Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナ ビフォー&アフター 地球環境の改善は一瞬で終わるのか

 

 世界を震撼させたコロナも一時の勢いが失せてきたのだろうか。 今また、世界は静かに経済活動を再開させる方向に動き始めた。第2波、第3波がやって来るかもしれないが、そうしたことを乗り越えながら、経済活動は力強さを回復させていくのだろうか。

 

 昨年、欧州の平均気温は過去最高だったという。「地球が温暖化するにつれ、高気圧で深刻な事態になる可能性が指摘されている」とロイターは報告していた。

 

 コロナと地球温暖化の関係性についてのニュースも増える。

「人間による環境破壊で生態系が混乱を起こしている影響だ」、

「開発や地球温暖化によって野生動物とヒトの暮らす空間が近づき、ウイルスがヒトに伝播しやすくなった」

と述べた長崎大熱帯医学研究所の山本太郎教授のことばをロイターは紹介する。  

 

 AFPは、「動物由来感染症」、拡大原因は人的活動と指摘する。

 UNEPが2016年に発表した報告書の説明では、「動物由来感染症の出現は、農業の集約化、人の定住、森林や他の動物生息地への侵入などの環境の変化やかく乱に関連する場合が多い」という。

 主要な懸念領域は、農地に転用するための森林伐採と集約的な畜産業だ。

家畜は自然界の病原体と人との間の「橋渡し」となる場合が多い。また、畜産業界で抗生物質が広く使用されることにより、臨床現場で用いられる薬剤に対して病原体が耐性を持つことにもつながるのだ。

 さらには、都市化と生息環境の断片化によって生物種間のバランスが大きく乱され、また地球温暖化によって病気を媒介する動物が新たな生息地へと追いやられることも考えられる。 (出所:AFP BB News)

 

 このUNEP報告書では、「生態系の保全が、人の健康と発展を明確に示す」と指摘していたという。

「人類が自然を無視し、地球を共有すべき動物たちを軽視した結果、パンデミックが発生した」と指摘する学者の言葉をAFPが紹介していた。

 

www.afpbb.com

 

 

 

 欧米でオーバーシュートを起こり、コロナの巣窟と化した時、映画のエイリアンを思い出した。

 エイリアン2だったか、エイリアンに侵され繭になってしまった人間やプラント内がエイリアンだらけのシーンが、コロナの巣窟と化した欧米の様子と重なった。

 そんなシーンを連想すると、SFが描くディストピアの世界がやって来るのではと恐怖に慄き、何かサバイバルゲームが始まるのではと思い込んだりもした。

 しかし、それはSF映画の世界だ。世界各地でコロナもピークアウトし、徐々に日常を取り戻そうとしている。

 気の早いせっかちなコンサルタントは、そんなSFまがいな世界を想定し、新たな社会を予想する。

 

 休業要請で人気がなくなった街から、現代文明は破綻したと想像し、マスクや消毒用品を求め列をなす人々はディストピアの世界の象徴のように映り、これからはサバイバル社会だと指摘する。

 いつ社会のインフラが止まり生活の基盤が崩れても生き残れるよう、エコミニマル&エシカルなサバイバルを誰もが心の底で決意したかもしれない。

 不要不急の贅沢をあおる百貨店や中途半端な割高ブランドなど存在場所がなくなる一方、ライフラインを支える公共サービスや医療はもちろん、食品や医薬衛生品など生活必需品を提供する小売業者やサプライヤーは供給維持のサステナビリティ責務を痛感したのではないか。 (出所:WWD Japan)

 

www.wwdjapan.com

 

 人の心はそんなに単純に変化していくものだろうか。米国では、一部の百貨店が破綻したようだが、国内でもそんなことが起きるのだろうか。DXが一気に進み、業界を一変させることがあるのだろうか。

 

 ロイターは「新型コロナからの再生、主要国は温暖化に対応を 投資家が要請」と伝える。ロイターによれば、投資家グループが「気候変動を悪化させる再生計画を実施すれば、投資家や国家経済は将来的にさらなる金融、保険、社会的なリスクにさらされる」と警鐘を鳴らしたという。

 これが現実なのであろう。ビフォーコロナと変わらない世界を危惧しているようだ。手を緩めると、何も変わらずに温暖化対策が進まない社会がもう一度再生されてしまうのかもしれない。

 

jp.reuters.com

 

この異常事態、危機から何か教訓を学ばなければならない。

その教訓を活かした先に持続可能な社会があり、SDGsが完遂に向かい、感染症のリスクも低下していくのかもしれない。 

 AFPが指摘した「生態系の保全が、人の健康と発展を明確に示す」そんな社会だ。

 

 自然は飛躍などしない。拙速やあまりにも突飛過ぎることは自然からかけ離れている。

 

 コロナで世界各地の環境が改善されたということがニュースになった。地球環境と経済をバランスさせることが求められているのは間違いなそうだ。

 

 

「参考文書」

jp.reuters.com

 

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