テスラの時価総額がトヨタを抜いたとブルームバーグが報じる。驚きのニュースだ。
ブルームバーグによると、テスラの時価総額は1735億ドルと、トヨタの時価総額2040億ドル(6月15日終値ベース)を下回る。
時価総額は発行済株式数に直近価格を掛けて算出され、数式に自己株式を含めて計算すれば、世界でトップの座はトヨタが守っているというが、自己株式分を差し引くと1750億ドルになり、テスラがトヨタを抜くという。
Tesla is now officially the most valuable automaker of all the world!! Congrats!! 🎉🎉🚀 @elonmusk @tesla pic.twitter.com/BSovZVTGJ3
— Elon's World (@ElonsWorld) 2020年6月10日
ブルームバーグは、「時代の流れという追い風はあっても、トヨタの優れた財務体質を考えると、テスラが過剰評価されている部分がある」と話す三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストの言葉を紹介する。
ツイートされた内容が正であるなら、トヨタとテスラが他の自動車メーカより一歩抜け出ている。
それはそうかもしれない。トヨタは富士の裾野にWoven Cityという未来都市を作り、自動運転やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、ロボット、スマートホームコネクティッド技術、AI人工知能などの最新のテクノロジーを使ったサービスの実証の場にするという。
テスラはテスラで、電気自動車EVを作るだけの会社ではなく、独自に太陽光発電事業を展開、世界各地にメガソーラー発電所を作っている。
世界で走るテスラのEVに必要なエネルギーをテスラ関連の発電設備で作ることができれば、ゼロエミッションの世界が実現できるということだ。
テスラ秘密のマスタープラン
スポーツカーを作る
その売上で手頃な価格のクルマを作る
さらにその売上でもっと手頃な価格のクルマを作る
上記を進めながら、ゼロエミッションの発電オプションを提供する(出所:テスラ公式ウェブサイト)
ブルームバーグが紹介した三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸氏の見立ては甘くないだろうか。
テスラ創業者のイーロン・マスク氏は、テスラ以外にも、SpaceXの宇宙事業、高速移動を可能とさせるハイパーループ構想を進め、その他にも、ボーリングカンパニーで、地下トンネルを掘って、EVで高速移動することも進めている。
忙しすぎるイーロン・マスク氏、死角がないということはないのだろう。
「テスラがアップルになるには“ティム・クック”が必要」…モルガン・スタンレーのアナリストが分析、とのBusiness Insiderの指摘が面白い。
アップルは、スティーブ・ジョブズの遺産を活用して、地政学的、社会的な課題が増大しているにもかかわらず、ティムクック氏の力量で、同社の価値を3倍近く成長させることができたとBusiness Insiderはいう。
「ここからのテスラにとっての問題は、アップルにおけるティム・クック(Tim Cook)のような、1兆ドル企業になるために経営リーダーが必要かどうかだ」 (出所:Business Insider)
それこそ、テスラに、ティムクック氏のようなCOOが登場したら、トヨタを遥かに凌ぐ自動車メーカになれることができるのかもしれない。
テスラは、まだEVを累計で100万台あまりしか販売していないのだから。
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