「リバースイノベーション」という言葉がかなり前に流行った。新興国の技術などを活用、開発した製品やサービスを先進国に逆流させようと考えだ。現実に成功した事例も多数あるように思う。
シンガポールにいた頃、製品開発の一部を機能移転できないかと考えた。その頃、日本には開発と営業を残すのみでサプライチェーンの主な機能は海外に移転していた。当時、顧客だったPCメーカも開発の一部を海外新興国に移転していた。その顧客の近くで、実存するサプライチェーンの近くで展開応用商品の開発ができないかと模索した。その計画は頓挫したが、その構想はいつまでに心の中にあった。
モバイルバッテリーで名を馳せる「ANKER」をForbesが紹介する。ANKERの日本法人設立の経緯が詳らかに書かれている。これは中国版リバースイノベーションと感じた。新興国、先進国が逆かもしれないが、国の勢いを考えれば、リバースイノベーションと読んでもいい。
この記事がいくつかの気づきをくれた。顧客の近く、現場の近くで開発ができないかと構想したが、その本質は、多様な意見を取り込むことで、イノベーションの可能性がある。そう感じていたのかもしれない。
徹底したローカライズには驚く。製品の価格設定、ブランディング、販売戦略、採用戦略、すべて日本のチームが主導で進めている。
ダイバーシティ、多様性という言葉を気にかけていたが、咀嚼できずにいたのだろう。
そう思えば、この言葉の意味をよく分かる。
職場におけるダイバーシティを、単なる美辞麗句ではなく、革新的なサービスの開発につながる「攻めの人材戦略」と位置付けるBox。レヴィは「ダイバーシティは企業カルチャーにポジティブな影響を与え、イノベーションの創出につながりやすい」と主張する。(出所:Forbes)
ダイバーシティ、多様性といっても多種多様だ。
違いを認め合い、尊重することで、寛容な社会につながる。
ボーダレス、壁や境がない世界
ベルリンの壁が崩壊し、東と西というイデオロギー対立がなくなった。それから30年、新たなイデオロギー対立が生まれているのかもしれない。歴史を繰り返してはならない。私たちが暮らす社会は多様性に満ちた寛容な社会であって欲しい。
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