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EVシフトへの号砲か、米リビアンが上場、収益がゼロの会社が独VWの時価総額を抜く

 

 英国グラスゴーで開催されていたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会)で、40年までに新車販売を全てゼロエミッション車とするというEVシフトに関する共同声明が発表された。

 議長国の英国など28カ国が署名し、自動車メーカでは、ドイツのメルセデス・ベンツや米国のGMゼネラルモーターズ、フォードなど11社も署名したという。一方、日本の自動車メーカーやドイツのVW フォルクスワーゲンBMWは署名しなかったそうだ。

 自動車メーカごとにEV戦略に差が現れてきたということなのだろうか。

 

 

 スウェーデンVolvoボルボ)が、2025年までに世界で販売する新車の半分をEV電気自動車とし、2030年には完全なEVメーカーとなってEVのみを販売するという。

 COPが後押しをし、さらにEVシフトを加速させるのだろうか。

米新興EVメーカ リビアIPO

 米国の新興EVメーカ、リビアン・オートモーティブが、ナスダック市場に上場した。

EVメーカー株が活況 「バブル」に警戒感も―米市場:時事ドットコム

 JIJI.COMによれば、取引初日の終値は、公募価格を3割も上回り、時価総額は約860億ドル(約9兆8000億円)と、米自動車大手フォード・モーターを一気に追い抜いたという。

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(写真:Rivian)

生産準備着々

 そのリビアンがIPOで得た資金をもとにして新しい工場の建設を進めるようだ。

EVリビアン、独立したバッテリー工場など多くのプロジェクトに動く - Bloomberg

 ブルームバーグによると、投資の最優先事項は米国内2カ所目となるEV生産工場で、次いで欧州の工場という。欧州工場では2023年末までに自動車生産が開始される見通しで、英国で用地が検討されているほか、欧州大陸でも複数の場所が候補に上がっているそうだ。バッテリー工場の新設も検討されているようで、アリゾナ、ミシガン、テキサス州などが検討されているという。リビアンは現在サムスンSDIのセルを使用しているという。

 

 

時価総額、独VWを抜いて世界3位へ

 リビアンの株価は瞬く間に2倍以上になったそうだ。リビアンのその価値は1,400億ドルを超え、フォルクスワーゲン(1,390億ドル)をわずかに上回り、トヨタに次ぐ3位になったという。

 TrechCunchによれば、第3四半期にRivianが製造した電気自動車の台数がわずか12台だったといい、収益がほぼない会社である。

 米市場ではEVメーカ株が活況を呈しているという。

 07年創業のルシッド・グループは、事業実体の無い上場会社との合併を経由する「空箱上場」と呼ばれる手法を通じて今年7月に上場したが、株価は約8割上昇し、人気先行から過熱気味だ。 (出所:JIJI.COM)

 EVシフトに対する期待の現れなのだろうか。この先、期待通りにEVシフトは進むのだろうか。