LEXUSが、初のEV電気自動車モデル「UX300e」の販売を始める(海外で販売開始済)。2020年度分は限定販売135台になるという。商談申込み(抽選)の受付が10月22日から始まった。
(写真:トヨタ)
トヨタによると、2025年にはレクサス全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリンエンジン車の比率を上回ることを目標にしているという。
ウーバーもEVシフト拡大
2040年の「ゼロエミッション」を宣言したライドシェアのウーバーが「EV拡大」を約束したとブルームバーグが伝える。それによると、ウーバーは2030年までに欧州、米国、カナダの主要都市でEVの使用率を100%にするという。ドライバーのEVシフトを促すため、2025年までに8億ドルを支援する。ウーバーの競合、リフトも2030年までに排ガスゼロ車100%を目指しているという。
(関連文書)
脱炭素化、循環型経済へのシフトを予感
EVの普及で脱炭素化の流れがさらに加速していくのだろうか。そして、それはまた循環型経済への移行も後押しするのだろうか。
トヨタが、今後増加すると予想されるEVやHVなどで使われた使用済み畜電池を二次利用する仕組みを構築、資源の有効活用や車のコスト低減につなげるとブルームバーグが伝える。
それによると、使用済み畜電池は初期性能の7-8割程度まで劣化しているため車向けとしての再利用は難しいというが、電力網の需給調整などの用途では使用が可能だという。
「そのまま資源にするのはもったいない」というのが事業の出発点とトヨタはいう。
トヨタは、 JERA(東京電力ホールディングスと中部電力の火力発電事業の共同出資会社)をパートナーに選び協働し、使用済み車載蓄電池の2次利用の実証試験を進める。
ジェラ(JERA)の尾崎亮一技術戦略ユニット長は、日本が輸入に依存するコバルトやニッケルといった希少金属(レアメタル)を使用する電池が「国内で循環する仕組みの一部を作る」ことで、再利用は金属資源調達の安定化にも寄与すると述べた。
また電池には天候によって出力が影響を受ける太陽光や風力発電を補完し、電力網を安定化させる役割も期待されているという。 (出所:ブルームバーグ)
ブルームバーグは、EVの普及が40年までに乗用車全体の58%に達すると見込む。
バッテリーの再利用が事業として成立すれば、EVのコスト低減につながる可能性がある。来年度には10年前のHV車の蓄電池が多量に回収される見込みだという。
さらなるEV普及の呼び水になるのだろうか。
バッテリーリサイクルに挑むスタートアップ
米国ネバダ州カーソンシティを拠点に蓄電池のリサイクルビジネスを行う「Redwood Materials(レッドウッド・マテリアルス)」という会社がある。
TechCrunchによると、同社はEV、家電など様々な機器の蓄電池やバッテリーセルの製造工程からでるスクラップを再利用する循環型サプライチェーンの構築を目指しているという。
Redwoodは、家電会社やパナソニックなどのバッテリーセルメーカーから、スクラップを回収している。次に、これらの廃棄物を処理し、通常は鉱山から採掘されるようなコバルト、ニッケル、リチウムなどの材料を抽出して、パナソニックやその他の顧客に供給する。
Redwood Materialsには多くの顧客がいるが、協力が公表されているのはパナソニックとAmazon(アマゾン)だけだ。 (出所:TechCrunch)
二律双生 環境と利便性の両立
蓄電池が登場しケーブルレスを実現すると、一気に利用範囲が拡大した。電池が進化すると、その利用がさらに拡大、EV、家庭用蓄電池、業務用など様々な分野で利用が進んだ。
しかし、その蓄電池にも寿命はある。
使い終われば、多量に捨てられる蓄電池が発生することになる。蓄電池を利用し始めたときは、その処分方法をあまり考えていなかったのかもしれない。
循環型経済、蓄電池の2次利用の産業化は、この先の社会のあり方の映し鏡になるかもしれない。
「二律双生」とは、相反する価値を同時に叶えることとレクサスは言う。レクサスUX300eが、「環境」と「利便性」が両立することのフラッグシップになればいいのかもしれない。その2つが両立させていくことで、持続可能な社会に近づいていく。
(写真:トヨタ)
国内でもこうした課題解決型のスタートアップが多数登場してくれば、その実現が早まるのかもしれない。
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