米ホワイトハウスでの記者会見も正常化したのだろうか。サキ報道官の記者会見の模様がニュースで流れ、そんなことを感じた。
映像に映るサキ報道官がマスクを2重にしていたことが少し気になった。N95らしきマスクの上に赤のマスク。N95マスクでは物々しく見える。それを和らげるために赤のマスクだったのだろうか。それとも、バイデン政権に変り政府施設内でマスク着用が義務化されたことの影響だろうか。
高性能マスク着用の欧州
欧州では着用義務マスクの種類指定に踏み切る自治体が出ているとNewSphereが伝える。それによれば、ドイツ全土においても、公共交通機関と小売店内ではFFP2マスク(かサージカルマスクを着用することを義務化すると発表したという。
FFP2マスクとは、ヨーロッパ統一規格で濾過率が94%以上のものを指すという。これは、米国規格によるN95(同95%以上)や日本規格のDS2(同95%以上)のものとほぼ同等の性能を持つものだそうだ。
フランスの公衆衛生高等評議会(HCSP)は1月18日、「変異種の発現を受け、今後はサージカルマスクか、カテゴリー1の布マスクを推奨する」旨の意見をまとめた。フランスで言うカテゴリー1の布マスクとは、3ミクロン以上の微粒子濾過率が90%以上のものを指し、濾過率70%~90%のカテゴリー2と区別されている。仏連帯保健省の保健総局(DGS)の依頼を受けてまとめられたこの意見書は、今後保健総局の検討を経て採否が決定されることになっている (出所:NewSphere)
コロナパンデミックにより、多くの異業種からマスク市場への参入が相次いだ。マスクに縁遠かった国でも今ではごく普通に着用するようになったが、コロナの再拡大で、この先マスク性能が求められていくようになるのだろうか。活気づいたマスク市場にまた変化があったりするのだろうか。
思いがけないビジネスチャンス
パナソニックが、電源を用いずドライアイスなどの保冷剤でマイナス70℃の環境を最長18日間保持できる真空断熱保冷ボックスを開発したと発表した。2020年度末から製薬会社や流通業者などへサンプル提供を開始し、早期の商品化を目指すという。
産経新聞によれば、政府はワクチン接種に向け、超低温冷凍庫を各自治体に配備する計画を進めているという。
各地の接種会場への輸送や保管にはドライアイスを用いた保冷ボックスが必要で、パナソニックは相当程度の需要があると見込んでいる。 (出所:産経新聞)
思いがけないことがビジネスチャンスになる。パナソニックの冷蔵庫の省エネ性能を高める真空断熱技術がこの商品に活かされているという。
一助
トヨタが、足踏み式の消毒スタンドを昨年12月から、国内のトヨタ車両販売店・トヨタレンタリース店で販売しているという。この商品は「しょうどく大使」という名がついているそうだ。
トヨタイムズによると、新型コロナが拡大する前から、トヨタの各工場では、現場社員によって足踏み式の消毒スタンドが作られていたという。自然発生し、社内のいたる所で作られていたそうだ。
工場にある材料を流用し、部品の加工も切断と塗装のみ。新たな設備を作らず量産できる設計にした。 (出所:トヨタイムズ)
その後、TPSトヨタ生産方式のプロが改善を重ね、商品の完成に至ったという。
足踏み式の消毒スタンドは、すでに多くの種類が販売されていたが、すべての人が使いやすく、安価なものは少なかったという。
普及させることで感染予防の一助にする。
「安価で多機能を目標に作り込んだ。消毒の習慣を広げたい」と開発担当者は話しているそうだ。
流石トヨタ。1台当たり20~30分かかっていた作業が、12月に入る頃には6分に。12月1日に国内のトヨタ車両販売店やトヨタレンタリース店で販売が開始されてからは、オーダーの増加にあわせて作り方をさらに工夫、1台当たり2.5分にまで短縮。複数ラインにも横展開することで、今では日当たり800台以上の製造が可能になったという。
コロナパンデミックにあっては、公衆衛生に資するのであれば、そこにビジネスチャンスがあるのかもしれない。
コロナ渦と嘆くよりは、トヨタやパナソニックのような対応をより多くの企業が行うようになれば、やがてコロナも収束していきそうな気がする。それは業界を問わず言えることではなかろうか。
人にうつさなない、うつさせない場、その環境があちらこちらに整えればいいのことなのだろう。
業を煮やす
バイデン米大統領が、新型コロナウイルスの拡大阻止に向けた新たな国家戦略を発表したと共同通信が報じる。ワクチン接種拠点の拡大や国民への啓発活動に全力を挙げると表明したという。
コロナの無法地帯と化していた米国が変れば、その影響は大きいのだろう。政権が変わったことで、もう言い訳に使えるネタがなくなったのかもしれない。
ただただコロナの早期収束を願うばかりだ。