ようやくトヨタが動く。こう言ったら失礼なのだろうか。
トヨタが「医療現場や医療用品への支援」と表明した。当局への配慮だったのか、当局から発表を抑えられていたのか、政府が「緊急事態宣言」発令が確定してからの支援表明に少しばかり違和感があった。
多くの人がマスク不足に苦しみ、どれだけの人々が先行きに不安を感じているのだろうか。誰もが不安解消につながるニュースを待っている。海外で、多くの企業が支援を始めたという次々に報じられれば、なぜ国内大手企業のアクションは遅いのだろうと疑念が生じる。様々な制約があることは理解できことだが。
理由はどうあれ、トヨタが支援表明したことを機に他の企業も呼応してくれればと思う。
生産活動用マスクの自社内生産による自給自足、需給緩和に向けた取り組み
社会的なマスク不足への対応として、生産活動においてグループ内で必要とされるマスクの自給自足を進めるため、自社施設内でのマスク生産を検討しております。市場からの調達量を低減することで、社会におけるマスク不足の緩和に少しでも寄与できればとの想いによるものです。
株式会社デンソーは、製造現場を中心に社内で必要となるマスクを自主生産することを決定。4月中の生産開始を目指して試作品の生産に着手しており、軌道に乗れば10万枚/日の量産が可能となる見通し
トヨタ紡織株式会社は、4月上旬より刈谷工場において生産を開始(1500枚/日)。順次、増産を図るとともに、5月以降は猿投工場に移管、1.2万枚/日への増産を計画中
その他、アイシン精機、ダイハツ工業、日野自動車などでもマスクの自社生産を検討中 (出所:トヨタ ニュースリリース)
世界屈指の企業であるトヨタに期待したいと思ってしまう。その生産技術力、人材からすれば、この危機下で、やれることも多々あろう。ニュースリリースには、トヨタの「基本的な考え方」が記されている。シンプルだが、力強い言葉だ。
配慮しなければならないことや定款などの制約もあろうけど、今、「やるべきこと」をしっかりやって欲しい。
<基本的な考え方>
(出所:トヨタ ニュースリリース)
- 無駄なことは、思い切ってやめる
- より生産性を高めるために、やり方を変えていく
- どのような状況でも「やるべきこと」はしっかりやる
昨年、気候変動サミット開催にあたり、国連のグテーレス事務総長は、「気候変動は既に非常事態だ」として、各国首脳に「美しい演説ではなく具体的な計画」を持ってくるよう要請したという。
未曾有の危機下、非常事態時に、「美しい演説」はいらない。全てがその演説のために用意されているように見えてしまったらおかしな話になる。刻々と変わる状況に応じた適切な発表が必要ではないであろうか。
そうしたことで安心感は得られ、苦難に対処、協力しようとの芽が出てくるのではなろうか。
昨日4月7日、首相の記者会見があった。
何事にも一連の手順を踏まないといけないのであれば残念と言わざるを得ない。
昨日、介護現場で働く人から話を聞くことができた。国からのマスクの支給は職員あたり1枚しか届いていないといっていた。