Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

コロナ渦 苛立つ中国とそれぞれの国のリーダーたち

 

 チェコの代表団が台湾を公式に訪問しているという。

 中国は「一つの中国」に反する「卑劣な行為」だとして激しく非難したと日本経済新聞が伝える。

 

代表団は首都プラハ出発を前に「今回の台湾訪問はチェコバツラフ・ハベル元大統領の精神を示すことだ」と強調した。

2011年に死去したハベル元大統領は1989年当時のチェコスロバキア共産政権を非暴力で倒した「ビロード革命」の立役者で、チェコの初代大統領。

中国の圧力を受ける台湾の国際社会への復帰を願い、国連加盟の働きかけを行うなど台湾との関係も深かった。 (出所:日本経済新聞

 

 日本経済新聞によると、チェコのナンバー2であるビストルチル上院議長のほか、研究者、経済人、メディア関係者らで代表団は構成されているという。台湾の蔡英文総統との会談も予定している。

 

www.nikkei.com

 

 「卑劣な行為」は随分過ぎた言葉のように感じる。非難するにしても、もう少し言葉を選ぶべきではないであろうか。

 

 

 

 その中国の王毅外相が欧州を歴訪しているようだ。

 独仏は中国の香港国家安全維持法に反対し、香港との犯罪人引き渡し条約の停止を発表しているという。欧州では新型コロナの感染拡大で反中世論がこれまでになく高まっている、そうした中での王毅外相の訪欧と時事通信は伝える。

マクロン大統領は王外相に、香港の現状や新疆ウイグル自治区の人権問題に「強い懸念」を表明したという。

 

共産党機関紙・人民日報系の環球時報は社説で、今回の5カ国訪問について「ポンペオが欧州でまいた毒を王毅が消毒する」意味があると解説した。 (出所:JIJI.COM)

 

  こちらも、やはり過ぎた言葉のように聞こえる。

 

www.jiji.com

 

 Wow Koreaによれば、30日、王毅外相は、「新疆ウイグル地域と香港で起こっている事は中国の内政であるため、他国は干渉してはいけない」と語り、「他国が中国の内政に干渉するな」と警告したという。

 

www.wowkorea.jp

 

 ドイツを訪問中の王毅外相が、また過激な発言をしたようだ。

 訪台中のビストルチル氏に「中国人14億人を敵に回す」のも同然で、「近視眼的な行動と政治的なご都合主義の高い代償を払わせる」と警告したとロイターが伝える。

 

ビストルチル氏は王氏の発言について、チェコの内政に対する干渉だと反論。

チェコは全ての国との良好な関係を求める自由な国であり、(王外相の)発言に関わらず、将来もそうあり続けるだろう」と述べた。

その上で「繰り返しになるが、今回の訪問は政治的に誰かと対立することを狙ったものではない」と強調した。 (出所:ロイター)

 

 ロイターによると、台湾の王美花・経済部長は、「チェコ共和国と台湾は自由で民主的な国であり、人権に重きを置いている。われわれはチェコの人々と価値観を共有している」と語ったという。

 

jp.reuters.com

 (9月1日 追記)

 

 欧州5カ国歴訪で対欧関係強化を狙っていた中国の王毅外相だが、最後の訪問国ドイツで、むしろ欧州との関係をこじらせたようだとブルームバーグが伝える。

 

王外相はチェコのビストルチル上院議長率いる90人から成る台湾訪問団に触れ、「一線を越えた」と批判。

これより先にも、王外相は同上院議長が高い代償を払うことになるなどと発言していた。

これに対しマース外相は「われわれ欧州人は緊密に協力して行動する。われわれは国際的なパートナーに敬意を払い、全く同じことをパートナーに期待する」と明言。

ここでは、脅しはふさわしくない」と述べた。 (出所:ブルームバーグ

 

www.bloomberg.co.jp

 

 

 

