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沈んだGDP 遠退く経済再生 名門の末路 レナウンの場合

 

 民事再生中のアパレルの名門レナウンがついに清算、消滅となるようだ。

 TSR東京商工リサーチによれば、当初想定したスポンサーによる再生計画の作成が難しく、主力事業の譲渡で得た資金を配当した後、清算する方向で検討しているという。

 

破綻レナウン 再生叶わず清算

 子どものころ、アーノルドパーマーの傘マークに憧れたりした。時は移ろい、いつしかレナウンへの興味は薄れていった。

 

レナウンアーノルドパーマータイムレスのライセンス契約を更新せず、同事業から撤退する。

関係筋によると、「現在の契約(の残り)はあと数か月」だという。

アーノルドパーマー事業は、複数のスポンサー候補が興味を示していたが、最終的に協議がまとまらなかった。 (出所:東京商工リサーチ

 

www.sankeibiz.jp

 

 レナウンが描いたスポンサーによる再生は叶わず、ブランドの切り売りとなる。

 SankeiBiZによると、紳士服の「ダーバン」や人気の「アクアスキュータム」、「シンプルライフ」などの主要ブランド5事業を小泉のグループ企業に売却するという。

 スポンサーが見つからなかったことが、レナウン破綻の原因だったのかもしれない。引き継ぐことができない何かがあったということなのだろうか。

 なお、法的整理をしていない子会社は、事業を継続していくことになるという。

 

 

 

アパレルの業績 明暗くっきり

 コロナ渦の影響が長引いている。レナウンばかりでなく、他のアパレルも苦しんでいるようだ。

 6月、緊急事態宣言解除後、客足の回復の兆しがみられたが、7月、再び感染者数の増加に転じると客足は後退していった。その影響を受け、大手の75.0%が前年の7月より売上が減少したという。

 帝国データバンクによれば、2020年7月の月次売上高が前年同月を上回ったのは調査対象24社中、ファーストリテイリングとワークマンの他、しまむら西松屋チェーン、TOKYO BASE、コックスの6社のみだったという。

 赤字と黒字とでもいうのだろうか、ユニークなビジネスを展開し、ウィズコロナにマッチしたブランドが業績を伸ばしたということなのかもしれない。

 

www.tdb.co.jp

 

落ち込む百貨店

 デパートも長引くコロナ渦の影響から抜け出せないままのようだ。20年第1四半期の業績からみると、多くの百貨店各社が赤字決算となり、その深刻さが伝わってくる。

  三越伊勢丹高島屋、大丸松坂屋阪神阪急の各社が売上高を大幅に減少させ赤字に転落した。

 消費税率が10%になった19年10月を上回る激震とITmediaビジネスオンラインはいう。

 

日本百貨店協会が8月21日に発表した7月の全国百貨店売上高は、前年同月比マイナス20.3%だった。

4月は72.8%減、5月は65.6%減で、緊急事態宣言が明けた6月は19.1%減にまで持ち直していたが、7月は再び減少率が大きくなった。(出所:ITmediaビジネスオンライン)

 

 訪日外国人観光客数が99.9%減少し、インバウンド消費が蒸発した。

インバウンド客を「頼みの綱」にしてきた百貨店にとっては由々しき事態だ。こうした状況が長く続けば、蓄えてきた内部留保が食い潰す事態になりかねないとITmediaビジネスオンラインはいう。行き詰っている百貨店業特有の伝統的なビジネスモデルをウィズコロナの時代に合わせ見直す必要があると指摘する。

 

www.itmedia.co.jp

 

 

 

落ち込むGDP 遠のく政府目標

 4-6月のGDPが戦後最悪の年率27.8%減になった。

 時事通信は、実質GDP 年率換算で485兆円と、前期比で41兆円目減りしたと指摘、生活実感に近い名目GDPで506兆円、政権目標の600兆円から遠のいたという。

 

借金の山も残された

消費税を5%から2段階で10%に引き上げたが、主要国中最悪の部類に入っていた財政はコロナ対策の巨額支出で一段と悪化。20年度末の国債発行残高は964兆円と実質GDPの2倍に達する見通しだ。 (出所:JIJI.COM)

 

 サービス業の生産性向上など、構造改革の必要性を専門家が求めているという。

 

www.jiji.com

 

 政府は繰り返し「経済再生なくして財政健全化はない」というスローガンを使ってきた。長く続いた政権であるが、ここまで財政が健全化されることはなかった。

 結果が伴わず、同じスローガンを繰り返されれば辟易する。そうしたことも考慮せずに、このコロナ渦でも同じ言葉を繰り返すのだから、行き詰まりといわれても仕方がない。結果から言えば失敗といっても過言ではないのだろう。まだ挽回するチャンスは残っているかもしれないが。

 

 その安倍政権が2012年に誕生し7年続く、首相としての連続在職日数が歴代最長だった佐藤栄作の2798日を超え単独1位となった。

 

this.kiji.is

 

 大規模な金融緩和などを柱とした経済政策「アベノミクス」を展開。

 「だが米中貿易摩擦やコロナ禍が直撃し、20年4~6月期の実質国内総生産GDP)は戦後最悪のマイナス成長に落ち込んだ。最近の内閣支持率は40%を下回っている」と共同通信はいう。

 

 経済は感情で動くともいう。

 何か変化がなければ、センチメントも変化しないのだろう。

 新しい風が吹いて欲しい。

 

 

forbesjapan.com

 

 

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