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日立誕生秘話、日立の日本最古のモーターが重要文化財指定へ、そこから学ぶこと

 

 日立製作所が所有する日本最古の国産モーターが国の重要文化財に指定される運びだといいます。対象は、「五馬力誘導電動機(5馬力モーター)」1台と設計図面5枚。

最古の国産モーターを重文指定へ 世界有数の総合電機メーカーの源流 | 毎日新聞

 このモーターが日立の始まりだったといいます。明治時代末期、国内の鉱山では外国製の電気機械が使われていたが、乱暴に扱われたことから故障も多く、当時久原鉱業所日立鉱山(現JX金属)の小平浪平氏らが原因調査、修理を重ねるうちに「自分たちの使う機械は自分たちで作る」という取り組みが始まったそうです。そして、明治43(1910)年、5馬力モーター3台が完成、小平は工場を建設し、電気機械製造を事業化したことが、やがて日立製作所が誕生することになったといいます。

 

 

 必要なモノは自分たちで作るという精神が伝承されていれば、日本が衰退することはなかったのかもしれません。時代が変われば、必要なものも変化するのでしょう。それでも自分たちで始めようとすれば、機械ばかりでなく、様々なシステムやしくみ、サービスもまた生み出すことができたはずです。どこかで、この精神が潰えたのかもしれません。

イケアジャパンが自動倉庫を導入

 イケア・ジャパンが、千葉県船橋市にあるIKEA Tokyo-Bayの倉庫に自動倉庫型ピッキングシステム「オートストア」を導入、従来の従業員に頼ったピックアップ作業が改善し、約8倍の効率で発送業務がきるようになったそうです。

イケア、IKEA Tokyo-Bay倉庫を国内店舗で初めて自動化|IKEA【公式】 - IKEA

自動化した倉庫内には「BIN(ビン)」と呼ばれるプラスティック製のボックスを1万1400個備え、その中に食器や雑貨などの小物類や小型家具などを格納。25台のピッキングロボットが、オーダーに応じて商品をピッキングし、コワーカー(従業員)がいる受け取りポートまで運ぶ流れだ。(出所:CNET Japan

(写真:イケアジャパン)

  これもまた「必要なモノは自分たちで作る」ということでしょうか。何が必要か、それに着目することが重要なのでしょうか。

 

 

 日立はたちょこちょこ故障で止まるモーターを自製化しました。モーターが故障すれば、本来やらなければならない仕事は滞るばかりでなく、それを修理するための人員を抱えなければなりません。故障知らずのモーターができれば、仕事はスムーズになり、人員削減に役立ちます。

 イケアにおいても同様なのかもしれません。倉庫内で商品を探すために従業員が歩き回っていれば、従業員の肉体的負担も大きいうえ、それに時間を要すれば、発送が遅延してしまいます。自動倉庫を導入し、負荷が高く付加価値のない移動するという業務を機械に置き換えて省人化が進めば、生産性は向上します。

 常に現場にあるムダに気づき、それを改善しようとすれば、必要なこと、ニーズが明確になります。それを解決できるのが、ハードであることもあれば、ソフトでもあるのでしょう。

 イケアはラストワンマイル配送のゼロエミッション化にも取り組んでいるです。現在、6台のEV車を使用しているそうですが、今後さらに数を増やしていく予定といいます。ここにも必要なものがはっきりしてます。また、車両の充電でも再生可能エネルギーによって生み出された電気を100%使用しているといいます。

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 脱炭素に、生産性の向上、それに加えてDXなど、様々なことが求められるようになって、何から手を付けてわからないといいますが、自分自身でハードルを高くしなければ、そこら中にそれに取り組むきっかけがあるのかもしれません。それを見つけることができたなら、次は計画を立て、目標を明確にしてそこ向け、計画通りに実行すればよいのではないでしょうか。事実、それで成功している企業が多々あるのだから。

 

「参考文書」

イケア・ジャパン、倉庫を自動化--自動ピッキングで作業効率が約8倍に - CNET Japan