Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

SDGsテック、クリーンテック、次々に登場するテクノロジーが行きつく先に何があるか

 

 コロナ渦で、インバウンド特需が消失し、爆買い騒動も収まった。大量消費より、より健全な消費が志向されるようになったのだろうか。

 すこしばかり「サスティナブル」に近づいたのかもしれない。

 方向性が完全一致するには至っていないが、気候変動対策が世界共通の課題と認識されるようになったのだろう。

 国も遅ればせながら、2050年のカーボンニュートラルを目標にし、それまで梃子でも動きそうになかった石炭火力の問題に風穴があき、社会が脱炭素に向かって進むようになった。気づけば、世の中にSDGsが氾濫し、何から何までSDGsに意味づけられるようになっている。

 

 

SDGsテック

 SDGsテック、そんな言葉でも登場している。

SDGsテックは日本企業にとって大きなビジネスチャンスとなり得る」。

 SDGs「持続可能な開発目標」を意識した経営が企業価値を高める時代に入ったと、日経XTECHはいう。

政府も後押しするSDGs、2022年はIT部門が推進役として活躍する理由 | 日経クロステック(xTECH)

「IT部門が事業部門にSDGsテックを提案し、自社のSDGsの取り組みで主導的な役割を求められるようになる」と指摘する。

国連はSDGsの市場機会が年間12兆ドルに上ると試算する。市場規模が大きいものは、「モビリティーシステム」が2兆200億ドル、「新しい医療ソリューション」が1兆6500億ドル、「エネルギー効率」が1兆3450億ドルなどだ。(出所:日経XTECH)

 どれにも「デジタル技術」が必須であり、「SDGsテック」は市場を開拓するうえで中核的な役割を果たすという。

 ここ最近、こうした市場規模の説明をよく目にするようになった。

脱炭素 国内デジタル市場 “2030年に16兆円超” 業界団体試算 | 脱炭素社会への動き | NHKニュース

 そればかりでない。「テレワークなどの働き方改革」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」もSDGsに紐づけられ、こうしたことが企業価値を高めるという。要はデジタル化だ。

 

 

米国では

 バイデン政権の誕生で米国も、脱炭素、気候変動対応で新たな産業を起こそうとしているという。

欧州に負けじと米が本気。西海岸の「脱炭素バブル」と3000兆円の効果 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 Forbesによれば、「EVの普及」、「グリーン水素の貯留」、「炭素排出をしない鉄鋼生産」、「カーボンキャプチャ―の技術」に注目があつまり、またそれ以外でも、「炭素排出量の可視化」や「行動変容につながるサービス」、「サーキュラーエコノミー」などへの関心が高い」という。

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 かつて2010年前後のクリーンテックバブルでは、設備型の気候変動スタートアップは、商用化のために巨額の資金が必要となり、収益体質に至るまで長期間を要することから、投資家などからは非常に難しい領域とされ、現実、成果に結びつかず大量の資金が溶けてしまったことがあったという。

しかし、ここに来て、資金面での環境充実に加え、ビジネスモデルの進化に注目が集まるようになっているという。

ハードウェアにソフトウェアも組み合わせることによって、ソフトウェアで継続的に価値提供する部分の収益モデルをストック化するなど、将来の見通しがつけやすいモデルを構築する工夫もなされている。(出所:Forbes)

 その例として、2021年にSPAC上場したEVチャージャーのCharge Point社をあげる。

 従来の設備設置型で初期に売上が集中するモデルであったが、ソフトウェアによる保守管理、運営管理を加えることで、バランスの取れたモデルへと変化させているという。

 

 

 エネルギーを効率より使用するスマートシティが求められているのだろうか。

 そうであるなら、ソフトだ、ハードだなどといっている時代ではないのだろう。新たなインフラの整備には両輪が必要だ。そして、そこに求める必須の要素がデジタルということではなかろうか。

 ソフト、デジタル偏重では持続可能な社会は出来上がることはないはずだ。