Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

霧の中の未来予測 今、サスティナビリティは持ちこたえる力

 

 コロナで打撃を受けている産業が、次々とこの危機に対する支援の行動を始めたと聞くと少しばかりの安堵を感じる。ただ利益のみのためではなく、社会のために動く姿勢をみることができれば、ステークスホルダー資本主義への移行が進んでいるのかと感じることができる。

 米アップルには脱帽である。こう次々と様々なことができることにただ驚くだけだ。

 新型コロナウイルス感染者の濃厚接触の可能性を検出・通知する技術をグーグルと共同開発するという。

 

www.nikkei.com

 

 国内では自動車工業4団体が共同メッセージを発したという。記者会見した豊田会長の言葉をCar Watchが紹介する。豊田会長のは、冒頭、「先日の自工会の会見で私から、世の中にはコントロールできる話とコントロールできない話がある。コントロールできないことに深刻になればネガティブになる。自分がコントロールできることをしっかりやっていこう。コントロールできないことを誰かがやってくれていたら感謝しよう」と述べたようだ。

 

マスクの自給自足

 

医療崩壊をさせないため…少しでも役に立てること…
そのひとつ目は、われわれ、自動車産業の手でマスクを作ることです。しかし、これは、まだ、皆様にお届けするほどの品質も、数量も確保できておりません。クルマの部品から作ったマスクの最初の試作は、実際、ゴワゴワでした…。

 改良も進んでおりますが、先ず、これらは、自分達の身を守るために使ってまいります。その分、外からの購入を減らし、少しでも需給緩和に寄与できればと考えております。 (出所:Car Watch

 

car.watch.impress.co.jp

 

 豊田会長は現下の経済状況を、「足もとの状況は、本当に苦しいものがあります。人類がコロナの脅威に打ち克つ日は必ずきます。ですが、このままでは、それより前に、日本経済が疲弊し、崩壊しかねません。われわれ、自動車産業は、崩壊の歯止め役として、なんとか、お役に立ちたいという想いです」と語られた。

 

 

 

 そうは言いつつも足元苦しい中で、アフターコロナをどう予測し、その準備を始めているかは気になるところであるが、こうしたことは企業からのリークがなければ、なかなか予測が困難なところであろう。

 ロイターが、「日産自、中計で年間販売目標の100万台削減を視野=関係筋」と報じた。このような報道がふえるのであろうか。

 

jp.reuters.com

 

こうしたときに、やはり注目が集まってしまうのが、 米アップルということなのであろう。今年9月にはアイフォンの新機種発売が噂されていたが、この新機種関連の報道が始まっている。

 

www.businessinsider.jp

 

 Business Insiderは経済回復のいくつかのパターンを予測し、U字回復のシナリオが現実的と指摘し、アップルもそれに合わせて、アイフォンにリリース時期を遅延させるのではと予測する。理由は生産ではなく、消費者心理とする。

 

 Business Insider記事の元になったひとつである Nikkei Asian Reviewは、アイフォンに使用されるプリント基板のサプライヤーの声を伝える。

 

プリント回路基板に関連する部品のサプライヤは、「以前のように6月になるのではなく、8月末までにAppleの新製品の発売に合わせて大量に出荷するように通知されている」と語った。「この変更はごく最近行われたものであり、これは電話の大量生産も数か月間遅れることを意味する可能性があります。」

最悪のシナリオは、2021年までの発売を遅らせるだけで、Appleの製品リリースのロードマップを混乱させるだけではありません。

(出所:Nikkei Asian Review グーグルで翻訳)

 

asia.nikkei.com

 

 仮に、アイフォンの新機種のリリースが遅れる場合、新機種が発売されるまでの間がどうなるのかが気にかかってくる。

ロイターは、台北を本拠とするテクノロジーアナリスト会社の情報として、「2020年のiPhoneの総出荷予測を1億9800万に引き下げ、以前の予測2億400万から下げた」と報じる。また、ディスプレイサプライヤーからの生産動向情報を17%以上下方修正し、ベトナム工場のアップル指定の生産ラインで労働力を削減することも計画しているとも報じる。Nikkei Asian Reviewは5月頃にはAppleで何らかの判断があるだろうと指摘する。

 アップルから今年の売上予測もあるのであろうか。

  

 

 

 一部の情報だけで、経済の行方を予測することは難しい。ロイターは「FOGGY DEMAND OUTLOOK」という。コロナが正確な予測を困難にする。経済への影響はどこまで及ぶのだろうか。

 

 豊田会長は足元の経済環境が厳しいと指摘したうえで、終戦当時のトヨタを振り返る。

 

  経済環境も、冬が続いています。それも、かなり厳しい冬です。とにかく生き延びなければ、春を迎えることができません。

 私が生まれる前、終戦時の話ですが、戦争で、人も減り、工場も失ったトヨタは、それでも、なんとか生き延びていくために、作れるものは、なんでも作ったそうです。鍋やフライパンをつくり、更には、工場周辺の荒地を開墾して芋や麦までつくっていました。スバルでも、農機具や乳母車、ミシン、バリカン等、あらゆる生活品を作っていたとも聞きました。売るクルマがない販売店も、食器など、なにかしら生活に必要なものを仕入れ、人々に売っていたそうです。われわれの産業には、生き残るための粘り強いDNAがあるはずです。 (出所:Car Watch

 

 生き延びるため。必要なものは何でも作って売る。生活に必要なものを売る。

 コロナを終息させるために何でもやる。サスティナビリティ、持ちこたえる力。

 何も無くなったという終戦直後のようなことになるなんて想像もしたくない。そこまでいく前に、コロナが終息して欲しい。#SocialDistancing

  

「参考文書」

www.reuters.com

 

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