日立は、北米がこの先数年間で、最も重要な市場になるとみている、そう、ブルームバーグが報じています。
米国政府主導による国内製造業の復興やインフラ整備の取り組みなどが理由のようです。
サプライチェーンの変化の始まりなのでしょうか。
半導体では既にその傾向が見られます。世界の国々も米国に追従し、半導体以外でも国内生産に重きを置くようになるのでしょうか。
少し前まではそうした行為は保護主義と名指しされ、批判の対象であったはずですが、その論調は後退しているのでしょうか。
国内電機の雄、Panasonicでは、社長が楠見雄規氏に変わりました。
その楠見新社長がブルームバーグのインタビューで、今後2年間は各事業で「キャッシュ創出力の強化」に専念し、財務的余力を確保した上で、その後の大型企業買収・合併(M&A)や事業拡大への投資に備えたいとの考えを明らかにしたそうです。
楠見氏はトヨタ自動車との合弁による車載電池事業の現場視察で、「われわれはまだやるべきことができていない」と感じたそうです。とても印象的な言葉です。
ブルームバーグによると、「経費削減などに務める必要性を強調した」そうです。製造に対する何か思い入れがあるのでしょうか。
そのPanasonicが、大坂なおみさんとブランドアンバサダー契約を締結しました。
創業者・松下幸之助が残した「精神的な安定と物資的な豊かさが揃って、はじめて人の幸せが安定する」という考え方に基づき、物も心も豊かな「理想の社会」の実現を目指します。 (出所:パナソニック)
「理想の社会」の実現を共に目指し、「世界を 元気に。くらしを 理想に。」を両者の共通の想いとして、積極的に発信していくといいます。
最近、創業者松下幸之助氏がよく登場するようになったと感じます。原点回帰ということなのでしょうか。
物が不足していた時代、幸之助氏の言葉には説得力があったのでしょう。さて、今日はどうなのでしょうか。
VUCAの時代、極めて予測困難な社会といわれます。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)のことです。
それに加え、足下ではコロナ渦、そして、長期的には地球温暖化の問題が社会を覆いつくしています。
現代の「理想の社会」とは何なのでしょうか。
理想は個々人が抱くもので、それぞれに差があり、また、それは尊重されるべきなのでしょう。もしかして、その根幹には精神の安定があるのかもしれません。そして、人の心は日々の営みによって養われのかもしれません。
どのように生きるか、そして、その暮らしは?
「くらしアップデート」、津賀前社長は、新しいパナソニックが目指すものと言いました。その言葉の響きに共感しました。
今や、SDGsや脱炭素があたりまえになり、それに合わせて、くらしをアップデートしていくことを求められているような気がします。
パナソニックなら、このSDGs、脱炭素の時代の「理想のくらし」ってこうだよねと、具体的に示すことができるのではないでしょうか。
それらが、当たり前になればなるほど、自分も自分らしく貢献していきたいと願う人が多くのいるのではないでしょうか。そんなときにヒントとなる選択肢があれば、具体的にもっとイメージしやすくなるような気がします。
それは何も個人の生活だけということはなく、地域であったり、それらを包み込む社会全体ということなのかもしれません。
大坂なおみさんがアンバサダーになったからかもしれませんが、新しいパナソニックに期待したいと思います。
「参考文書」