 28日、安倍首相が辞任を表明した。その安倍首相も国会答弁でかなり過激な言動が多かったように記憶する。

 

 その安倍首相の足跡を、英BBCが「安倍晋三氏とそのレガシーとは ナショナリストか現実主義者か」という記事にして投稿した。

 BBCは、国内向けには、ナショナリスト的なアジェンダ(政策目標)を推し進め、対照的に外交では(安全保障政策であれ経済政策であれ)、典型的なプラグマティスト(実践主義者、実用主義者)を貫いたと指摘する。

 

既存の同盟関係(特にアメリカとの同盟関係)を強化した。

相手が民主国家だろうが独裁国家だろうが、相手のイデオロギーを問わず、地域や世界のアクター(行為主体)と新しいパートナーシップを構築した。 (出所:BBC NEWS Japan)

 

 また、「アベノミクス」は、プラグマティズム(実践主義、実用主義=一種の功利主義哲学、物事の真理を「理論や信念からはなく、行動の結果によって判断しよう」という思想)によって裏付けされるとBBCはいう。

 その成功は、実体を伴ったというよりは見た目優先だった、これは、政策の実行と同じくらい、メッセージ発信を重視した安倍政権の方針に合致していると指摘する。

 

安倍氏ナショナリスト的な野心を抱きはしたが、実際にはその一部しか実現できなかった。

それよりもむしろ、安倍氏が残した現実的でプラグマティックな成果こそ、今後最も長続きするレガシーとなるのだろう。 (出所:BBC NEWS Japan)

 

www.bbc.com

 

 コロナ渦、安倍政権は、新型コロナ対策で支持率低下を招いた。一方で、コロナ対策で支持率を大きく改善した政治家がいる。ドイツの首相メルケル氏だ。

 

 「危機は責任者にとっては常に成功か失敗かの分かれ目となる」

 AFPによれば、直近の世論調査で、71%がメルケル氏の仕事ぶりに「非常に満足している」または「満足している」と回答したという。

  それ以前のメルケル首相は中東からの移民を大量に受け入れる政策によって人気を落としていた。

 

 夏の恒例の記者会見で、メルケル首相は、ドイツに流入して来る移民に国境を開放し続けた2015年の政策に後悔はしていないかと質問され、「私は基本的に同じ決断をする」と明言した。(出所:AFP BB NEWS) 

 

www.afpbb.com

 

 そのメルケル首相を支えているのは、「ナチス時代の反省」なのであろうか。

 

ナチス時代の経験を教訓として、戦争や政治的迫害などの苦境にある市民に手を差し伸べることが、ドイツの国としての「理念」の一つであると言える。 (出所:DRIVE)

 

 AFPによると、ドレスデン工科大学のハンス・フォアレンダー教授(政治学)は、「状況がこれほど急に変わり得るとは驚きだ」という。

 

有権者は、コロナ危機の最中にメルケル氏の「合理性と冷静さと自信」に引きつけられたのだろうと述べた。

 フォアレンダー教授は、メルケル氏が新型ウイルスと闘うために行った抑制のきいた訴えが国民に良く受け入れられたのは、「権力をマッチョに誇示するのではなく、国民の気持ちに沿ったものだったから」だと指摘した (出所:AFP BB NEWS)

 

 

 

 BBCが指摘した「安倍氏が残した現実的でプラグマティックな成果こそ、今後最も長続きするレガシーとなるのだろう」との言葉が気になる。

 ここ最近、プラグマティストが増えているような気がする。目先の利益を追ったり、辻褄合わせのようなことが増えてはいないだろうか。それに加えて、過激な言葉も気になる。

 

 言葉は大事だ。コミュケーションを通して理解を深めることもできるし、対立や分断の原因になる。

 メルケル首相に見習いたい。

 

 

「参考文書」

drive.media

 

www.tempstaff.co.jp

 

f:id:dsupplying:20200831191245j:plain