「Mate 60 Pro」に搭載されている先端半導体の詳細を完全に把握しようと取り組んでいるといいます。

ファーウェイ採用の中国製半導体、詳細把握目指す-米政府 - Bloomberg

ファーウェイの最新スマートフォン「Mate 60 Pro」に先端半導体が採用されているとのニュースは、中国国内で一部国民の熱狂を呼ぶとともに、米政府が中国ハイテクセクターに課している規制措置の有効性を巡り臆測を生じさせている。(出所:ブルームバーグ

「デカップリング(切り離し)という広範な問題ではなく、国家安全保障上の懸念に焦点を絞ったテクノロジー規制の道を進み続けるべきだということ」と、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が述べたそうです。

 ブルームバーグの調べでは、このスマートフォンを動かすプロセッサーには、SMIC 中芯国際集成電路製造が生産した回路線幅7ナノメートルの先端製品を採用していることが分かっているといいます。米政府は、ファーウェイもSMICも規制の対象にしているそうです。

 米国によってますます中国とのつき合い方が難しくなっています。

(米国は)完全な保護主義だ。自由貿易に背を向けていると批判。国家安全保障上の同盟関係は強固だが、経済貿易関係では「私はもう同志国とは呼ばない。付き合い方は非常に難しい状況になっている」と憂える。(出所:時事ドットコム

誰に何を頼るか、難しい線引き 米国は完全な保護主義◆鈴木一人東大院教授に聞く:時事ドットコム

 中国に対する締め付けを強化し、それに同調するよう求めてきますが、その一方で、日本製EVを米国市場から締め出そうともしています。

 米国の傲慢さ、身勝手さが甚だしいといってもいいような気がします。

 

 

「日本はこれまで米国のことを考え過ぎていた。米国を軸ではなく自分たちを軸にして考えるべきだ」と東京大学公共政策大学院の鈴木一人教授が語っています。

以前から外交力の乏しさが指摘されてきた日本だが、鈴木氏は「この数年間、日本は地政学的プレーヤーになったといわれている」と紹介。「自分たちができることは、ちゃんとやらなければいけない。そういう自覚があれば外交力は身に付く」と楽観する。(出所:時事ドットコム

 最近の日本政府の動きを見ていると、外交力が向上しているとは言い難いようです。地政学的プレーヤーになっているという意識が乏しいような気がします。

 企業がコンプライアンスを守りつつ、独自に判断していく厳しい状況が続きそうです。欧米企業の動向をよくよく注意して観察していかなければならないのでしょう。

 

「関連文書」

SKハイニックス、中国ファーウェイ製品内の自社製半導体巡り調査 - Bloomberg