Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

続く値上げラッシュ、上がらぬ生産性、伸びぬ賃金、その解決のヒントは米テスラか

 

 東京銀座、変化の激しい街ともいわれ、高級ブランド店が軒を連ねていますが、低価格帯のカジュアルウエアや100円ショップの出店が相次ぎ、一気に増えているそうです。消費者の節約志向やファッションのカジュアル化などの影響があるといいます。

東京・銀座に格安ショップの出店ラッシュ!? カジュアル衣料、100円ショップ…続々<まちビズ最前線>:東京新聞 TOKYO Web

 銀座5丁目の商業施設「イグジットメルサ」に出店した「#ワークマン女子」は盛況で、想定を上回るペースといいます。

 東京新聞によれば、土屋専務は「こんなに売れるのかと驚いている。銀座でもカジュアル化が進んでるのだろう」と話しているそうです。

 

 

 銀座3丁目の商業施設「マロニエゲート銀座2」にはダイソーが出店し、自社の3ブランドが初めて一堂にそろえた店舗にしたといいます。

 300円の価格帯を中心としたショップ「Standard Priducts by DAISO(スタンダードプロダクツ バイ ダイソー)」では環境配慮を打ち出した商品など、こだわりの品が並び、愛媛県今治産のタオルが一時品切れとなるほどの人気ぶりといいます。

(写真:大創産業

 一方、食料品を中心に値上げラッシュが続いています。 穀物や資源などの輸入品の価格上昇し、円安が拍車をかけ、値上げの波が押し寄せています。

食用油・小麦が高騰も…価格転嫁に踏み込みきれぬメーカー・小売りの苦悩|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 しかし、消費者物価の上昇はごくわずかで、メーカーや小売りは、価格転嫁に踏み込みきれないのが実態といいます。「単純な値上げは難しい」、買い控えへの強い懸念が企業側にあるといいます。

 値上げラッシュが、日本人のデフレマインドに変化をもたらすのか注目されるとニュースイッチはいいます。しかし、日本人の賃金は20年以上、同水準で推移し、値上げに対して拒否反応は強いとも指摘しています。

 歪んだ社会構造の影響があるのかもしれませんが、低価格が切実なニーズになったともいえるのではないでしょうか。

 

 

 デフレ一因なのかもしれませんが、企業がお客様の低価格志向に応えてきたことを一方的に問題視とするのも正しくないように思えたりします。ただ、一方でそうした努力が、生産性の改善にはつながっていないとの指摘もあります。

だから給料がちっとも上がらない…経済大国日本が「成長しない国」に転落した根本原因 「なぜやるのか」ではなく、「どうやるか」ばかり考えている | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

生産性を高めるのは、豊かな社会を創り上げるためであり、そのためには無駄な「動き」を減らし、価値を生み出す「働き」の部分を増やすことが必要なのです。(出所:プレジデントオンライン)

 私たちに今、いちばん必要とされているのは「創造性」と記事は指摘します。新しい価値を生み出せていないのが日本の実態で、それが当たり前になっていることに問題があるといいます。

 

 

 米国の自動車メーカ テスラの営業利益が19.2% (2022年1~3月)に達し、他の自動車メーカと比較しても驚異的な数字といいます。その理由をNEWSPICKSが解説しています。

【徹底解剖】なぜテスラは「異次元」に儲かるのか

「その真髄はシンプルなイーロン式クルマ作り」にあるといいます。

主力の「モデル3」の内装をみると、物理的なレバーやボタンがほぼゼロ。大きなタブレットにすべての操作が集約されています。さらに外観も継ぎ目が少なく、パーツの数は全体で1万点に圧縮。一般的なエンジン車の約3分の1です。(出所:NEWSPICKS)

 これを可能にしたのが、「ギガプレス」と呼ばれるテスラがイタリアの加工機メーカーと共同開発したプレス機だそうです。

「車の部品は、巨大な工場の中で何回も溶接や押し出しといった細かい工程を重ねて形にしますが、テスラは1回のプレスで巨大な部品を仕上げてしまいます」、テスラがシンプルなのは、見た目だけではなく、その「常識破り」な製造工程にもあるといいます。現実、これによって、工場の広さは30%削減でき、使用するロボットの数も3割減になるといいます。

 テスラはなぜにここまで徹底的にシンプルなものづくりにこだわり、効率性を追求しているのでしょうか。

 高コストになり高価格ではEVシフトは進まず、地球温暖化防止にも貢献できない。そればかりでなく経営は厳しいし、報酬を得ることもままならなくなる。限界利益を得られれば、報酬と利益は確保できるが、それに留まれば、成長はないばかりか、社会課題の解決にも役立たたない。それ故に徹底的に効率化を追求し続けるのでしょうか。

 これまで日本企業も効率化を進めては低価格志向に応えてきたのでしょう。しかし、その効率化では不十分だったということなのかもしれません。