Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

改善したGDPの裏側 新たな成長戦略「カーボンニュートラル」で将来リスクを回避できるか

 

 日本製鉄の橋本社長が17日開催された総合資源エネルギー調査会で、政府の方針「2050年のカーボンニュートラル」に理解を示した一方で、ゼロカーボンスチールの実現には莫大な費用がかかり、生産コストが上昇する可能性があると指摘し、「(このコスト増を)経済社会全体で負担することも検討してほしい」と述べたと鉄鋼新聞が伝える。随分と図々しい物言いではないかと感じてしまう。

 

dsupplying.hatenadiary.com

 

 

 

カーボンニュートラル 動き出す業界 求められる規制改革

「気候変動イニシアティブ(JCI)」の参加企業のトップが18日、河野太郎規制改革相が訪問、面談したという。

 日本経済新聞によれば、ソニーの吉田憲一郎社長やリコーの山下良則社長らが河野氏を訪ね、耕作放棄地の有効活用や国有林での開発制限の見直し、環境影響評価(アセスメント)の手続きの迅速化などを求め、要望書を提出したという。

 また、JCIの末吉竹二郎代表は「再生エネを日本のエネルギーの主役にするためにいろんな規制を外してほしい。規制改革をうんと前に進めてほしい」と要望したそうだ。

要望書では、再生可能エネルギーについて脱炭素社会の実現に向け国が高い長期的目標を定めたうえで企業や投資家が安心して開発に資金を投入できる環境をつくることや利用を進めるための規制改革を行うことなどを求めています。 (出所:NHK

 

 NHKによれば、これに対し河野大臣は、「再生可能エネルギーの主力電源化は待ったなしだ。日本はこの分野で相当遅れているという認識のもと、できることはしっかりやっていかなければいけない」と述べたという。

 

www.nikkei.com

 

 業界によって、その対応に差があるということなのだろう。今回、河野大臣を訪問したJCIは国にしっかりした対応を求め、一方で、膨大なCO2を排出する鉄鋼は、国の政策に理解は示しつつも、さらなら支援を求める。 

 

 

 

 出遅れ感が否めないカーボンニュートラルの具体策

 すでに欧州をはじめ諸外国が「カーボンニュートラル」に向け歩みを進める中、日本はどうするのかとニッセイ基礎研究所の矢嶋氏はいう。

環境投資の出遅れ感が気がかりだ

イノベーションは、民間が起こすものであるが、新しい社会構造への転換を目指す政府の強い意思が見えないと、民間はなかなか動くことができない・・・・

そのためには、相当な投資と研究開発を実施し、民間行動を抜本から変える必要がある。制度設計の詳細、支援策、規制緩和などの具体策が、どのように示されるのか。政府の強いコミットが求められる。 (出所:ニッセイ基礎研究所

 

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「成長戦略としての「カーボン・ニュートラル」-各国で進むグリーン戦略、日本は巻き返せるか」(ニッセイ基礎研究所)

 

 期待とリスク 7 - 9月期のGDP速報値の裏側

 7 - 9月期のGDP速報値が11月16日に発表された。前期比年率で21.4%増と、大幅な伸びとなったが、GDPギャップは大きなマイナスが残るという。

 大方の見方で、問題とされるのが設備投資の弱さだ。7 - 9月期の設備投資は前期比▲3.4%と2四半期連続で減少したという。日本の競争力や将来の供給力にも関わることなので、その憂慮が大きいようだ。

「そのような状況にあって足元で期待が高まるのが、コロナ危機で停滞した社会を、環境投資で立て直そうという「グリーン・リカバリ」。デジタルと合わせて、2つの成長戦略が実を結ぶかが、日本の復活、将来にとって極めて重要になる」と、ニッセイ基礎研究所は指摘する。

 いずれにせよ、行動し実行するのは企業だ。企業の本気度が問われているのだろう。

 

 

「参考文書」

www3.nhk.or.jp

 

news.yahoo.co.jp