Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

バイオマス発電、ウッドショック、需要があっても人手不足の林業、CO2の排出権取引で活性できないのだろうか

 

 関西電力が相生火力発電所3基のうち2号機を23年1月から、燃料をバイオマスに切り替えるという。そのバイオマス燃料を輸送する内向船に電気推進船を採用すると発表した。

 このバイオマス燃料はどこからやってくるのだろうか。

 バイオマス発電は木材などを燃料とし、燃やせば当然二酸化炭素が排出される。ただ、木の生育過程で二酸化炭素を吸収しているので、バイオマス発電は再生可能エネルギーに位置付けられる。

 しかし、森林破壊につながったり、遠い海外から燃料となる木材を運んでくる必要があることから批判があるという。

 

 

バイオ燃料、環境負荷という難題 新興国で森林破壊: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、米国の環境団体マイティ・アースは「天然林が破壊されている上、燃料を輸入に頼るならば木質バイオマス発電は持続可能な発電ではない」と批判しれいるという。これに対し、一般社団法人バイオマス発電事業者協会は「北米からの輸入でも、液化天然ガスLNG)を燃料とする火力発電より温暖化ガス排出量を半減できる」と反論しているそうだ。

 輸入型のバイオマス発電と地元材を利用した地産地消型で比較すれば、その輸送におけるカーボンフットプリントに差が生じる。燃料となる木材を輸入に頼るバイオマス発電は可能限り避けるべきではなかろうか。

長引くウッドショック

 近頃は木材の話題が絶えない。「ウッドショック」、輸入製材不足で価格が高騰した。この影響で国産材の需要が高まり、国産丸太の争奪戦が生じ、価格が高騰、その価格が高止まりしている。それに輪をかけるように今度は、東南アジア マレーシアやインドネシアからの合板輸入が減少し、合板価格が高騰し、国産丸太の取り合いが過熱しているそうだ。

今度は「合板」高騰…ウッドショック長期化、尽きぬ不安要素|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

「国内で供給量を増やすことが難しい丸太は急激な需要増に対応できず、価格が吊り上がった」とニュースイッチは指摘する。「すぎ中丸太」の価格は前年同月比で3割も高騰しているという。

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 この合板ショックとでもいえる状況で、品物自体も不足し、一部では工期の遅れなどの声も上がっているという。まだその収束時期が見通せず、もうしばらくこの状態が続くとみられているようだ。

 

 

林業の人手不足

  ウッドショックで国産材の需要が高まっているが、その林業は人手不足で厳しい状況が続いているという。

 全国1位の民間所有のスギ人工林約237,000ヘクタールを有する秋田県では、約103,000ヘクタールが伐採適期の樹齢50~60年を迎えたという。一方、県内の林業従事者は2020年度で1368人と前年度より8人増えたが、03年度と比べ約500人減っているという。

林業に特化、職業紹介所開設 「ウッドショック」下の人手不足に対応 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

 河北新報によれば、林業には伐採、製材、植林があるという。伐採適期に入っても人材が足りず、伐採もままならず、再造林にも人手が必要だ回らない状態になっているという。

 アンバランスさを感じずにはいられない。国土の7割近くが森林におおわれ、その資源が豊かであるはずなのに有効活用できていない。対策が求めらていないだろうか。たとえば、二酸化炭素排出権取引に活用することはできないのだろうか。