多角的金融サービス業のオリックスがデータセンター運営事業への進出を検討しているとブルームバーグが報じる。
「データセンターに対するニーズが激増している」と、井上社長がブルームバーグの取材に答えたという。
コロナ禍で電子商取引が増えたことや高速通信規格「5G」の利用拡大期待が背景にあるという。オリックスが得意とする再生可能エネルギーの活用も検討するそうだ。
先の国の成長戦略会議でも、「データセンター」が検討項目にあがったばかりだ。
会議ではデータ通信量が年々増加し、さらAIやビッグデータ活用により急増、この3年間だけでも、移動通信のデータ通信量は約2倍に増加したと指摘する。
一方、そのインフラの中核であるデータセンターは、東京、大阪に集中しており、データ処理の全国分散・効率化、災害に対するレジリエンス強化の観点から、何らかの対応が必要という。
レジリエンス強化、全国のデジタル化のため、データセンターの強化、最適配置を今後の政策の方向性にあげていた。
GAFAなどのデータセンターは気候が比較的穏やかな地域に設置されているという。空調の省エネ目的で、必要に応じて外気を使って冷却したりするという。
アップルは、気候が穏やかなネバダ州にデータセンターを設け、再生可能エネルギーを利用している。
そのAppleは、グリーンボンドにより47億ドルの資金を調達し、1.2ギガワット分の再生可能エネルギー発電に投資する。
デンマークでは、世界最大の陸上風力発電2基を建設し、約20,000世帯への供給に十分な電力量、毎年62GW時の発電ができるという。この電力は デンマークにあるAppleデータセンターの電力として使われ、余剰分はすべてデンマーク国内の電力グリッドに送電されるという。
国内では富士通が、2030年度の事業所における温室効果ガス排出削減目標を2013年度比で33%削減から71.4%削減まで引き上げたと発表した。
それによれば、SBTの「2℃水準」を更新し、今回の目標が「1.5℃水準」との認定を受けたという。
日本経済新聞によれば、電力消費の4分の1を占めるデータセンターなどで省エネルギー技術の導入や再生可能エネルギーへの切り替えを加速するという。
群馬県館林市の主力データセンターで人工知能(AI)を活用し、空調設備の電力消費を削減。4月からは国内のデータセンターで消費電力の一部を再生エネに順次切り替える。オーストラリアのデータセンターでも太陽光発電用パネルを設置するといった取り組みを進めており、グループ全体で再生エネの利用を促進していく。(出所:日本経済新聞)
富士通のデータセンターが、夏の気温が高くなる館林に立地することに驚く。今までどれだけの電力を消費していたのだろうか。
富士通は、これまで再生エネの調達が容易な欧米の拠点を中心に切り替えを進めてきたが、国内でもようやく大規模な切り替えに乗り出すという。
アップルと比較することが野暮かもしれない。グリーンボンドで資金を調達してまで、再生可能エネルギーの設置を加速させる企業が、ある一方で、ただその普及をいつまでも待っている企業も存在する。
国が動いてから様々なムダが明るみになり、尻を叩かれるようにして、省エネや再エネ切り替えに動き出す。それでは、何が何でも遅すぎはしないだろうか。
「参考文書」