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【脱炭素】水素燃料電池のトヨタとミドリムシ バイオ燃料のユーグレナが動く

 

 コロナ渦が起きてすっかり技術動向も変わってしまったということはないのだろうか。それまでのモビリティの世界は「CASE(=Connected コネクテッド, Autonomous 自動運転, Shared & Services シェアリングとサービス, Electric電気自動車)」が声高々に叫ばれ、自動運転やMaaSなどの人の移動に関わることがその中心にあった。しかし、このコロナで移動が制限され、その状態からの出口は一向に見えてこない。

 ある意味、今までは人の移動を中心した経済だったのかもしれない。株価こそ好調ではあるが、経済そのものは急激に悪化、様々な施策が繰り出されている。技術トレンドに変化があってもおかしくないのかもしれない。

 

 

 

 欧州でグリーンリカバリーの機運が高まり、コロナからの復興予算の4割近くを気候変動対策に充てられる。カリフォルニア州では大規模な山火事が発生し、今までにない被害状況だという。カリフォルニアの州知事は山火事の原因は気候変動だとし、そうしたことの影響もあってのことだろうか、ガソリンエンジンを動力とする乗用車とトラックの州内での新車販売を2035年から禁止する方針を示したという。EV電気自動車への移行を促進し、温室効果ガス排出量の削減を図ることが狙いだとロイターは報じた。

 こうした状況からすれば、気候変動の緩和策につながることに技術開発の中心が移ることは必然なのかもしれない。

 

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トヨタ 燃料電池技術で大型トラックや鉄道車両を共同開発

 トヨタが相次いで燃料電池車関係の発表を行っている。北米向けの燃料電池大型トラックをトヨタと日野で共同で開発するという。北米で販売されている日野の大型トラック「XLシリーズ」をベースに、トヨタのFCV燃料電池技術を組み合わせるという。2021年前半に試作車を開発し、24年までに量産化を目指すそうだ。

  トヨタと日野は国内向けでも共同開発する。今年3月に航続距離600kmになる燃料電池大型トラックを共同開発することを発表していた。

 

global.toyota

 

 トヨタは、燃料電池大型トラック共同開発を発表した同じ6日、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載した鉄道用試験車両の開発についても発表した。

 こちらは、JR東日本日立製作所の3社で連携して開発を進めるという。2022年3月ころから、鶴見線南武線尻手支線、南武線(尻手~武蔵中原)などで試験運転されるという。

 

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ユーグレナ バイオ燃料の開発加速 

 ユーグレナが進めるバイオジェット燃料事業と燃料用微細藻類に関する研究開発が、NEDO 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の公募事業「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築、微細藻類基盤技術開発」に採択されたとがユーグレナが発表した。

 ユーグレナによれば、バイオ燃料製造実証プラントの運転費用、商業化に向けた事業検討費、燃料用微細藻類の培養に関する実証設備への投資や運転費用等について、NEDO助成金を活用していくという。2025年中のバイオ燃料製造商業プラントの稼働開始に向け、原料調達から燃料製造技術、燃料供給までの一貫したサプライチェーンの整備、燃料用原料となる微細藻類生産における技術確立を加速させるという。

 

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www.euglena.jp

 

 まとめ

 ここ最近、一気に水素に注目が集まるようになってきた。エアバスの水素旅客機などがその顕著な例なのかもしれない。水素を利用した燃料電池であれば、二酸化炭素を排出することもないので、普及すれば温暖化抑制の一助になっていくのであろう。

 しかし、世界は広い。現実としては、地球の隅々までに普及するまでには膨大な時間が必要になるのだろう。その普及するまでの間は今ある車両が使い続けられることになる。それは、今ある気候変動の問題を引き起こした設備をこれからも使い続けることを意味する。そうした状態から少しでも二酸化炭素の排出を抑制するためには、バイオ燃料の活用が望ましい。

 ユーグレナには助成金を有効活用して、一刻も早くその普及に努めて欲しいと願うばかりだ。

 

 

「関連文書」

www.businessinsider.jp

 

「参考文書」

jp.reuters.com