シェアサービスの利用範囲が拡大し続ける。Forbesがその一例を紹介する。
シェアサービスが登場するまでは、ヨット遊びを気軽に楽しむことにはなかなかできなかった。かなり前のことだが、一大決心して、100フィートのヨット、今でいうスーパーヨットを借りて楽しもうしたが、仲間集めや色々な手続き、出航までは煩わしさの連続であった。
「コト消費」の時代といわれる。 シェアリングサービスを利用すれば、色いろなことに挑戦したり、体験を楽しむことができるようになった。
シェアリングサービスがなかった時代には、まずは自分で道具を揃えないと、何か体験を楽しむこともできなかった。そういう意味でも、モノを持つことが贅沢なことだったし、それが体験の始まりだった。
シェアサービスにサブスク、今は所有しないことのほうが贅沢だ。所有しないことは縛られないことでもある。色々な体験を楽しむことができる。
日経ビジネスで上野氏が、
「ジェネレーションZ」は勤勉な「アリ」、リスクテイクに慎重な「草食系」の性格が色濃く、これまでの典型的な米国人像である過剰消費の「キリギリス」、リスクテイクに積極的な「肉食系」とは、相当異なっている。また、米国の若者の間では、社会主義的な傾向を帯びているサンダース上院議員など民主党左派への支持が厚いこともよく知られている。(出所:日経ビジネス)
と指摘する。果てしてそうなのだろうか。
大量生産・大量消費という従来型の経済から見れば、上野氏の主張は正論に聞こえる。今、時代は変化し始めている。大量消費から循環型社会へ。限りある資源をリサイクルして有効活用するサーキュラーエコノミーに変わりつつある。所有からシェアへ。「ジェネレーションZ」は、そうした動きに傾斜しているように映る。
日本経済新聞は、「コト消費」を競う米企業と題した記事を出している。
スタバCEOの言葉が印象的である。
「店内での体験を強化すれば、顧客とのつながりが築かれ、繰り返し戻って来たくなるような最高の瞬間が生じる」
従来のようなモノを所有することだけが贅沢ということではもうないようだ。何も過剰消費だけが経済を支えるということでもなかろう。社会が変化すれば、消費のありようも変化していく。「ジェネレーションZ」がそうしたことにより敏感に反応し、時代を先取りしているだけではないのか。
小学校の道徳ではSDGsを教える時代である。そうした子どもたちが大人になったときの価値感はどんなものであろうか。大量生産・大量消費の終焉の日が近づいている。
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