Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

レジ袋はなくなるのか?

 

 先日、テレ東の「ガイヤの夜明け」でレジ袋についての放送があった。反響があり話題になっていたようだ。レジ袋禁止に反対する声や影響を受けるレジ袋製造メーカを取り上げていたようだ。 

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

 昨年、同じテレ東の「WBS」でもレジ袋について取り上げ、あるスーパーを事例にして、レジ袋有償化による影響を検証していた。 

 

lovely-lovely.net

 

 「WBS」ではすでに販売されている生分解性のレジ袋を紹介し、一方、「ガイヤの夜明け」では開発が進む生分解性のレジ袋を紹介した。その違いは海洋における生分解性ということであろうか。

 「ガイヤの夜明け」が紹介した福助工業のレジ袋は、植物由来で、海洋でも生分解性があるという。このレジ袋はほんとうに環境にやさしいのだろうか。

 

www.kankyo-business.jp

 

 福助工業が開発したレジ袋は、トウモロコシやサトウキビ由来の生分解性ポリマーを利用てしている。環境ビジネスオンラインはその生分解性ポリマーの需給逼迫を伝える。

 

現在、世界的な生分解性ポリマーの需給が逼迫しており、同社は、土壌・海洋分解性レジ袋の量産化については、原料事情の落ち着きを待って順次拡大していく予定。(出所:環境ビジネスオンライン)

 

 トウモロコシやサトウキビといった可食成分を使わずに、非食成分の植物からプラスチックを作る動きもある。理由は、SDGsでも取り上げられる世界的な食料不足に対する配慮だ。プラスチック製造を優先するような可食物利用に疑問も投げかけられる。石油由来の生分解性プラスチックも存在し、欧州では利用も進む。

 

 

 

  Wiredは、「ライフサイクル・アセスメント」という評価手法を紹介する。ひとつの製品が、その寿命を終えるまでの影響を評価するものだ(ただし、ゴミの問題は考慮されない)という。

 こうした観点からいえば、レジ袋を複数回再利用すれば、それだけ袋としての寿命を引き延ばすことになるという。

 

レジ袋をゴミ袋として再利用する場合を例に挙げる。コットンバッグに切り替えたとしても、結果的に使い捨てのゴミ袋を買うことになれば、実際には何も変わっていないことになる。(出所:Wired)

 

wired.jp

 

 Wiredはこんな指摘もする。

海に流れ出るプラスティックの問題は、プラスティック自体の問題というよりも、廃棄物管理の問題だと、ヴァン=セビルは言う。「プラスティックの使用量を減らすことではなく、プラスティックが環境に入り込まないようにすることが重要なのです」(出所:Wired)

 

 

 

 レジ袋を代表とするプラスチックが問題視されるのは、海洋に流れ出て、海洋の生態系に影響をあたえることや石油由来であることがあげられる。プラスチック・フリーが実現すれば何よりであるが、現実的には実現は難しいのが実情ではなかろうか。

 

 EUは、この問題に積極的に取り組み、最終的には「使い捨てのプラスチック類はゼロ」を目指す。

 

「欧州全体を対象としたプラスチックに関する戦略」が発表された。その骨格は、EU市場に流通する全てのプラスチック製の容器包装材を30年までに再利用もしくは再生利用可能なものにするというもの。言い換えれば、使い捨てのプラスチック類はゼロにするという厳しい政策となる。(出所:日本経済新聞

 

www.nikkei.com

 

 レジ袋問題を考えると、なかなかベストな解を見つけることが難しいのかもしれない。植物由来の生分解性のレジ袋は利用が拡大すれば、食料事情を圧迫させる可能性があり、石油由来であれば地球温暖化への影響も心配される。高価な生分解性のレジ袋が一気に拡大することは難しいだろう。

 

 レジ袋をなくそうとする先取的な取り組みをしているのはアウトドア関連メーカのパタゴニアであろう。パタゴニアは来年4月からレジ袋の提供を止めると公表し、マイバックの使用を推奨する。マイバックを忘れて来店したお客様にはマイバックシェアリングで集められたマイバックを提供するという。

 

www.patagonia.jp

 

 来年7月にはレジ袋が有料化される。各社にて様々な施策も始まっている。果たして、レジ袋ば無くなる日は来るのだろうか? 

 レジ袋がなくなるまでは、モラルある行動が求められていることだけは間違いなそうだ。

  

 

 

 

「参考文書」

www.sankei.com

newswitch.jp

 

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