Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

野望か、それとも郷愁なのか、プーチンの先祖返りで対立の時代になってしまうのか

 

 ロシアがウクライナに侵攻してから早くも2週間が経過する。ロシアのその極端な行動によって、米国やG7各国、EUに近隣のヨーロッパ諸国が経済制裁を発動した。

 一方、ロシアは日本を始め経済制裁を科した国々を非友好国として、対抗措置を取るようだ。東西冷戦の再来ということなのだろうか。

ロシア、ハイテク機器や林産物の年内輸出禁止へ 欧米制裁に対抗 | ロイター

 世界大戦につながらないようと、米国を中心としたNATOは飛行禁止区域を設定せずに、ウクライナへの軍事支援を強化する。また、米国はさらなる経済制裁を科し、G7もこれに呼応していく。

G7、ロシアの最恵国待遇撤回に向け措置と表明 | ロイター

 対立は深まるばかりで、この争いの終わりはあるのだろうか。

 

 

世界から切り離されるロシア

 こうした対立は制裁に加わった国ばかりでなく、世界経済に悪影響を及ぼす。株価は軒並み下落し、円安は進み、国内経済への影響も危惧される。

 米資産運用大手ブラックロックのラリー・フィンクCEOが、ロシアは世界の資本市場から実質的に切り離されたと指摘したという。

ロシアは世界の資本市場から切断された=ブラックロックCEO | ロイター

 ロイターによれば、フィンクCEOは、マクドナルドやペプシコ、ビザなどがロシア事業を停止したり縮小することを決めたことは、同国経済を世界の金融システムから隔離することにつながったと指摘し、主要企業が利益という枠を超えたものに取り組んでいることを示していると述べたという。

ソ連回帰、プーチンの郷愁

 一方、ロシアのプーチン大統領は、同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領との首脳会談を行い、両国が受けている制裁について、「ソ連は常に制裁下で生きていたし、発展したし、とんでもない成功も達成した」と発言したという。

プーチン氏「ソ連は制裁下でも成功した」 ベラルーシ大統領と会談 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

旧ソ連は対共産圏輸出統制委員会(ココム)規制などを受けつつも、経済や技術開発などの課題を克服していたと強調した。(出所:朝日新聞

 まさか、プーチンが冷戦時代のココム規制に言及し、それを美化することは残念なことだ。プーチンの郷愁なのだろうか。

 長年の苦労が実って実現できた国際協調を蔑ろにし、なぜかつての対立時代に回帰しなければならないのだろうか。

 

 

国連という存在

ウクライナ生物兵器が開発されている」との疑惑から、ロシアの呼びかけで国連安保理が開催されたという。

「ロシアは安保理でうその情報を広げるべきではない」といった非難が相次いだという。

国連安保理 ロシアの主張に各国から非難相次ぐ | ウクライナ情勢 | NHKニュース

会合では冒頭、国連で軍縮部門のトップを務める中満泉事務次長が「ウクライナでの生物兵器計画の疑惑について報道は承知しているが、国連としてはいかなる計画も把握していない」と報告しました。(出所:NHK

 NHKによれば、英国のウッドワード国連大使が「うその情報を広げるために常任理事国の立場を悪用するロシアを許してはならない」と述べ、アイルランドのネイソン国連大使も「国際社会の平和と安全を守る安保理の役割をおとしめる有害な行為だ」と述べたという。

 ウクライナでの戦争を止めることが、本来の国連に求められている機能なのだろう。 国連が機能しなくなっているのであれば、可及的速やかに国連改革を進めるべきだ。難しい問題ということは理解するが、愚図愚図している場合ではない。一刻も早くプーチンを止めなければならない。

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「参考文書」

「非友好国リスト」48の国と地域をロシアが公表。日本も指定される【一覧】 | ハフポスト NEWS