Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

ベア交渉に変化も 変わるのか雇用形態

 

 2019年は節目の年になるのだろうか。30年前、ベルリンの壁が崩壊した。それと時を同じくしてインターネットが普及し始めた。イデオロギー論争が終焉し、グローバル市場が一気に開いた。インターネット、ITの普及で仕事が変わり、新たなビジネスが続々と立ち上がり産業構造が変わった。爆速で拡大した世界経済は、地球温暖化や貧富を拡大させ、歪みが顕在化した。

  この30年で生じた社会課題を解決しようと、国連でSDGsが採択され、温暖化対策では欧州が世界をリードするようになった。アメリカは株主第一主義を否定し、すべてのステークホルダーの利益へと方向転換した。福祉政策を充実させていた北欧諸国が幸福度など様々なランキングで上位を占め、理想的な国家のように映る。

 

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   次の30年は、こうした社会課題を解決しつつ、経済活動を停滞させることなく、発展させることも考えなけれならない。変化の兆し現れてくると、必ず変化に抵抗する人々がいる。そうした人々を包含しながら変化は進んでいくのだろう。過去もそうであったように。

 

 

 2000年前後に登場し、注目された大手IT企業も、20年近くの時間が経ち、その評価が分かれ始めてきているのだろうか。少し前までなら、IT企業がどんな変化を起こしてくるのかワクワクしたものだが、今では行き過ぎたサービスが信用を壊しかねい。プライバシーの保護を求める声が大きくなった。

 デジタルネイティブの世代はそうしたことには敏感だ。瞬く間に情報は拡散する。そうした影響もあるのだろうか、アメリカでは就職希望ランキングで、大手IT企業の人気が落ちているという。

 forbesjapan.com

 

 日本でも変化の兆しが表れているようだ。かつて人気のあった大企業の人気が低下し、国家公務員の応募も毎年低下しているという。積極的に社会課題解決に関わろうと自分の活躍の場を模索する若者たちが増えた。

「両親が経営する小さな建設会社が、資金繰りに苦労していたのを見ていたので、中小企業が活躍できる社会にしたいとの思いがあり、国家公務員を目指しました。けれど総務省に入ってみると、年功序列ヒエラルキーがはっきりしており、変えようと思ってもなかなか話が進まなかった。今、脂が乗っている時に、民間企業でダイレクトに力を生かしたいと思い転職を決めた」 (出所:Business Insider) 

www.businessinsider.jp


 こうしたことが今や普通になっているのだろうか。経団連も危機感を募らせる。

産業構造が変わっていく中で、企業が社員のチャレンジを後押しするような仕組みにする必要がある」と述べた。デジタル化に対応できる人材の確保などに向け、慣行の見直しが不可欠との考えを改めて強調した。

 経団連は来年1月に公表する2020年春闘の交渉方針でも、雇用慣行に言及。新卒一括採用や終身雇用、年功型賃金といった慣行を前提に企業経営を考えることが「必ずしも時代に合わないケースが増えている」と指摘し、企業に見直しを促す。(出所:共同通信) 

this.kiji.is

 

  トヨタも従来の一律のベアを見直し評価に応じた方式に変更する方向に動く。変革期を迎え、意欲ある人材の確保は不可欠のようだ。

『この提案では、中堅クラスで人事評価の低い社員だと、ベースアップがゼロになる可能性もあるとしています。』とNHKは伝える。 www3.nhk.or.jp

 

 

 メルカリは、通年採用で多くの外国人を雇用、優秀な人材確保を海外にも求める。メルカリを選んだ外国人の声が印象的だ。

「日本のファッションが大好きで、一番安く買えるのがメルカリアプリでした。入社を決めたのは、すでに成功しているFacebookやグーグルのような企業よりも、まだ先のある会社でのチャレンジが楽しいと思ったからです」

「中国国内の(マイクロソフトやグーグルの)オフィスは支社。コアテクノロジーは本国で開発している」と、仕事のやりがいの面で不安がある。その点「メルカリは本国の日本で、技術開発に携われる点が魅力」だという。(出所:Business Insider)

www.businessinsider.jp

 

 日本型の雇用は変化するのだろうか。意欲ある若者たちはもうすでに行動を起こしている。企業はそうした若者たちを引きつけることができるのだろうか。今、変化をしなくても、生き残ることはできるかもしれない。しかし、30年後はどうであろうか。

 SDGsがあたりまえになり始め、若者たちの意識も変化し、今の経済活動の歪みを正そうとしているように見える。企業には、変化が求められている。選ばれる企業に変わらない限り未来はない。パラダイムシフトが動き始めている。

  

 東京都の小池知事が「気候危機行動宣言」を表明した記者会見で、『この令和元年、どういう状況に私たちはあるかというと、まさしく歴史的な転換点に直面していると思います』を言っていた。

 若者たちはそうした社会的変化を敏感に感じ取っているのだろう。

 

たしかドローンで品物を飛ばしたり、イーロン・マスクあたりは土管で物を運ぼうとしていますので、うそという社会ではもうなくなっていることがたくさん書いてあって、荒唐無稽とも思えるようなアイデアでも、人の英知や情熱や努力を注ぎ込めば、実現できるということを、ある意味歴史が証明している1つではないかと思います。大胆な未来の展望こそが未来を切り開いていくということかと思います。そこで、この令和元年、どういう状況に私たちはあるかというと、まさしく歴史的な転換点に直面していると思います。(出所:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年12月27日)東京都ホームページ) 

 

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