日本が世界から置いていかれようになって思えてなりません。その根底には発想力の乏しさがあるのではないかとの意見もあるようです。
そうした背景もあってのことでしょうか、「SF思考」に注目があつまっているようです。
昨年12月に「イノベーションを創造する─SF思考で学ぶ発想力─」とのビジネス講演会が催され、SF作家でITコンサルタントの樋口恭介さんが登壇したそうです。
「人間の脳はフィクションを求める」 発想力が足りないから世界に負ける――“SF思考”が日本再興の鍵に?:SFプロトタイピングを語る(1/2 ページ) - ITmedia NEWS
「SF思考」とは、SF サイエンス・フィクションの持つさまざまな力を活用して、産業の活性化やイノベーション創出を目指す考え方といいます。
OODAループで「仮説」を立てるときに、この手法を取り入れてもいいのかもしれません。
データ重視であるべきなのでしょうが、それだけに頼ると、あたり前の発想になってしまうこともあるのかもしれません。
また、その仮説を実行するにあたっては、周囲を説得しなければならず、データ重視でつまらない内容にまとめるのなら、そこに少しSFの持つフィクション性を取り入れることで面白い内容になったり、説得力が増すことがありそうです。
人間はフィクションを作るものだし、フィクションによって現実の外を考えるものです。
それなのに、そこが抑圧され、与えられた役割の枠組みから動けなくなってしまっている。それが社会的にも企業組織にも良いことだとされてしまう。でもそのままではいけないんです。(出所: ITmedia NEWS)
人間が想像し得るものは何でも実現できるという人もいます。有史以来人間が様々な発見、発明をしてきた事実からすれば間違いことなのかもしれません。
遠く離れた太陽の大きさや重さを正確に知ることができるようになったのも人に想像力があったからなのでしょう。遠い昔であれば、まさか月に人類が到達することなども夢にも考えなかったのでしょう。
しかし、それもそれまでに進歩を続けてきたことで、それをさらに飛躍させる想像力があったからこそ成し得た偉業なのでしょう。
想像が創造に変わるとき進歩があるのでしょう。
「想像」とは、実際には経験していない事柄などを推し量ることであり、また、現実には存在しない事柄を心の中に思い描くこととされます。想像する当の本人にとっては、遠くない未来に実現できるフィクションではないでしょうか。
数多くの企業が実際に「SF思考」や「SFプロトタイピング」を活用、研究を始めているようです。
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SF小説から未来の時間をヨム|Sci-Fi Diving|パナソニック株式会社デザイン本部 未来創造研究所
30年も時間が経過すれば、これらが現実化することはあるのでしょうか。
30年以上前に吉田拓郎さんが「30年前のフィクション」という歌を歌っていました。
1960年代、電話はまだ固定電話でときに混線があったりしたといいますが、それが1990年にはFAXでやり取りするようになったとのフレーズがあります。60年代からすれば90年代はまるでSFの街というのもわかります。
インターネットが当たり前になったとはいえ、未だFAXが活躍しているのが現代です。そう意味ではこの30年の進歩は少しばかりスローだったのかもしれません。
それともこれは日本に限った話なのでしょうか。想像力をたくましくしていかねばならないのでしょう。
「参考文書」
“SF思考”のビジネス活用広がる 事例が続々 22年の「SFプロトタイピング」まとめと展望:「SFプロトタイピング」で“未来のイノベーション”を起こせ!(2/2 ページ) - ITmedia NEWS