ようやく気候が春めいてきた。しばらくは暖かい日が続くのだろうか。
そんなタイミングで、EUの行政執行機関、欧州委員会が、日本政府にLNG液化天然ガスの追加融通を打診してきているという。
欧州委がガス追加融通を日本に打診、対ロシアで途絶警戒-報道 - Bloomberg
日本政府は余剰分であれば応じる考えという。既に3月中に数十万トン規模の余剰LNGを欧州に融通することになっているという。
ロシアによるウクライナへの大規模軍事侵攻の影響が日本にも及んでくる。
日本の貨物船が被弾
ロシア軍の艦艇が黒海で商船2隻を砲撃したという。その内の1隻の貨物船「ナムラ・クイーン」は、愛媛県今治市の日興汽船が船主で、穀物を積んでウクライナ南部のオデッサ近くを航行していいたという。
ロシア、黒海で商船2隻を砲撃 日本の会社所有の船被弾 | ロイター
ロイターによれば、「ナムラ・クイーン」はロケット弾を被弾し、火災が発生したという。
ロシアへの輸出管理強化
経済産業省が、ロシアへの輸出管理を3月5日から厳しくすると発表したという。
ロシアへの輸出管理厳格に、工作機械など対象 経産省: 日本経済新聞
武器や兵器、軍事転用できる高性能の工作機械、集積回路、ディーゼルエンジンなど200超の製品や技術が対象になるようだ。輸出のたびに個別に経産相に申請して許可を得る必要がある。審査に数カ月かかることもある。(出所:日本経済新聞)
日本からロシアへの輸出額は数十億円で、品目によっては国内メーカーのシェアは現地で高いそうだ。
こうして制裁の強化とともに、グローバルな供給網からロシアが締め出されていくのだろうか。
切り離されるSWIFT
国際銀行間の送金・決済システムであるSWIFTからロシアの銀行が排除されるという。
ロシア一部銀行のSWIFT排除で合意、米欧が追加制裁 | ロイター
ロイターによると、欧州委のフォンデアライエン委員長は「ロシア軍がキエフやその他のウクライナの都市を攻撃する中、われわれはロシアに巨額のコストを科し続けることを決意している。そのコストとは、ロシアを国際金融システムとわれわれの経済からさらに孤立させるものだ」と述べ、また、ロシアが「軍資金を使うのを」阻止するとし、中央銀行の取引を凍結し資産を換金できないようにすると述べたという。
さらに「ロシアの新興財閥がわれわれの市場で金融資産を使うことを禁止する」とした。(出所:ロイター)
こうした措置で、ロシアの蛮行が止まって欲しいが、プーチン大統領にはその気はあるのだろうか。経済制裁の影響が長引くことになってしまうのだろうか。
受け入れざるを得ないのかもしれないが、悲しい現実である。叡智を結集して、生活、経済への影響を最小化しなければならないのだろう。
増え続ける難民
ロシアの侵攻以来、10万人のウクライナ人がポーランドに避難しているという。
ウクライナから10万人避難 ポーランド当局 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
UNHCR 国連難民高等弁務官事務所はツイッターで、「約15万人がポーランド、ハンガリー、モルドバ、スロバキア、ルーマニアなど近隣諸国に逃れている」と投稿したといいます。
ウクライナから15万人以上が国境を越えて近隣の国々に避難しています。
— UNHCR駐日事務所 (@UNHCR_Tokyo) 2022年2月27日
その半分はポーランドへ、ハンガリー、モルドバ、ルーマニア、その先にも多くの人が逃れています。
ウクライナ国内での避難も増えていますが、軍事的な状況により、その数の推計、人道支援の提供は容易ではありません。 https://t.co/lEzOB4bvqB
モルドバの国境から @RefugeesCE 代表のメッセージです。
— UNHCR駐日事務所 (@UNHCR_Tokyo) 2022年2月26日
「本当に胸が張り裂けそうな状況です」
☟Please watch🎥 pic.twitter.com/2qSwCfkDPw
徹底抗戦
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日「国を解放するまで戦い続ける」と述べ、徹底抗戦を表明したといいます。
ウクライナ大統領、徹底抗戦表明 「国を解放するまで戦い続ける」 | 共同通信
プーチン大統領が良心を呼び覚ますことはあるのだろうか。
「参考文書」
情報BOX:ロシアのSWIFT排除、その威力と世界への影響 | ロイター