Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

海洋ごみへの挑戦続く オーシャンクリーンアップ インターセプタを増強

 

 世界では様々な研究が行われている。海洋プラスチックスの生態系への影響もそのひとつであるが、 公開された76の研究論文からのデータを評価し、研究者らが予測した結果をテスト評価した研究結果が発表されたという。

 

海洋ごみ どのプラスチックスが最も危険か

 2016年、研究者らは、海洋ごみのうち、野生生物にとって最も致命的であると考えた4つの主要なアイテムとして、漁具の残骸、ビニール袋、ブイ、プラスチック製の道具を特定した。今回、4つの項目のうち3つで、それが正しいことがわかったという。

プラスチックシートやバッグ、パッケージなどの軟質のプラスチックスは、野生生物の腸の閉塞を引き起こす可能性があり、これが原因ですべての海洋生物で死亡例が確認されたという。特に、プラスチックシート類は、クジラ類とウミガメで最も多く確認された。漁具の残骸は、より大きな動物、特にアザラシやアシカの死因になっていたという。

 一方、ブイやロープなどは、小さな動物にとっては致命的となり、そして、硬質プラスチックスは海鳥の中で最も多くの死亡原因になったという。

 

 

 

 「The Maritime Executive」がこの内容を紹介し、解決策とし、海洋プラスチックスの摂取による海洋生物の死亡を減らすための最も費用効果の高い方法は、最も致命的なアイテムをターゲットにして、環境からそれらを削減することだという。

 

www.maritime-executive.com

 

オーシャンクリーンアップ 活動拡大へ

 果敢にも海洋ごみの削減に挑戦し続けるThe Ocean Cleanup (オーシャンクリーンアップ)という環境活動グループがある。2019年に立ち上がり、太平洋で海洋プラスチックスの回収を始める。そして、その活動は海洋プラスチックスの流出源と言われる河川にも広がりをみせる。この組織を率いるのはBoyan Slat(ボイヤン・スラット)氏。

 

dsupplying.hatenablog.com

 

 海洋ごみを回収する新しい「Ocean Cleanup System 002」が稼働始める準備を進めるという。

 

www.instagram.com

 

 

 

 河川でプラスチックスゴミを回収する「インターセプタ」は、マレーシアのクランでさらに2隻の建造が始まっているという。この新しい船は2021年5月に完成する予定だ。これらが完成すれば合計6台となる。

 

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(写真:The Ocean Cleanup)

 

 オーシャンクリーンアップによれば、グローバルにスケールアップしていくための基礎を築くため、インターセプター005と006は、これまでの第2世代のインターセプタでの経験を活かし、第3世代となるこられの船では、収集効率と生産の容易さを向上させているという。

 

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 (写真:The Ocean Cleanup)

 

パートナーシップ 活動の輪が広がる

 オーシャンクリーンアップの目的は、きれいな海にすることを達成することにあるという。そして、そのために、世界中で最も汚染されている1000の川で、インターセプタを使ってプラスチックスごみ回収に取り組むことだという。

 オーシャンクリーンアップは自分たちは小さなチームであるため、単独でできることに限りがあるという。しかし、今回は、「Konecranes」とのパートナーシップのおかげで、この第3世代の開発と建造につながったという。

 建造中のインターセプター005と006は、LAで活動する予定だという。

 

theoceancleanup.com

 

 

 

ポストコロナに向けて

 ウィズ&ポストコロナの成長戦略とし、政府は2050年のカーボンニュートラルを目標とし、また、循環型経済を標榜する。

 世界の海はつながり、海洋ごみには国境がない。 大きな目標をもって、その海洋ごみと格闘する青年がいる。

 日本の企業も国内ばかりに目を向けるのでなく、世界の海にも関心を持った方がいいのかもしれない。できることならオーシャンクリーンアップのような活動とパートナーシップを組み、支援していくべきなのであろう。

 それが循環型経済への近道のような気がするし、また、SDGsにも大きく貢献することになる。