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【気候変動とプラスチックス汚染】世界の600社がG20サミットに求める気候変動への対応 アサヒグループも署名

 

 国際的な企業ネットワークの米「We Mean Business」が9月30日、イタリア ローマで10月に開催されるG20サミット、11月に英国グラスゴーで開催されるCOP26 第26回国連気候変動枠組条約締約国会議に向け、各国に気候変動目標の強化を要求する共同書簡を発表した。この共同書簡には世界の600社以上のCEOが署名し、国内企業も参加している。

 「We Mean Business」は、企業や投資家、気候変動対策推進の支援をしている国際機関やシンクタンクNGOが構成機関となって運営する国際的なプラットフォーム。構成機関はこのプラットフォームを通じ連携しながら、気候変動対策の取組みを広める活動を行っているという。

 

 

 その書簡に署名した1社であるアサヒビールによれば、共同書簡の政策提言は、温室効果ガス2050年ネットゼロ達成を目指した国別削減目標の強化の他、クリーンテクノロジーへの投資と技術革新への支援、適切な炭素価格の設定など「G20サミット」での議論に関連した内容となっているという。

「We mean Business」の共同書簡に賛同「アサヒカーボンゼロ」※1の目標のもと、気候変動に対する取り組みを推進 | プレスルーム | アサヒグループホールディングス

 アサヒグループホールディングスの勝木社長は、共同書簡の署名に際し、次のようにコメントする。

2030年までに世界のCO2排出量を半減し、1.5℃目標を実現するために、G20のリーダーたちが一歩踏み出し、一丸となって行動することを要請します。私たちには、それぞれに果たすべき役割があります。G20各国による、より多くの支出と適切な政策シグナルがあれば、私たち事業を営む企業はすでに推進している環境課題に対する取組みを加速させ、同時に未着手の課題解決に向けたイノベーションを行うことができます。(出所:アサヒグループホールディングス

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 ビジネス界が自ら、こうした共同書簡で政治への対応を強化するよう求めることは、素晴らしいことなのだろう。確かに気候変動対策は喫緊の課題であることは間違い。ただ、それには原因があり、またそれが起点となって様々な問題が併発、顕在化している。

 プラスチックスによる海洋汚染、食糧危機、生物多様性の問題等々......

 

 

 プラスチック汚染を心配するインドネシアのアクティビストは、人々にその使用法を再考することを願い、10,000本を超える廃棄されたペットボトルや袋、ストロー、および使い捨ての食品包装などから博物館を建設したとワシントンポストが伝えている。

Indonesia marine plastic pollution problem highlighted in Gresik museum - The Washington Post

 その大量のプラスチックスからできたアイテムは、投棄された地元の川やビーチから集められたという。

 先月東ジャワ州のグレシックの町にオープンしたその博物館は、訪問者がサイトを通過するときに頭上にぶら下がる何千ものペットボトルを特徴としており、海洋危機、海洋生物、生態系、コミュニティに重大な脅威をもたらす、その影響を強調している。

 それは、プラスチック汚染問題を浮き彫りにしていると、ワシントンポストはいう。彼らがフェイスブックで公開している画像には、川床に並ぶ木の低い枝にからまったプラスチックスごみの実態を写している。

 インドネシアは、プラスチックス汚染の最前線にあり、800万トンのプラスチックスが毎年海に投棄されているという。

気候変動は間違いなく私たちの時代の最も重大な世界的脅威の1つです

 しかし、科学者たちは、当局が気候変動の問題を真剣に受け止めることが最も重要であるとする一方で、海洋危機を無視すべきではないと強調しているという。

 

 

プラスチックス汚染も世界的な影響を及ぼしています。エベレストの頂上から私たちの海の最深部まで」、気候変動とプラスチックス汚染の両方の問題が絡み合い、海洋の生物多様性に悪影響を及ぼしている.....

「どちらの問題が最も重要であるかを議論する場合ではない。2つの危機は相互に関連しており、共同の解決策が必要である」とワシントンポストは指摘する。

「We Mean Business」の気候変動に関する共同書簡は、それはそれで素晴らしい。しかし、それでは片手落ちなのかもしれない。

 アサヒなど飲料メーカとして、多量のプラスチックスを扱っているメーカは、こうした海外におけるプラスチックス汚染の問題、生物多様性の問題にどう対応していくのだろうか。この問題についても働きかけが必要なのではなかろうか。そして、この問題から逃れることは出来ないはずである。