コロナで、様々な意見、議論が巻き起こっている。
今はメディアの意見を鵜呑みすることは危険なものかもしれない。それはあくまでも個人的な見解に過ぎない。ニュースネタを提供する通信社が中立性を保っているのかもしれないが、それでも個人的な見解を100%排除することは厳しいのかもしれない。
フランスの通信社AFPが、「トランプ氏のコロナ対応は「大惨事」 オバマ前米大統領が批判」と報じた。
11月の大統領選に向けて、民主党候補指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領を共に支持するよう前政権メンバーらに呼び掛けたという。
オバマ氏は、「われわれが闘っているのは、自己中心的で仲間を優先し、分裂して他者を敵視する長期的な傾向だ。それは米国人の生活の中でより強い衝動となっている」と語った。
また、新型コロナウイルスの感染拡大の対応について、「政府が極めて有能でも、うまくいかなかっただろう。
『自分にとってどのような利益があるか』や『他人のことなど構わない』という考え方が政府でまかり通る時、(コロナ対応は)全くの混乱を招いた大惨事となる」と述べた。 (出所:AFP BB News)
「政府が有能でも、うまくいかなかっただろう」というのは率直の意見のように思う。
数字だけを見えれば、国内の対応は米国ほど酷くなかったと言えそうだが、単なる比較論は適正ではないのかもしれない。
中国新聞が、「橋下徹氏が東京都・小池百合子知事の功績認める」と報じた。中日スポーツによれば、「休業要請かけたときにお金を補償するとはっきり言い出したのは小池さんですから。....小池さんがそれを言ってから、補償しなければいけないというムードになった」と功績を認めたという。
その東京都は、緊急事態宣言が延長されたことに伴い、「協力金」を追加支給するという。
「休業補償をしない場合は「国民全体の命を守るために、一部の人を犠牲にすることがまかり通っちゃう」としているが、国政側が重い腰をなかなか上げなかった」と橋本氏は指摘したという。
読売新聞が「安倍内閣の支持率、横ばい42%」と報じた。8~10日に読売新聞が実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は42%となり、不支持率は48%だったという。
一人の意見は、必ずしも全体が受け入れることはない。
今も過半数近い42%が現政権を支持している。
「#検察庁法改正案に抗議します」が話題になっているようだ。ツイッターで急速に広がり、このハッシュタグを付けた投稿が470万件を超えたと東京新聞が伝える。俳優や歌手ら著名人も投稿し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で街頭での抗議が難しい中、ネット上でのデモとなっているという。
この声は政権に届くのだろうか。470万件とは膨大な数字に見えるが、1億人以上になる有権者数からすれば、微々たる数字となってしまうのだろうか。
オピニオンリーダーや知識人と言われる人々が、「不安」を煽るような言葉を使い過ぎていないだろうか。
Newspicksは、「逆境に勝つ企業 SURVIVAL」という特集を組み、「絶対生き残る」とか「Cash is King」と題した記事を投稿する。
SURVIVAL、生き残るという言葉から、生き残れない人を見捨てるような語感がある。
日経ビジネスは、「雇用クライシス コロナ・エフェクトに備えよ」という特集を組む。何もこうした記事が間違ったことを言っていると思わないが、言葉を選ぶ必要があるのではないかと感じる。過激な言葉を使えば、何か尖ったような気分になるのかもしれない。しかし、それでは、このコロナで社会がだめになっていくような印象を与えてしまうかもしれない。
「われわれが闘っているのは、自己中心的で仲間を優先し、分裂して他者を敵視する長期的な傾向だ。それは米国人の生活の中でより強い衝動となっている」
とオバマ氏は語ったという。
何も米国ばかりでなく、日本も同じようになっていないだろうか。
コロナは人類にとって共通の危機なはずだ。サバイバルゲームにすることは自己中心的な考えになっていないだろうか。
コロナが過ぎ去った後では、温暖化対策やSDGsが人類共通の課題に立ち向かっていかなければならない。もうそろそろ分断を煽る自己中心的な考えから抜け出るべきではなかろうか。
日本資本主義の父、渋沢栄一は道徳と経済は両立すると説いた。渋沢は道徳が「論語」であると憚らない。その論語の中心的な考えは、「仁」という言葉である。そこには尖ったもの考え方などは似つかわしくないのかもしれない。それよりは、忠恕、中庸の徳といった言葉であろうか。
渋沢氏は、「人を思いやり、慈しむ心である『仁』があれば、おのずと道徳は保たれ、社会が安定する」という孔子の教えに加えて、「経済を成長させるために稼ぐことも大事。ただし、正しい方法で稼ぐために論語が必要であり、論語と算盤をバランスよく両立することが大切なのだ」と説きました。
人間の欲が、論語と算盤のバランスを崩した結果、引き起こされたリーマン・ショックや日本のバブル崩壊は、渋沢氏の懸念が現実化したものだったのです。
では、論語と算盤を両立させるためにはどうすればいいのでしょうか。渋沢氏は、物事を見分ける「知恵」と、他人に降りかかってくる痛みがわかる「情愛」、強い「意志」が必要だと言います。 (出所:Forbes)
来年の大河ドラマ「青天を衝け」では、渋沢栄一が主人公となる。どんなドラマになるか、今から楽しみでもある。
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