Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナ渦と脱炭素社会 アフターコロナの脱炭素社会を目指すANAの構造改革 

 

 コロナはいつになったら収まるのだろうか。コロナ渦による経済の影響ばかりが強調され、対策がワクチン頼りでは、やはり厳しいということなのだろうか。

 感染予防策として「換気は重要な課題」とする東京都は、中小企業の換気対策工事に対する補助制度を拡充するという。日本経済新聞によれば、工事費用の3分の2を補助し、上限額を200万円に引き上げる。対象も事業者単位から事業所・店舗ごとに広げるという。

 

www.nikkei.com

 

 感染症が抑え込まれていない状況下にあって、利用者の感情に訴え、良心に頼る景気刺激に限界はないだろうか。まずは公衆衛生、安心・安全な環境が不可欠のような気がする。

 政策によるミスリードはないのだろうか。前政権の空前絶後の景気刺激策ではなく、多くの事業者、店舗が公衆衛生に資する環境作りに参加できるような補助制度が必要になっているような気がする。それがあってからの刺激策でないと、いつまでも、感染拡大で街中が静まり、感染が下火になると街中に人があふれ、また、感染が拡大する。それでは、生きたお金の使い方になっていないように思う。

 

 

 

 未曽有のコロナ渦という時期に、前年並みの売上を求めること自体に無理はないだろうか。ないものねだりのような気がする。

 可及的速やかに回復したいとの気持ちは理解できるが、まず現況を受け入れ、環境の改善を優先させ、そこから回復を急ぐという方向にマインドリセットできないのであろうか。そうすれば、いつまでも同じことが繰り返されることはなくなるような気がする。

  政府が2050年のカーボンニュートラルを宣言することで、社会に少し変化が起きているようにみえる。コロナもまた同様な気がする。政策を見直することで社会の雰囲気に変化が起きるのかもしれない。

 

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落ち込んだままのGDPギャップ

 GDPギャップが7~9月期はマイナス6.2%だったという。日本経済新聞によれば、金額にすると年換算で34兆円。4~6月期の57兆円から改善したものの需要の不足が大きいという。

 GDPギャップとは、「需給ギャップ」とも呼ばれ、日本経済全体の需要、個人消費や設備投資を積み上げる実際の国内総生産GDP)と潜在的な供給力の差を示すという。

 

www.nikkei.com

 

 

 

 コロナ渦で苦境のANA 構造改革続く

 ANAは、こうした状況下、公募増資で最大約3321億円を調達するという。ブルームバーグによれば、新型コロナウイルスの感染再拡大への懸念が高まる中、機材の購入費用などに備えるため追加の資金調達に踏み切るという。調達資金のうち2000億円をボーイング787型機の購入含む設備投資資金に使い、残りを長期債務の返済資金に充当するそうだ

 ANAによると、ボーイング 787の導入は、中長期的な成長原資として、需給適合対応力の向上と環境負荷の低減を実現する目的としているという。大型機のボーイング 777を中心に28 機を早期退役させ、中型機の787の導入により、国内線における需給適合対応力を高めることができるという。また、ボーイング 787は、従来型機と比較して燃料消費量、CO2排出量を約 20%削減することができるという。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 コロナ渦の影響をまともに受け苦境に陥ったANA。早期の回復はないと見込み、それに合わせ、痛みを伴う構造改革を断行しダウンサイジングする。大企業であるがゆえにできることなのだろうか。しかし、そうした勇気ある決断がアフターコロナの成長につながるのかもしれない。

 航空業界ばかりでなく、コロナの影響を受ける他の業界も参考にしてもよさそうだ。ただ、それは中小企業にとっては厳しい選択になるのかもしれない。

 突如として降りかかったコロナという災禍で需要が蒸発した。それは誰のせいでもない。そんなときに、自らが生き残るためにと顧客を巻き添えにするようなことがあってのいいのだろうか。政策がそうしたことを誘発させているようなことがあれば、残念極まりない。

 

 

 

 一度、撤退すると再起するのが難しいのが今の日本なのかもしれない。この厳しい時期を乗り越えるために、一時的に撤退できる制度があってもいいのではないであろうか。誰もが容易に再チャレンジできるようになれば、また違った展開が生じるのかもしれない。  

 コロナ渦の経験を通してそんな寛容な社会になればいいのかもしれない。