Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

EVシフトは一気に進むか バイデン新計画の影響

 

 トランプ大統領が敗北宣言をしない。まだ勝てるという見込みがあるのだろうか。それとも諦めないということが美学なのだろうか。起業家であれば、その精神は必要であろうが、一国の主となれば、それは異なるものになったりするのではないか。

 バイデン氏の発言ではないが、「恥ずべきことだ。彼のレガシー(政治的遺産)のためにならない」ということなのだろう。

www.afpbb.com

 

 スムーズに政権移行が進めば、トランプ時代も、次の大きな社会変化に必要だった4年間としてみなされることもあるかもしれない。ポジティブな変化を促すためには、極度な停滞やネガティブなことが必要だったりする。 

 

 

加速するのか米EVシフト

 バイデン氏が勝利宣言し、発表した施策内容には驚愕する。パリ協定に復帰するというだけでも、大きな変化なのだろうが、クリーンエネルギーを振興するために、4年で2兆ドル(約210兆円)の資金を投入するという。その巨額さにただ驚くしかない。社会の雰囲気を一変させるには、このくらいの投資が必要ということなのだろうか。

 そればかりでなく、これに加え、EVシフトを促進させるためなのであろうか、充電施設を50万カ所も設け、インフラ整備を急ぐという。気候変動に対峙しようとの本気具合が伝わる内容だ。

 2035年までにガソリン新車販売を禁じることを表明したカリフォルニア州にならい、バイデン氏も、ガソリン車への規制を強める可能性があるとResponseが伝える。

EVに注力する日産自動車は「シェア(占有率)拡大にプラスに働く好機だ」(幹部)と期待。

一方、環境車の定義を巡って日本勢が得意のハイブリッド車が対象外となる可能性もあり、別の大手は「逆風の恐れもある」(幹部)。 (出所:Response)

 

 日本車にも大きな影響がありそうな変化が起ころうとしているようだ。

 

s.response.jp

 

 

EVマーケットシェア 追い上げる欧州勢 国内自動車メーカは下落

 EV 電気自動車とPHV プラグインハイブリッドの2020年第3四半期(1−9月)までの世界での販売で、日産とトヨタがベスト10から陥落したとM&A Onlineが伝える。

 それによると、前年同期との比較で、日産は7位から14位に、トヨタは10位から16位にランクを落としたとそうだ。一方、欧州勢が販売を急激に伸ばしているという。

2位の独フォルクスワーゲンVW、前年同期6位)、4位の独BMW(同5位)、5位の仏ルノー(同13位)、6位の独メルセデス・ベンツ(同25位)、7位のスウェーデンボルボ(同16位)、8位の独アウディ(同21位)など。

EUの厳しい環境規制に備えた欧州車メーカーの急速な台頭で、昨年同期のベスト10メーカーの半分が入れ替わる激変となった。 (出所:M&A Online)

maonline.jp

 

 トップは米テスラ、独走のようである。販売台数は31万6820台と、2位VWの3倍近くになるという。また、M&A Onlineは、韓国・現代自動車の伸長を指摘する。現代自動車単独では、昨年の9位のまま変わらないが、同社傘下の「起亜」を加えた現代グループの販売台数はVWを抜いて2位になるという。 

f:id:dsupplying:20200927092819p:plain

(写真:テスラ)

 

トヨタ vs テスラ

 トヨタの豊田社長が6日の決算会見で、EV市場トップで、株式時価総額トヨタを抜き世界最大の自動車メーカーに成長した米テスラについて言及したようだ。

 ブルームバーグによれば、豊田社長が、テスラについて、「学べる点が多々ある」と述べたという。

 EVや自動車のソフトウエアのアップデートでも収益を上げるビジネスモデルのことを指してのことのようだ。その一方で、さまざまな電動化メニューを持っているトヨタ自動車の方が、「テスラの一歩先を行っている」とも発言したという。

 しかし、テスラの時価総額トヨタの2倍近くまでになり、その差が拡大しているようにも見える。 

f:id:dsupplying:20201023161320p:plain

(写真:トヨタ

 

 また、会見では、富士山麓裾野市で建設予定の実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」にも言及、語呂合わせで来年2021年の2月23日から着工すると述べたという。  

www.bloomberg.co.jp 

自動運転などの先端技術を導入・検証する同都市には約360人が住む。高齢者と子育て世代、発明家がウーブン・シティの住人になるとし、「一緒に住まわせることで、そこでのいろんな社会課題に向けた発明を非常にタイムリーに起こさせていきたい」と語った。

発明家には「一定の期間を設け、その間に成果が出なければ次の方に変わっていただく」仕組みを考えているという (出所:ブルームバーグ

dsupplying.hatenablog.com

 

 

 一方、テスラはEVだけではなく、世界各地にメガソーラーを建設し、家庭用蓄電池やソーラーパネル、業務用蓄電池等の関連製品も販売し、エネルギーテック、エネルギーソリューションカンパニーへと進化を続けている。

dsupplying.hatenablog.com

 

 10年後あたりではどんな社会になっているのだろうか。EVが主流になっているのだろうか。それともFCV燃料電池車が巻き返しているのだろうか。

 少しばかりこの先のトヨタの戦略が気になり出す。まずはトラックでFCV化を進め、その後、乗用車との流れになったりするのだろうか。 

 トヨタ、テスラで描くビジョンは異なるのかもしれない。しかし、行きつく未来はひとつだけである。両社が切磋琢磨していくことで、より良い未来に近づいていく。10年後はどんなクルマ社会になっているのだろうか。

 

世界初の認可 ホンダ自動運転レベル3を販売へ

 ホンダが自動運転「レベル3」に対応したレジェンドを発売するという。日本経済新聞によれば、レジェンドに高速道路での走行時に視線を前方から離しても運転が可能となる自動運転のレベル3の機能を搭載、国土交通省からの認可を得たという。

 レベル3の車の実用化を国が承認したのは世界で初めてで、自動運転車の普及に弾みがつきそうだという。 

www.nikkei.com

 

 コロナの前までは「CASE」に注目が集まり、100年に一度の変革期と言われた。このコロナ渦で、すっかり世界が様変わりし、その優先順位にも変化が出てきているのだろうか、EVシフトが一気に進みそうな勢いだ。このままでいいのだろうか。国のカーボンニュートラル政策にも影響はしないのだろうか。

 クルマの国際競争力の劣化になってはならないはずだ。優先順位の見直しが必要かを慎重に、そして、スピーディーに検討してもらいたい。

 

「関連文書」

dsupplying.hatenadiary.com