Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

【SNSの未来】メタバースはどこまで現実社会で利用できるようになるのか

 

 

 Facebookフェイスブック)やTwitterツイッター)はもはや年老いた巨人で死にゆくしかないと、Forbesが手厳しく批判しています。

 これらSNSが登場して間もない頃は、社会的なつながりを可能にし、私たちみなが、友人や家族、知人との個人的なつながりの中で、すばらしい時間を過ごしてきた.....

 だが悲しいかな、数年前から終末の到来を暗示しているかのようだといいます。

「巨人たちは死んだ」ソーシャルメディアは進化する必要がある | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

Facebookは私たちの個人情報を企業が取得し、それを政治的な便益のために利用することを認めていたのだ。Twitterは荒らしの侵入を容認し、同社はまた、荒らしを抑制する方法を考え出す代わりに、多くのアカウントを閉鎖した。(出所:Forbes)

 Facebookは、メタバース仮想現実がソーシャルメディアの未来になると決めたが、混乱し、Twitterイーロン・マスク氏によって買収され、大改革の最中にあります。

 

 

ソーシャルメディアのノイズが私たちの生活に溢れている」、

そう指摘するのも理解できます。便利なチャットやメッセージアプリが登場し、つながるという意味ではこれらで代用でき、SNSの目的はもう達成されているといいます。

 Facebookから社名を変えたメタは、メタバースに力を注ぐようになりましたが、逆に1万人を超える大リストラを実施する事態になってしまいました。その後開催された全体会議では、ザッカーバーグCEOが、メッセージアプリのWhatsAppとMessengerが「事業の次なる主軸となっていく」と発言したといいます。

「収益の次なる柱はWhatsAppだ!」と言いつつも、メタバースを諦められないザッカーバーグ | ギズモード・ジャパン

 こうした発言は株主への配慮ではないかと記事はしてきします。そうはいつつもまだメタバースに未練たっぷりのようで、その開発は継続するようです。

 しかし、それはソーシャルメディアの未来というよりは、メタが今後成長するか否かのための新事業に過ぎないのかもしれません。

ソーシャルメディアは進化する必要がある。もっといいものが出てくることを期待している。新しい巨人の登場に備えよう。準備はいいだろうか?(出所:Forbes)

 

 

メタバースと現実科学

 メタバースはあくまで人の生活を拡張するための「実験場」、そう考えているのは、医学者で科学者でもある、「現実科学」を主要研究テーマにデジタルハリウッド大学大学院教授を務める藤井直敬氏。

「みんな違う現実を生きている」メタバースを超えた先の現実科学とは? | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 これまでの科学では、ひとつの共通の現実のもと人々が繋がって活動しているということで成り立っていることを前提としていますが、「現実科学」では、みんな違う現実を生きているという事実に立脚するそうです。

 実際に人が生きている現実は互いに異なっていて乖離があるといいます。

その時間・空間を操作するテクノロジーの創出が先に立って、テクノロジーを使う目的や価値については、まだ議論が十分なされていないように感じます。(出所:Forbes)

 藤井氏の研究によって、メタバースは、人々の時間・空間の制約をある程度外せることができることが分かってきたそうです。また、「現実科学」の目的はテクノロジーで現実を操作して社会の豊かさを創出することだといい、メタバースの延長線上で、そうした世界をつくっていきたいとも話します。

 

 

リアルな現実

デジタルの世界だけにとどまっていては、周囲の人々に対する「モラルコミットメント」(道義的責任)を感じることは難しい。公共の場所にアクセスできる状態にあり、「自己の存在より大きい何かの一部である」という感覚をもてることが、健全な社会を築くためには重要なのだ。(出所:Forbes)

デジタル社会に必要なのは、リアルなつながりの場だ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 コロナ渦でインターネットの有用性は証明されましたが、一方で、それだけでは不十分で、デジタルだけでは本当の意味での社会的インフラにはなりえないのでないかといいます。

 現実、行動制限に人々は辟易し、リアルな繋がりを求めて外に出ていく。そうすることで真の相互理解や連帯感が生まれるのかもしれません。

 メタバースによって没入感にひたる時間があっていいのかもしれませんし、それが有用なときもあるのでしょう。ただやはり現実社会で人と現実に触れあうことでしか得ることができないのもあるのでしょう。

 もしかしてそれが今少し薄れたことによる弊害があちらこちらで顕在化しているのかもしれません。

 

「参考文書」

メタバース不振で株暴落の米メタ、5つの疑問を直撃: 日本経済新聞