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【SDGsと広告】SDGs特別賞を新設した「広告電通賞」の募集が始まった

 

 広報や広告の専門家ではないから思うことかも知れないが、「サスティナビリティ」SDGsがメガトレンドになっているのに、広報や広告ではあまり考慮されていないと感じる。

 

 カンヌライオンズでは、2018年にSDGs部門が表彰枠として新たに加わったと聞く。

 昨年2019年、この部門でグランプリを受賞したのは、「The Lion’s Share (ライオンズ・シェア)」。

広告に動物を起用している広告主(割合としては2割以上いる)が、動物のモデル料として、広告費の0.5%を自発的に動物保護基金「The Lion’s Share基金」に支払い、絶滅危惧種や野生生物の保護、動物福祉の活動を支援するというもの。この優れたファンドレイジングの仕組みは、実際に地球にインパクトをもたらしている。(出所:サステナブルブランドジャパン)

 

 

SDGs特別賞」新設 広告電通

 国内では、第73回広告電通賞の募集が3月2日より開始されたという。今年から「SDGs特別賞」が新設されたそうだ。SDGsの達成に向けて、広告にできることを真摯に模索した広告主と作品に贈られるとアドタイが伝える。

 広告電通賞とは、優れた広告企画や広告表現技術を示した広告主を表彰する、日本の広告賞である。1947年に電通が創設した賞であるが、取り扱った広告代理店・制作会社を問わずすべての広告主が応募対象となる(出所:Wikipedia

 

www.advertimes.com 

 国内では、どんな広告が受賞することになるのだろうか。日本らしさが出るのだろうか。

 

 

  

受賞作品 カンヌライオンズ 

 昨年のカンヌライオンズでの審査基準は、「インパクト」「スケーラビリティ(拡張性)」「クリエイティビティ/イノベーション」だったとサステナブルブランドジャパンは伝える。そのカンヌライオンズでは、こんな作品たちが受賞している。

 

クリエイティブeコマース部門のグランプリを受賞したのは、CO2の使用限度を設けたクレジットカード デコノミー/「Do Black – The Carbon Limit Credit Card」。 

 


Do Black - The Carbon Limit Credit Crard - RBK - Doconomy - GP Creative eCommerce

 

フィルム部門とフィルムクラフト部門のグランプリをダブル受賞したのは、ニューヨーク・タイムズの「The Truth Is Worth It」、合計5つの動画からなる。

全ての動画には共通で、ニューヨーク・タイムズの記者が地道に事実に迫るまでの過程を表す字幕が載る。(出所:Forbes)

 


The Truth Is Worth It: Resolve | The New York Times

 

forbesjapan.com

 

 

 

 カールスバーグは「Snap Pack 」という6本入りのアルミ缶をプラスチック包装を使わずに一つにまとめられるようにした内容の広告を制作する。その企業のプラスチックスを使用しないとの意志と伝わってくる。こうした革新的な解決策をCMするのもありではなかろうか。

 


Snap Pack Carlsberg Global Advertising | Betterment Campaign | Advertising Agency London Fold7

 

 日本コカ・コーラが3月9日から「いろはす天然水」の新CMの配信を始めるという。

100%リサイクルのペットボトルを前面に出した内容になるようだ。

 

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dsupplying.hatenablog.com

 

 

 

 

これからの広告産業

 サステナブルブランドジャパンが、広告業界について、こんな指摘をする。カンヌライオンズのSDGs部門の審査員に選ばれた人の指摘だ。

 

広告産業は期待とプレッシャーを背負っている。

SDGsは、人々をひとつにし、共通言語で話し、共通の解決策を見つけるためのいい機会を生み出した。しかし往々にして、取り組みはまだ表面的なもので、落とし込めていない。

私たちが関わる広告産業は生き残りを賭けた危機的な状況にいる。

残念ながら、10億以上の絶滅の危機に瀕している動物たちとは違って、多くのブランドにはそれが消えてしまったからといって悲しむ人はいないし、マーケターが失業したところで気の毒に思ってくれる人なんていないのだ。  (出所:サステナブルブランドジャパン)

 

www.sustainablebrands.jp

 

 専門家ではないが、まったく同感だと感じてしまった。インパクトのある広告であふれるようになれば、サスティナビリティやSDGsの機運が高まっていくのではないであろうか。それは広告の新たな挑戦、機会ということなのかもしれない。