Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

ならぬことが起こってしまう社会、訴えるべきことを間違えていないか

 

 衝撃的な事件が起きました。亡くなられた安倍元首相にお悔やみを申し上げます。

 自分の意に沿わない者を短絡的に排除しようとしたということなのでしょうか。ほんとうに怖い話です。

 他者を尊重する、利他の心があれば、こんな痛ましい事件は起こらなかったのではないかと考えてしまいます。

 

 

 私たちは「利他とは与えること」と思い込んでいるが、いいことをしようとしても、時に相手を傷つけてしまったり、ありがた迷惑なこともあるように、利他として受け取られなければ成立しないと、Forbesは言います。

なぜ、合理的でなく「思いがけず利他」なのか? | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 利他の起源は「過去から大量のものを受け取っていることへの気づき」にあるといいます。

太陽、大地、空気といった環境からすでに多くを受け取っているにもかかわらず、その現実を自明視しないから、人間は世界を自らの意志によってコントロールできると考えてしまう。

自然、死者、歴史─人間は多くを受け取っているということに気づいたときに、初めて受け取ったものをどう循環させようかという思考になる。(出所:Forbes)

 

 

 コントロールがきかない、要は「うまくいかなくて当たり前」だからこそ、喜びがあるというのは「絶対悲観主義」の著者楠木建さん。

「夢に向かって全力疾走」とか「世界を変える」などは、すべて「自分」の方に向いた言葉です。どれも、あえて強い言葉を使えば「我欲」ですともいいます。

【楠木建】「普通の人」に最も効く仕事の哲学=絶対悲観主義とは

絶対悲観主義者にとっては、思い通りにならないのが普通なので、むしろ、成功する方が異常事態です。(出所:NEWSPICKS)

 仕事について楠木氏は、「強制もできないお客さんが、自分の仕事を必要とし、対価も払ってくれる。それこそが、仕事の醍醐味」といいます。お客さまに押し付ければ、押し売りとなって、我を通すことになって嫌われるだけかもしれません。

 

 

 岸田首相が米国のバイデン大統領と早速電話会談したといいます。

首相「民主主義守り抜く」 日米首脳が電話会談 - 産経ニュース

 弔意を表した大統領に、首相は謝意を示し、「民主主義の根幹である選挙が行われている中で起きた卑劣な蛮行は断じて許すことはできない。現職の首相として暴力に屈せず、民主主義を守り抜く」との考えを伝えたといいます。

 もしかして犯人の姿とロシアがたぶってしまったのでしょうか。民主主義は尊重されるべきなのでしょうが、イデオロギー対立のような構図を強調するのはどうなのでしょうか。まして暴力が許される社会はとんでもないことです。お気持ちを察することはできますが、もう少し言葉を選んばないと誤解を生まないでしょうか。今は互いに思いやるときのように思います。

 善悪を強調するのではなく、人々の良心を呼び起こす行動が求められているのではないでしょうか。ならぬことはならぬものなのですから。

 真に他者を思いやる気持ちを持てば、暴力など必要でなくなる社会になっていくのではないでしょうか。そう信じたい....