よその国でもコロナの封じ込めに成功し、規制が緩和できたと聞くと少しばかり安堵する。たどる道筋は違っても、コロナを乗り越えられることができるのだと確信を持つことができる。
おとなり韓国もゴールデンウイークに突入している。GW前に規制が緩和され、人の往来が活発になっているようだ。
韓国中央日報によれば、GW中に17万人が済州島を訪れるという。済州島旅行では「グルメ」が61.6%でトップ、「自然景観鑑賞」が58.9%と続き、「トレッキング」、「ホテルでのバカンス」、「博物館・テーマパークめぐり」の順で、昨年と傾向が異なるという。やはりコロナの影響があるのであろうか。
旅行で懸念される点としては「密集した空間での室内感染」が67.4%、と「空港や機内での感染」が57.1%などとなっているという。警戒心がまだ残っているということであろうか。
南半球の島国ニュージーランドも規制がレベル4から3に緩和にされた。現地に在住の現代美術家、写真家のSummer Shimizuさんのブログがその様子を生き生きと伝える。
Shimizuさんによれば、レベル3になった日のSNSのトレンドワードが、#Maccas、 日本語のマックやマクドにあたる言葉だったという。ずっと家に籠り、出かけられるようになって、向かった先が、マクドナルドということが何となく理解できる。何気ない日常を一番感じられるところということなのであろう。
レベル3の初日だからか、多少ソーシャルディスタンスが緩んことを反省したり。政権への信頼の厚さがなにか羨ましく感じたりもする。
目に見えることは理解しやすい。まして、それが自身の命にかかわることであれば、なおさらだ。自身を守るために、他者を敵視したりするのも、もしかしたら自然なことなのかもしれない。しかし、それでは分断した社会になってしまう。対立する二つの意見、それでは大きな目標を達成させることはできなくなる。
ニュージーランド ジャシンダ・アーダーン首相は優れたコミュニケーション能力を発揮、危機への対処を説明していたようだ。コミュニティを包み込む”泡”、その「バブル」が外界を遮断し、感染することも他者を感染させないとわかりやすく説明していたという。
人々がバブルの中にあっても、それでも感染は拡大し、ロックダウンは数週間続くと予測し、そうしたことがあっても、それを悪い結果と誤解せず、落胆しないでと呼び掛けたという。
また、SNSライブチャットで、自分もそのバブルの中にあり、みなと同じ立場にあることを伝えていたという。
ニュージーランド国民はそうしたアーダーン首相の振る舞いに共感していったようだ。
ニュージーランドの世論調査では、政府が正しい判断を下すと信頼を寄せる人が88%だといい、政府方針に従った生活を92%の国民が実践しているという。
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そんなアーダーン首相のニュースを見ると、政治家というよりは、危機から脱出しようと国民を導くリーダーとして見える。
首相に着任して早々に産休を取り、生まれた娘と国連総会に出席したことに驚いたことを思い出す。
世情は揺れ動く。そうした中でも、自身が信じること、信念を実行することが共感を生むのだろうか。
独メルケル首相も見事な手腕でコロナ危機からドイツを救い出そうとしている。
メルケル氏の環境政策や移民政策をみていると、そこに何か強い個人的な信条があるように思う。その姿に狡猾さはない。老練な政治家というよりは、自身の信条を貫く人として見える。
コロナ対策で筋道をつけ、脱出に向け着実に進む国がある。優れたリーダーシップと国民の理解が相まって実現されていくということであろうか。その先には、コロナと共生していくという難題が待っているのかもしれない。
規制緩和した国々の人の動きを見ると、そこに国民性が現れるのかもしれない。国民性はその国の長い歴史で作られる。
このコロナ危機で国民性が変わるようなことはないのだろうか。
昨年2019年は、地球温暖化対策が世界的な気運となった。国連とEUが主導する動きを見せた。米国はパリ協定から離脱し、日本は石炭政策から抜け出ずにいる。その米国では、州政府や企業は、連邦政府の政策とは別に、独自に温暖化対策を進めている。
このコロナ危機にあって、生活に不可欠なビジネスが浮き彫りになった。これを担う企業は、人々の生活を支えるため、そして、ビジネスを守るために感染予防を進めている。
そこにも若きビジネスリーダーが存在する。
このコロナが新たなきっかけになっていくようにも思える。新しい世界に向けて歩み始めているのかもしれない。もしかして、コロナが老獪な古い政治を壊していくことになるかもしれないと思ってしまった。
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