Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

さようなら、Made in Japan

 

 会社勤めしていて、いろいろな軋轢を感じるようになったときから、起業しようと意識が強くなったのかもしれない。シンガポールに赴任していた時に、いつかは会社を辞めてシンガポールで暮らすのもいいかもと思ったことが、起業しようとの種だったような気がする。

 シンガポールでの経験は間違いなく生活を豊かにしてくれた。今まで知らなかったことを知るという新鮮なよろこびに溢れていた。その経験を活かして何か日本に恩返しができるのではと考えていた。

 薄っすらぼんやりと思っていたのは、「アイディアの起点は日本で、具現化を東南アジアで、最終市場のひとつに日本、そんなバリューチェーンをつくれないか」と夢想していた。欧米企業のものづくりを見て、その効率性に圧倒され、日本のものづくりに何か閉塞感を感じたのかもしれない。

 

 いよいよ会社事業の先行きが怪しくなってきたころより、真剣に起業することを考えるようになった。いろいろな人と接触することも増える。そこには様々な考え方が存在する。会社に所属し仕事をしていれば、暗黙の了解で、その事業の売上を伸ばすことを参加者全員が考えるが、起業の同志を求めるようとすると、そうは簡単に意見が一致することはない。まさに十人十色である。

 

 あの当時、私のまわりには、「日本のものづくり」、「日本の技術」、「日本が一番だ」と思う人ばかりで、変に煽てられていたように思う。いつしか彼らの思いを背負い込んで、それが価値判断を狂わすことになったのかもしれない。Made in Japanよ、さようなら。

 

 自分の中に「ボーダレス」というキーワードを忘れていた。

 

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 プラダの動画を見てそんなことを思い出した。

欧米企業はグローバルに効率的なバリューチェーンをつくっている。

www.prada.com

 

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