Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

【成長しない国、日本】特効薬はイノベーションだけなのか

 

 正月休暇が明け、新たな年が動き出しました。首相が年頭会見を行い、企業に国内投資を促し、競争力強化に取り組む方針も示したそうです。

 半導体人工知能、バイオ技術、クリーンエネルギーなどの戦略産業を挙げ、「強固な官民連携を打ち立て、国内で大胆に投資を進めていく」と語ったといいます。

 他方、伊藤忠商事の岡藤CEOは、日本の株価が伸び悩んでいる背景からすると、いつまでも変わらない「ものづくり至上主義」があるといいます。

伊藤忠・岡藤会長「天才より凡人経営で、最悪に備え重心を低く」:日経ビジネス電子版

 米国の株価指数「S&P500」を構成する企業の時価総額の合計はこの10年で3倍になり、GAFAMの5社が米国の株価全体を押し上げたと指摘、日本は、GAFAMのような企業を生み出せていないことが問題といいます。

 

 

 首相の選んだ4つの戦略産業で、日本の競争力が高まることはあるのでしょうか。

あるメーカーの経営者が、「いい素材さえ抑えておけば、素材を使う商品が変わっても売れ続ける」とおっしゃっていましたが、海外勢は日本の部品や素材を集めてきて、デザインとブランドでもって製品やサービスを生み出し、利益を得ています。日本は安く買いたたかれる部品や素材を作っているわけです。(出所:日経ビジネス

「川下の最終製品に価値を加えるために、日本の頭脳と技術が利用されているが、日本企業は残念ながら「技術は一流、商売は二流」。縁の下の力持ちのままでは、伸び悩んだままと岡藤氏はいいます。

求められているのイノベーションなのか

 グローバル化の名の下、日本などの先進国と新興国の格差は縮小し、貧困が減少しているといわれます。ここ10~20年の間で科学は進歩し、遺伝子工学やAI人工知能などは飛躍的な発展を遂げています。

 しかし、日本はこうした世界的な動きから取り残されてはいないでしょうか。極端に悪くなっているということはないのかもしれませんが、徐々に他の先進国との差が開き、一方で途上国との差が縮んでいるいそうです。こうした現実からして、これまで同じアプローチではじり貧であることは間違いなそうです。

 こうした現状に効く薬は、やはりイノベーションなのでしょうか。

 

 

企業は将来のために人と設備に投資をしなければ、米国や中国のように伸びることはできません。

日本経済が活力を取り戻すには、企業と従業員が成長への執念のようなものを持たなければなりません。(出所:日経ビジネス

 アマゾンはEC業界にあって、倉庫や物流のムダを徹底的に省き生産性を向上させ、もっとも効率的でスピーディな配送のしくみを作り、ライバルを圧倒し、確固たる地位を築きました。

 それを支えたのは、トヨタ自動車のものづくりの仕組みを研究した「リーン生産システム」です。

 もしアマゾンが自分たちの商売を小売業に決めつけていたなら、製造業の知見を取り入れることはなかったのかもしれません。こうした大胆な発想があってこそ、人と企業は成長するのでしょう。

 

 

 人がその知識を学びその知見を活用し、それを活かすために企業が投資すれば、そこから成長が始まるのではないでしょうか。

ひらめきは学びから、それがイノベーションの素

「楽してお金をもうけようという風潮はいかん」と伊藤忠 岡藤CEOはいいます。また「本来、人間は懸命に働いてもうけるべきでしょう」ともいいます。

 それはモーレツに働くということを意味するのではないのでしょう。より効果的に、効率的に働くというではないでしょうか。そのために、「学び」があるのかもしれません。

 画期的なアイデアやひらめきがある日突然ひらめくことはないのでしょう。学び得た知見を活かそうときに浮かんでくるものではないでしょうか。それは思考しているときであったり、読書中に突如して現れたりするのでしょう。

 

 

「参考文書」

イーロン・マスクやビル・ゲイツは「読書の鬼」、知識の幅を武器にした天才たち | 日経クロステック(xTECH)

岸田首相、インフレ率超える賃上げを-「異次元」の少子化対策も - Bloomberg