収まらないコロナに少しばかりイライラを募らせる。初動対応の問題を指摘したところで、後の祭り、もう過去は取り戻せない。期待した記者会見も、相も変わらずの協力要請だし、記者との売り言葉に買い言葉やっているようでは、期待感が薄くなってしまう。どこを信用してよいやらと考えてしまうが、政府をリードする専門家チームと獅子奮迅する行政だけとなってしまうのだろうか。
感染者数が1万人を超えた。
日本経済新聞は、「爆発的な感染拡大(オーバーシュート)を食い止められるか、なお瀬戸際にある」と報じる。
瀬戸際なのだろうか、もうかなり危険領域に入ったということはないのだろうか。
今ある数字は2週間前の結果だと言われる。最初の緊急事態宣言が出る前あたりの状況が今の患者数ということであろうか。4月3日の記者会見で小池知事はイライラを募らせていたと思い出す。
緊急事態宣言ということについては、やはり、国が、乗り出していただくというのは、1つ大きな皆様へのメッセージになると思います。そして、このぎりぎりということですけれども、ぎりぎりがさらに続くと、ぎりぎりぎりになって、どこまでかという話になりますが、やはり数字なども見ながら、また状況などを見ながら、国としても、しっかりと乗り出していただくという、その構えはもうできておられるのではないか、また、国が経済対策を準備しておられるというのも、それと相まって、制度的な部分と、予算、それに対しての経済対策とセットで、お出しになると、それは東京都にとって非常に大きなパワーになると思っております。(出所:東京都 小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年4月3日))
4月7日に緊急事態宣言が発令されたことで、この先、感染者数の増加に鈍化するのであろうか。オーバーシュート回避の可能性はあるのだろうか。
もしかしたら、先に緊急事態宣言がでた7都府県では鈍化傾向があるのかもしれないが、自粛弛みがあったりしたようなので、その影響も出たりするのかもしれない。
クラスター対策班は、必死に行動の8割減を説く。厚労省はコロナの診療報酬を倍増させ、医療従事者の確保に走る。産業界には医療関連品の製造をお願いしているようだ。石化メーカなどは国に従い対応するとプレスリリースで公表する。
出遅れていた繊維、プラスチックスなどの素材メーカも動き出した。
東レは、「マスク用不織布の国内向け供給体制の強化・拡充」と発表した。
東レによれば、マスク用不織布の増産を進め、ひと月あたりマスク約3千万枚分の供給を行っているという。さらなる増産を進め、日本国内メーカー向けの供給量を、今年5月からひと月あたりマスク約6千万枚にまで拡大させる。
また、国内でも、東レ滋賀事業場内にある不織布試験設備の量産対応化検討に着手、今年5月以降にひと月あたり最大でマスク約2千万枚分の国内供給体制確立するという。
加えて、医療関係の皆様に着用いただくための防護服についても、国内外を含めた生産・供給体制を早期に確立し、国内に供給していくと発表した。
住友化学は、医療従事者が着用するディスポーザブルの医療用ガウン用ポリエチレンフィルム緊急かつ優先的に、政府の指定を受けたガウン縫製企業に供給すると発表した。
帝人も「医療現場に向けた医療用ガウンの供給について」発表を行った。帝人によれば、4 月から 6 月にかけて、約 900 万着の医療用ガウンを供給、7 月以降には、さらに 1,000 万着の供給ができるように取り組みを進めるという。
また、国内の協力工場にこの輪を広げていくことにより、国内縫製の需要喚起につながることも期待していると発表した。
穿ったみかたかもしれないが、オーバーシュート前提で準備が始まっているとの見方はできないだろうか。
法的にロックダウンできなくしてしまった。否応なし、苦肉の策としてのソフトなロックダウンが行動制限だったということなのかもしれない。
が、その行動制限もなかなか目標の8割に届いていない。危機感は募る。ゆえにクラスター対策班があちこちに登場、行動8割減の必要性を説く。
アメリカでは、医療防護用品の価格が高騰しているようだ。
高機能の医療用マスクとされるN95を確保するコストは1個当たり0.38ドル(約41円)から5.75ドルにはね上がった。ビニール製の診察用手袋は0.02ドルから0.06ドルに、隔離用ガウンは0.25ドルから2000%増となる5ドルに値上がったという。再利用可能なフェースシールドは0.50ドルから4ドルの水準となった。
PPE製品の価格高騰を受け各州はここ数週間、連邦政府による統制不足が値段を激しく押し上げていると強い不満を示している(出所:CNN)
国内製造業復権の機会からもしれないが、国内工場を稼働させることは、行動制限に相反する。職場の安全を確保し、どれだけ協力できるかになる。SDGsやCSRの類を超えた良識や道徳が求められることになる。
米アマゾンやアップルの卓越性ばかりが目立つようになる。アマゾンはフルフィルメントセンターにサーマルカメラを設置しスクリーニングを始めるとロイターが伝えた。
アップルとグーグルの接触追跡はいつリリースされるのだろうか。
コロナとの戦いは長くなりそうだ。
もう少しはやく動けなかったのだろうかと悔いても始まらない。今は、8割おじさんこと北大の西浦先生ら専門家チームに声に耳を傾け、従うしかないのかもしれない。
【クラスター対策専門家の活動とは】
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) 2020年4月11日
「クラスター対策専門家って何やってるの?」という質問が散見されましたのでパワポ4枚にまとめてみました。
感染症対策の目的から現状の問題点も踏まえ、クラスター対策専門家が行っていることを説明しています。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/f23a3nGvK6
「この機において、人命を救うことと経済を救うことは相反にはならない」
ロイターが伝えた前FRB議長の言葉を虚しく響く。
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