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コロナ渦 業績を伸ばすソニー、前年割れのパナソニック その差は

 

 コロナ渦で色々なことが様変わりする。ソニーが今期(2021年3月期)の営業利益が9400億円になる見通しだと発表したという。純利益は史上初めて1兆円を超えるという。

 ブルームバーグによれば、半導体事業でスマートフォンデジタルカメラ向けのセンサーの販売見込みを上方修正したほか、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要でゲーム事業も好調だったという。

エレクトロニクス事業では採算性の高い製品の販売増や費用削減が寄与、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の人気が貢献した音楽事業や映画事業も増額修正の要因となった。 (出所:ブルームバーグ

 

 

 ブルームバーグによれば、ゲーム関連が昨年10月時点での営業利益予測から+400億円だったのに対し、家電関係が+550億円だったという。

www.bloomberg.co.jp

 

 巣ごもり需要に大きく関わりそうなゲームや音楽などコンテンツ関連ばかりでなく、家電などのエレクトロニクス製品を含め、どの事業も大幅な改善予想となっている。

 数年前まで業績不振に喘いでいた会社とは思えない利益の額の大きさ。EV、ドローン、スマートウォッチなど気になるハードウェアのニュースも増えるソニー

 

コロナ渦が追い風にならずパナソニック

 パナソニックも業績発表し、2021年3月期の業績予想を上方修正したという。

 朝日新聞によれば、家電や自動車部品の販売が持ち直し、昨年7月時点の予想より売上高、純利益とも改善するという。ただコロナ禍の打撃から逃れきれず、前年に比べると大幅な減収減益になりそうだという。売上高が6兆6千億円、純利益は1500億円になる見込みだという。ソニーくらべ純利益の低さが気になる。

 

 

伸長する「ナノイー」

 パナソニック独自技術で、花粉、ウイルスや菌などの活動を抑制する効果があるといわれるナノサイズの微粒子イオンを発生させる「ナノイー」搭載商品の生産台数が、空調空質、公衆衛生関連の需要拡大により850万台に拡大するという。さらに2025年度には1500万台の規模にまで生産を拡大する計画を示したと、c/net Japanが伝える。

 それによれば、現在、ナノイーは、エアコンや空気清浄機、冷蔵庫など、40商品に搭載され、自動車メーカー8社、鉄道事業者11社に導入しているという。

 また、空間除菌脱臭機ジアイーノは、2020年度は100億円を突破し、「3倍ぐらいの伸びになっている」という。2025年度の販売目標として500億円を掲げているという。

 梅田CFOは、「家電については、自宅で過ごす時間が長くなり、コロナが終息しても、働く場所も元には戻らず、生活様式は変化するだろう。そのため、自宅の快適さを求めるニーズは変わらない。くらしアップデートで、最適な形に、家の中をアップデートしたい」と前置きし、「これまでは、気にしないようなことも満足感や付加価値を求めるようになっている。エアコン、冷蔵庫、トイレにもナノイーを搭載し、除菌や消臭、衛生を求めている。高付加価値商品が受け入れられている」とした。 (出所:c/net Japan)

japan.cnet.com

 コロナ渦、公衆衛生の向上が求められ、巣ごもり需要が拡大する。空調空質、公衆衛生関連で強みを持ち、多彩な家電ラインアップがあるパナソニックがもっと業績を拡大させても良さそうな気がする。

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 アフターコロナでも公衆衛生関連商品の潜在需要は増すのではないであろうか。この時代にあって、需要の掘り起こしとその普及はパナソニックに与えられた使命ではなかろうか。

 

見過ごされているチャンス

 ESGやSDGsが当たり前に語られるようになり、企業に求められる評価基準が変わってきている。これからの評価基準は、「どれだけ稼ぐか」ではなく「どのように稼ぐか」とPHPオンライン衆知はいう。

「どのように稼ぐか」とは、「企業がESG問題の抑制/解決によって経済的、社会的価値を創造できているかどうか」という評価基準です。 (出所:PHPオンライン衆知)

shuchi.php.co.jp

 

「脱炭素」、「コロナ渦」、これらのワードに関わる事業を多く抱えるパナソニックが前年割れの業績に落ち込むということが不思議でならない。

 もしかしたら、PHPオンライン衆知の指摘のそのままに、いまも「どれだけ稼ぐ」だけを考えるばかり、「どのように稼ぐ」という視点を見失い、今ここにある機会を見逃していないだろうかと思ってしまう。

「脱炭素」、「コロナ渦」という時代を考えれば、パナソニックのいう「くらしアップデート」のときが来たのだろう。

 

 

「エアコン、冷蔵庫、トイレにもナノイーを搭載し、除菌や消臭、衛生を求めている」、「高付加価値商品が受け入れられている」と話す梅田CFOの言葉が気になった。

「高付加価値商品が受け入れられている」のではなく、この時代にあって、お客様のニーズが明らかに変化したということではないのであろうか。

 気づきはあるのかもしれないが、その捉え方次第で、戦略が大きく変わるような気がする。

 

「参考文献」

panasonic.jp