Zホールディングスの傘下でヤフーとLINEが経営統合し2年経過しましたが、「新しいサービスが生まれず期待と違った」と、ソフトバンクの宮川社長が明らかにしたそうです。
【速報】ソフトバンク宮川社長「期待感と違った」2021年のZホールディングス傘下でのヤフーとLINEの経営統合について | TBS NEWS DIG (1ページ)
経営における意思決定のプロセスが複雑になりすぎて、スピードが上がってないのではないか。(出所:TBS NEWS DIG)
ありがちなこと、これが今の日本の企業なのかと感じたりもします。
なるべく楽をして成果を上げる
自身で経営していたソフトウエア会社が伸び悩み、稲盛和夫さんの盛和塾シリコンバレーに入門した経営者は、その塾であることに気づいたといいます。
稲盛和夫氏の教えは、自身が知っているシリコンバレーの常識とは真逆だったそうです。
その人は会社員時代、「なるべく楽をして成果を上げたい、上司が見ていないところでは手を抜いて、見ているところでは努力をアピールする」という損得勘定丸出しの生き方をしていたといいます。
その人の目には、シリコンバレーは自由さの反面、経営者も社員も私利私欲で動いている人が多いと映ったそうです。
しかし、盛和塾では逆に「絶対に損得勘定で判断するな」と教えられ、「敬天愛人」で判断することで企業を長期的に安定して成長させることができると説かれたといいます。
天を敬い、人を愛する
「敬天愛人」、稲盛和夫氏の座右の銘であり、京セラの社是でもある。
「人には愛情を注ぐ。けれども判断をする時は、天がOKを出してくれる、天が喜んでくれる判断をせよ」という意味だ。(出所:プレジデントオンライン)
「誰も見ていなくてもお天道様が見ている」、「リーダーたるもの周囲に安易に迎合するのではなく、お天道様が喜ぶ判断をせよ。そうすることで長期的に会社は発展していく」という稲盛さんの経営哲学を学んだといいます。
「儲けたい」の一心で立ち上げた会社が2、3年で消滅。大企業でさえ、社員や幹部の不正により一瞬の内に潰れてしまう。実際にそんな例を何度も見た。そして、私自身の会社が伸び悩んでいるのも、私が損得勘定で物事を判断していたからだと分かった。(出所:プレジデントオンライン)
その気づきを得た経営者は、その教えに従うと、効果はすぐに表れ始めたといいます。まず従業員との関係が変わり、自身の自己肯定感にも大きな影響を与えていったそうです。
道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は我も同一に愛し給ふゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也(敬天愛人)
「天」、森羅万象、世の中すべての事象ということでしょうか。当然、それには他者も含まれるのでしょうか。
「天が考える成功は、なるべく多くの人に恩恵をもたらすことだ。目先の利益に心を奪われることなく、天が喜ぶ成功を意識すると、視座が高くなり、結果としてより良い判断ができる。これを理解して実践するようになってからは損得ベースでの成功失敗に一喜一憂することはなくなり、本当の意味での成功を手に入れることが容易になった」とこの人は語っています。
Zホールディングスもこうした視座を取り入れてみるのがいいのかもしれません。
損得勘定で思考すれば、「新しいサービス」は誕生しそうにありません。そもそも全く新しいサービスがいきなり成功を収めることはほぼほぼなく、極めて稀なことなのでしょう。極端で、突飛になればなるほど、より多くの人を賛同を得るのは難しそうです。
こうしたことは、ソフトバンクばかりでなく、伸び悩む日本企業にいえることではないでしょうか。
「天」をいかに味方にするか、それを考えたほうが良さそうです。
「参考文書」