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中国はソフトテックよりもハードテックを優遇か、そんな中、EV業界が再編か

 

 中国、世界第二位の経済大国。日本がその座を譲ってから長い時間が経つ。いずれ中国が米国に追いつき、追い越すというのが順当な見方なのだろう。そう遠く将来、その日がやって来るのかもしれないし、そうではないという予測もある。中国の人口動態次第との見方もあるようだ。

「中国の経済は、アメリカに後れを取ったままになる可能性がある」

それは、中国の平均実質GDP成長率が2035年以降に約2.5%で推移するかもしれないからだ。

これは、中国がアメリカに追いつく努力を止め、別の道を行く可能性さえあることを意味する (出所:NEWSWEEK

ただ、いずれにせよ、今、この2国が強力なライバル同士であることは間違いない。

 

 

 ブルームバーグによれば、中国の最近の規制強化による長期的な経済成長と投資への打撃は、限定的にとどまるとの見方をゴールドマン・サックス・グループがしているという。ただ、目先、金融市場が不安定な状態が続く可能性が高いと付け加えているそうだ。

ゴールドマン、中国は投資可能-業界締め付けは長期的ダメージ与えず - Bloomberg

政府は反競争的行為やプライバシーを侵害し国家安全保障を脅かすデータ収集など特定の行動を規制する意向だと指摘。技術革新にはこれまで以上に重点を置いており、その焦点はインターネット企業のような「ソフトテック」セクターから、半導体、航空宇宙機器、特殊素材などの「ハードテック」産業に移ったと分析した。 (出所:ブルームバーグ

 政府の国家目標に一致したハードテックやグリーンエネルギーなどのセクターへの投資は引き続き可能だとしているという。 順当な見方なのだろう。

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 また、ソフトテックへの規制、監督が強化されるようだ。

 中国当局が、アリババグループの金融サービス会社アント・グループの電子決済サービス「アリペイ(支付宝)」事業を分割することを目指しているという。

中国がアリペイ分割指示、融資ビジネスを別のアプリに分離-FT - Bloomberg

 ブルームバーグによれば、クレジットカードのサービスと小口無担保融資のバックエンドシステムを他の金融サービスから分離し、外部の株主を迎え入れるよう、当局がアントに指示したという。二つのビジネスを独立した一つのアプリに統合することを望んでいるそうだ。

情報BOX:中国の規制強化、巨額の時価総額吹き飛ぶ | ロイター

 大手テクノロジー企業の独占力の源泉がデータ支配にあると確信する政府は、それを終わらせたいと望んでいるという。

 

 

 一方、中国の工業情報化相が、国内のEV電気自動車メーカーが多過ぎると指摘し、業界内の統合を促す方針だと明らかにしたという。

中国、EV業界の統合促進 メーカー乱立で=工業情報化相 | ロイター

 ソフトテックほど露骨な規制強化ではないにしろ、ハードテックにも、監督の手が及ぶということなのだろうか。確かに雨後の筍のようにEVスタートアップが乱立した感は否めない。

 ロイターによれば、充電ネットワークを改善させ、地方市場におけるEV販売を後押しすると、工業情報化相が述べたという。「利」を求め、都市部や海外で過当競争を繰り広げることを事前に防止し、地域間格差の縮小を図ろうというのだろうか。

 

 

 そんな中、スマホやIoT家電を手がける中国 小米が、EV事業の新会社を設立するという。新会社の資本金は100億元(約1700億円)、「小米汽車」という名になるそうだ。小米の雷軍董事長がCEOに就任する。

Xiaomi、自動運転の電気自動車開発に正式参入 - iPhone Mania

 iPhone Maniaによれば、実際に電気自動車を開発するのか、それとも大手自動車メーカーにハードウェアやソフトウェアをパッケージにして提供するだけなのかは現時点では不明という。

 やはりハードテックが優遇されるのだろうか。中国の独禁当局は、半導体価格をつり上げたとして自動車用半導体の国内販売業者3社に罰金を科すともいう。