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【生産革新】まるで日本企業のようにコスト半減に挑戦するテスラ

 

 パナソニックソニー有機EL事業を統合して2015年に発足したJOLEDが、民事再生手続き開始の申し立てを行ったといいます。負債総額は337億円、石川県と千葉県の工場は閉鎖されることになるといいます。

JOLEDが民事再生手続き開始、製造/販売から撤退:ジャパンディスプレイが一部事業再建を支援 - EE Times Japan

 日本の有機EL技術は、日本が先行しながら、結果としては、サムスンやLGなど韓国企業に敗れるという結果となってしまいました。

 製造コストを抑えることができるといわれた「JOLED」独自の「印刷式」技術でしたが、量産化が遅れたことに加えて、小型ディスプレイのサムソン、大型のLGの牙城を崩せず、パソコンや車載向けなど中型ディスプレイが中心のビジネスにとどまっていたようです。

「JOLED」の技術開発は、液晶パネルメーカーの「ジャパンディスプレイ」に引き継がれるそうです。

 その「ジャパンディスプレイ」は9年連続で最終赤字を続けているといいます。日本のディスプレイ産業の競争力低下が浮き彫りになったといいます。残念なことです。

テスラが目指す生産革新、新たな自動車作り

 米国では、EV 電気自動車のテスラが3月1日に米テキサス州の本社で開いた投資家向け説明会で、新たに建設されるメキシコ工場に新たな生産方式を導入する方針を示したといいます。

 ヘンリー・フォードが約100年に発明したコンベア方式の生産方法を根本から見直し、製造コストを半減させるそうです。

テスラ、次の一手は自動車生産の大変革 「EV製造コストを半分に」:日経ビジネス電子版

 これまでとは全く異なり、車両前部、後部、底部、ドアとフロントフードなど、車を6つの大きなブロックに分け、それぞれを別々に組み立て、これらブロックを最終的に組み合わせることで完成車が出来上るといいます。

 これまでのような長い組み立てラインは不要となり、同時並行に各ブロックを生産することで効率を高めることができるそうです。

 これにより、1台当たりの製造コストは半減し、生産のために必要な工場の床面積は4割程度縮小するといいます。従来よりもコンパクトな工場で、コストを大幅に削減したEVを量産できるようになるそうです。

 記事によれば、まずメキシコの新工場でこの新しい生産方式を確立した上で、中国上海やドイツベルリンの工場にも水平展開していくようだといいます。

今のテスラが言うことなら、たとえ難しいことでもそれを実現しそうな気もします。

 日本企業は何を失くしてしまったのか

 テスラにあって日本企業にないものは何なのでしょうか。

 テスラがEVの量産を始めた当時は「できるわけない」とささやかれたものですが、今ではEVのトップランナーとして不動の地位をつかみ取っています。

 ミッションを掲げ、その目的を達成させるまで諦めず、実現するまでは愚直に努力を続けただけのことなのかもしれません。

ヘンリー・フォードがコンベア方式の生産方法を発明して既に100年が経過している。変えることは容易ではないが、規模を拡大していくためには製造の在り方を考え直す必要があった」と、テスラの幹部が説明会でそう話したそうです。

「ライバル企業はテスラが生産革新に成功する前提で対抗策を考えたほうがいいかもしれない。日本の自動車メーカーが手をこまぬいている時間は一層なくなったといえるだろう」と記事は指摘します。

 もしかしたら日本企業は業績ばかりに目が奪われ、時々の結果が気になり、その過程における努力を評価しなくなってはいないでしょうか。過程、そして努力が成就してよい結果はもたらされます。よい結果を得るには、よい結果になるまで続けるしかないのでしょう。

 

「参考文書」

JOLEDが民事再生法を申請 負債総額337億円 | NHK