Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

ポストコロナの世界のグリーンリカバリー

 

  国連の気候サミットが先週12日に開催された。それに合わせ、各国が気候変動対策を明らかにし、2030年の中間目標を公表する。

 東南アジアの国ミャンマーも先進国と同じように行動し、NDC(Nationally Determined Contribution:国が決定する貢献)を国連に提出するという。今回のオンラインサミットでは、アウンサンスーチー国家顧問が、今年2020年末までにNDCを提出すると述べ、計画は二酸化炭素(CO2)の削減を目的としていると付け加えたという。再生可能エギーのシェアを39%に増やし、林業部門からの純排出量を25%削減するという。

 

 

 

ミャンマー

 ミャンマーの報道機関によれば、ミャンマーは気候変動に対して非常に脆弱だという。過去20年間で気象関連の損失が最も多かった国のひとつとして、Global Climate Risk Index 2020にミャンマーの名があがっているという。

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 ミャンマーではCO2排出量が増加、2016年には2015年と比較して5.61パーセント増加したという。そうした状況下であっても、ミャンマーは2030年までに住宅部門で7.8%、工業部門で6.6%、商業部門で4%、その他の部門で1.36%の改善を約束する。

 また、そのCO2を吸収する森林を保護し、再植林を進める政府目標を立てる。しかし、その一方で、年間平均100万エーカー(404,685ヘクタール)の森林を失っているという。 

「国際社会から(実際の実施に関して)支援を得ることができれば、行動計画は迅速に前進する」とミャンマーの報道機関は指摘する。www.irrawaddy.com

 

 

 

カナダ

 カナダは、2030年に2005年比で32〜40%下回る範囲で削減することを目標に、「健全な環境と健全な経済」政策を推進する。

 カナダ政府によれば、エネルギー効率の高い住宅や建物への転換を推進していくという。それにより、より快適で、電力コストを低く抑え、汚染も削減、それに加え新たな雇用も創出できるという。また、クリーンエネルギーとその技術への投資を通じてクリーン電力の供給を拡大し、低排出ガス車やゼロエミッション車などによりクリーンな輸送を奨励する。

 さらにカーボンプライシングを導入、その収益を家庭に還元することで、経済的ニーズと環境目標を同時に満たすことができることを証明するという。勝手気まま、自由に汚染が進行してまえば、自分たち全員が望んでいる経済を成長させることはできないという。

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 カナダ政府はみずからの購買力を活用して、連邦政府の建物での排出量を削減し、建設資材に含まれる炭素を削減する技術など、カナダの経済部門全体で新たなクリーンテクノロジーをサポートする。 

 自然が気候変動の脅威にさらされているように、自然はそれとの戦いの味方でもあるとカナダ政府はいう。

 20億本の木を植え、自然環境をよりよく保護、復元し、地域コミュニティをより回復力のあるものにし、自然環境へのアクセスを増やしていく。こうした活動で、植樹、都市計画、観光などの分野で雇用を創出していくとしている。

www.canada.ca

 

 いつからか自国優先主義がまかり通り、プラグマティズム実用主義が蔓延、自国の経済ばかりを考えるようになり、経済対立する世界になってしまった。2020年の年末も近づき、そんなことを思う。年が明ければ、また国際協調の流れに復帰することになるのだろうか。

 また急速にコロナが再拡大を続けている。こんなに酷いコロナ渦にあっても、経済を優先することに少しばかり疑問を感じてくる。そんなことがずるずると長引かせている一因なのかもしれない。それでも、いずれそれも収束していく。

 ポストコロナは、各国が進めるグリーンリカバリーを基軸に進んでいくのだろうか。多国の動きを見ても、共通事項も多々あるように思われる。うまく国際協力できればいいのかもしれない。

 本来、2020年がSDGs行動の10年の始まりと言われていた。来年2021年が再スタートする年になればいいのかもしれない。SDGsがもとめるダイバーシティインクルージョンの精神を取り戻せば、今ある世界を改善していくのだろうか。