Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

ウクライナ情勢における日本の役割、このまま危機を長引かせていいのか

 

 ウクライナとロシアの戦争が3週間目となる。未だ停戦交渉が合意とならないようだ。世界各国の要人の発言が過激になっていくことが気になる。理解できないこともないが、良いことなのだろうか。

CNN.co.jp : 「人殺しの独裁者」「真の悪党」、バイデン氏が改めてプーチン氏非難

 許し難い行為であっても、辛辣を超え、相手の人格否定するようなことは、国のリーダーであれば、あってはならないのではなかろうか。あまりにも過激すぎれば、相手の態度は硬化させることになる。それとも全面対決するとの決意のあらわれなのだろうか。

 

 

 外交的な対立は日常茶飯事のことと勘違いし、世界のどこかで起きる戦争も遠い国のこととどこか冷めた目で眺めていたのかもしれない。

 自分の身の回りでは平和が永遠に続くものと過信していたような気がする。

 米国防総省の情報機関であるDIA 国防情報局の分析をブルームバーグが報じている。

「ロシアのウクライナにおける目標を妨害する米国の取り組みと、米国は衰えつつある国家だとの認識により、ロシアはウクライナだけではなく、より幅広く西側と予想される対決で一段と攻撃的な行動を取る可能性がある」(出所:ブルームバーグ

プーチン大統領、戦争長引けば核の威嚇行う公算大-米当局が分析 - Bloomberg

 それによれば、ウクライナの抵抗と対ロ経済制裁は、ロシアが「最新鋭の精密誘導兵器を製造する能力」を脅かすだろうと説明し、「この戦争とその影響がロシアの通常兵力を徐々に弱める」結果、「ロシアは西側へのシグナルおよび国内外への強さの誇示のために、核抑止力への依存を強める公算が大きい」とも分析しているそうだ。

 あまり想定したくない事態であるが、ウクライナで今も続くロシアの信じ難い行動を見れば、想定の範囲とすべきことなのだろうか。

ウクライナ「ロシアが病院占拠」 マリウポリ、劇場大破も: 日本経済新聞

ウクライナ政府によると、マリウポリでは重症者の集中治療を手がける病院が占拠された。ロシア軍が患者らを人質に取ったうえで、そこから砲撃を続けているという。現地では交戦を一時止めて民間人を逃がす「人道回廊」を通じた退避が目指されているが、ベレシチューク氏は攻撃が続き「安全に避難させられない」と訴えた。(出所:日本経済新聞

 

 

 フランス大統領エマニュエル・マクロン氏、ロシアと継続的に交渉を続けている。AFPのまとめでは、両首脳は過去5週間で累計約20時間対話しているそうだ。

仏ロ首脳、20時間対話の行方は 欧州の自立目指すマクロン氏 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

 マクロンプーチン両氏の会談による成果はまだ表れていないが、マクロン氏は、自身にはプーチン氏に現実を直視するよう促す役目があるとも考えているという。

 AFPによると、今月3日の電話会談では、プーチン氏がゼレンスキー政権を「ナチス(Nazis)」だと呼ぶと、マクロン氏はそれは「うそだ」と返し、さらに「自分自身に作り話を言い聞かせているか、口実を探しているだけだ。あなたが言っていることは現実に即していない」と続け、反論したそうだ。

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先月のモスクワ滞在中、22年間権力の座にあり、西側諸国への敵対姿勢を強めている人物との間で共通点を見いだせるとなぜ思っているのかと、マクロン氏は問われた。

マクロン氏はそれに対し、「報われないこともあった」と認めつつ、より大きな目的のためであることを示唆した。

欧州連合EU)が自らの運命を米国に委ねるのではなく、自立し、安全保障をめぐりロシアと直接交渉できるようになることを目指している。(出所:AFP BB NEWS)

「極めて単純な確信がある。われわれ自身がロシアと対話しなければ、平和を構築する能力を高めることができない。誰にその責務を託すというのか」と、マクロン氏は説明したそうだ。

 

 

 日本はロシアと国境を接し、西を向けば大国があり、有史以来、常にその脅威に悩まされ続けていた。古代の日本も、平和を維持するために、西の大国と外交を通じて対峙していたのではなかろうか。

 米国を唯一の同盟国として、そこだけにすがるのはどうなのだろうか。逆に、危機を煽っていることはないのだろうか。