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未来はすべて次なる世代のためにある

AI 第一人者の警鐘、規制、見えてきた次なる人工知能「汎用AI」

 

 GAFAなど米巨大ITの成長が緩やかになり、AIが次の成長の糧になるといわれています。米グーグルの対話型AI「Bard(バード)」の日本語対応が始まりました。また、グーグル検索の新機能として、「サーチ・ジェネレーティブ・エクスペリエンス」と呼ばれる新たな検索がはじまるようです。ジェネレーティブAIとして大規模言語モデルが組み込まれ、グーグルでも単語ではなく文章で検索することが可能になるそうです。まずは数週間以内に米国で開始となるといいます。

情報BOX:グーグル検索に生成AI搭載、「バード」との違いは | ロイター

 米アマゾンは、EC上で販売者が使用する写真や動画を生成するAIを活用したツールの開発に取り組むチームを構築しているといいます。新ツールでの広告事業の強化はより多くの収入を生み出し、大手他社との競争で優位に立てるようにする狙いがあるといいます。

日本語LLM

 日本では、サイバーエージェントが独自の日本語LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を開発したといいます。AIを活用した広告クリエイティブ制作領域のサービスにおいて活用を始めているそうです。

サイバーエージェント、独自の日本語LLMを開発--広告クリエイティブ制作領域で活用 - CNET Japan

既存のLLMのほとんどは英語を中心に学習されており、日本語および、日本文化に強いLLMは少ない状況にあるという。そこで同社は、日本語に特化した独自の大規模モデルを開発。同社が保有する大規模な日本語データを生かした独自モデルを開発したことで、従来よりも自然な日本語の文章生成が可能だという。(出所:CNET Japan

警鐘

 AI研究の第一人者が、AIの危険性について自由に話すためにグーグルを退社したそうです。

AI想定より速く人知超える公算、危険性語るためグーグル退社=ヒントン氏 | ロイター

AIが説得力のある偽の画像や文章を作成する能力を持ち「何が真実なのか分からなくなる」世界を作り出すことを懸念しているとし、「悪用をどのように防げばいいのか見当がつかない」(出所:ロイター)

 記事によれば、グーグルを退社したジェフリー・ヒントン氏は、「AIが実際に人間よりも賢くなるという考えは一部の人の間で信じられていたが、大部分の人は遠い未来の話だと考えていた。私自身も30年、もしくは50年以上先の話だと思っていた。今はそのように考えていない」とも語っているそうです。

 また、オックスフォード大学のAI倫理研究所のカリッサ・ベリズ准教授は「これほど多くの専門家がAIの安全性に関する懸念を表明し、一部のコンピュータ・サイエンティストが自らの仕事の一部を後悔するまでになった。こうしたことを政策立案者は警鐘として受け止めなければならない」とし、「今こそAIを規制する時期だ」と述べているといいます。

AI規制

  欧州では、生成型AIに規制をかけようとする動きが見られるようです。

欧州議会委員会、AI利用巡る規則案で合意 著作権の透明性確保 | ロイター

対話型AI「チャットGPT」のような生成型AIツールを導入している企業はシステム開発著作権のある資料が使用された場合、開示が義務付けられる。(出所:ロイター)

 記事によれば、欧州議会の関係者は「監視強化という保守派の願いと、過剰規制という左派の妄想に反して、議会はAIを適切に規制し、市民の権利を守るとともに、イノベーションを促進して経済を活性化するための確固たる妥協点を見つけた」と述べているそうです。

汎用AI

 コンピューターが人間並みの認知能力を持つ汎用人工知能がは、数年以内に実現できるかもしれない........

汎用AI、数年以内に実現の可能性=ディープマインドCEO - WSJ

 記事によると、グーグル・ディープマインドのデミス・ハサビスCEOが、そう語ったそうです。

「ここ数年の進歩はかなり驚くべきものだった」とハサビス氏は指摘。「その進歩が減速する理由は見当たらない。むしろ加速するのではないか。だからあと数年、たぶん10年以内には到達する可能性があると私は思う」と述べた。(出所:ウォールストリートジャーナル)

著作権規制の緩さが競争で有利に働く可能性

 日本では、ディープラーニング協会が、対話型AI ChatGPTなど生成AIの利用ガイドラインを発表したそうです。

AI利用で「日本の緩い規制はチャンス」 東京大学の松尾教授 - 日本経済新聞

 記事によれば、生成AIでも遅れをとった日本を危惧してのことでしょうか。理事長の東京大学の松尾豊教授が、「日本は諸外国と比べて著作権の法規制が緩く、AIの学習に他人の著作物を利用することを認めている」と指摘したうえで、「緩さが競争で有利に働く可能性はある」と会見で話したといいます。

 現状を鑑みて、これでよいのかと疑問を感じます。そればかりでなく、こうした姿勢が常にビジネスにおいて二番煎じに甘んじ、ガラパゴス化する要因に思えます。

 規制は政治に頼るところが大きいのかもしれませんが、政治は常に後追いでしか規制を作れません。

 真に利用価値が高いテクノロジーは企業から生まれるものです。また、それを倫理的において適正に規制できるのは企業自身のはずです。こうしたことをどこより早く日本企業が行うようになれば、次のイノベーションがおこすことになるのかもしれません。

 

「参考文書」

ついにGoogle検索・Google Workspace・GoogleマップにジェネレーティブAIが搭載されるとの発表、一体何が変わるのか? - GIGAZINE

アマゾン、生成AI活用で広告収入拡大を目指す | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)