ゴールデンウィーク期間中、多くの都民が「ステイホーム」に協力していたという。
朝日新聞によれば、東京都が開いたモニタリング会議で、自宅から5キロ圏内で生活した都民の割合が、5日までの1週間平均でみると65%という調査結果を公表したそうだ。この数字は真実なのだろうか。
この調査を実施した西田社会健康医学研究センター長は会議で、「GW期間中、大多数の都民がステイホームに協力してくれた」と評価したという。また、変異株の影響を考慮し、実効再生産数や新規感染者数が、減少するのかを慎重に見極め、感染再拡大を予防していく必要があると指摘したという。
数字を見て、少しほっとする。流れるニュースを見ては、ため息をついた。ニュース性があることを伝えるばかりが報道ではないだろう。こんなご時世だ、良識ある行動もまたニュースになってもいいのではなかろうか。ステイホームに協力する人たちも安堵できるというものだ。
「無理が通れば、道理が引っ込む」という。その逆もあるのだろう。道理に外れた行為、非常識な行為が自然となくなることにならないだろうか。
このコロナ渦で飲食食が大きな影響を受けていると聞く一方で、営業時間の短縮要請にもこたえつつ、業績を伸ばす会社もある。回転寿司大手のスシローが中間決算で、売上高、純利益とも上半期としては過去最高を更新したという。
JIJI.COMによれば、国内外での積極的な新規出店が奏功、持ち帰りの販売も好調だったという。顧客の支持を得た結果なのだろう。他力本願にならず、自助努力できたことが強みになったのだろうか。
一方で、3月の基本給や残業代を合わせた現金給与総額(名目賃金)は前年同月比0.2%増の28万2164円だったという。見かけ上は13カ月ぶりの増加だが、新型コロナの影響でパート労働者数の割合が減少、給与総額の平均値を押し下げることになったという。
正社員もパートの給与も減少、その上パート労働者数も減少。ただ平均値にすると、増加となったという。このコロナ渦を現す現象に思えてしまう。
色々な数字が報道される。数字は嘘をつかないが、その数字の使い方次第で事実はいかようにも作ることはできたりする。
十人十色、考えや好み、性質などは人それぞれによって異なる。時々刻々と変化している毎日の中で、政治家も報道する人も含めて、国民の数だけ事実がある。それが統計的手法で数字化されれば、そこからまた事実が生まれる。それはあるときに個々人が抱いた事実とは異なっているのかもしれない。
人は得てして、自分が気にかけることに注目し、それ以外を見落とすケースがあったりする。このコロナ渦、数字の見方に注意しなければならないのだろうし、恣意的に伝える報道機関の数字はなおさら注意が必要なのかもしれない。通信社と報道機関の違いも理解しておく必要があるかもしれない。