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【脱炭素と経済安全保障】実用化が近づく次世代型太陽電池「ペロブスカイト」

 

 米ラスベガスで開催されていた電子機器見本市「CES2023」に、パナソニックホールディングスが「グリーンインパクトシティ」をテーマに、関連製品や技術などを提示したそうです。

 目玉は2026 - 27年度めどに実用化を目指すペロブスカイト太陽電池。世界最高レベルのエネルギー変換効率17.9%を実現したモジュールの試作品や透過率別、グラデーションのモジュールなどを提案したといいます。

目玉は次世代太陽電池「ペロブスカイト」、パナソニックがCESで提案するモノ|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 そのパナソニックのブースには、再生可能エネルギーを生み出すペロブスカイト太陽電池で構成されたコンセプトツリーが展示されたといたそうです。

 

 

発電する木、ペロブスカイト太陽電池

この太陽電池は、フィルムのように薄くて軽く、折り曲げられるのが特長といわれます。この電池を発電できる葉に見立て、コンセプトツリーは約1000枚で構成されていたそうです。葉1枚当たり約7ワットの電力を発電することができるといいます。

(写真:パナソニックグループ

東京都も実用化を目指す

 東京都も化学メーカーの積水化学工業と、フィルム型のペロブスカイト太陽電池の実用化を目指し共同研究するといいます。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同研究を東京都と開始 | 積水化学工業株式会社

 ペロブスカイト太陽電池の特徴を活かせば、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、曲面といった場所を選ばずに設置でき、大掛かりな設置工事も不要になるといいます。

研究を進めるのは、ヨウ素を主原料とする「ペロブスカイト型」の太陽電池。薄さは1ミリ程度で自由に折り曲げられ、重さはシリコンを使ったパネル型の約10分の1。(出所:JIJI.com)

 

 

 都はまず下水処理場を活用した実証実験を始め、再生可能エネルギーの導入を加速させるといいます。

(画像:積水化学工業

 JIJI.comによれば、ヨウ素の世界産出量の約3割は日本国内で、パネル型では中国製品が大きなシェアを占める中、主原料を安定的に自給できるため、実用化すれば「経済安全保障」の観点からも意義は大きいといいます。

脱原発

 政府が開発を進めようとする次世代原子炉に比し、ペロブスカイト太陽電池発電効率は悪く、その発電量は微々たるもので、エネルギーを安定的に供給するには資することもないのかもしれません。

 しかし、塵も積もれば山となることもあるのではないでしょうか。

 巨費を投じて開発する必要もなく、莫大な建設費も必要なくなるのもかもしれません。

 ムダ使いばかりでとかく財源確保に困る昨今を思えば、当座はこうした技術で代用するのもありではないのでしょうか。まして政府が説く「経済安全保障」にも貢献しそうです。

 倹約しようという精神もなく、浪費癖のついた政府にはこうした技術の有用性を理解することはないのかもしれません。

 

「参考文書」

ウクライナ新興企業、CESで注目…停電頻発時に役立つ太陽光パネルなど開発 : 読売新聞オンライン

「薄くて曲がる」太陽電池研究 再エネ拡大、実用化目指す―東京都:時事ドットコム

ペロブスカイト太陽電池 共同研究の開始|東京都