Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

元に戻れないはずだったが.... 「ワーケーション」でテレワークは定着するか

 

 地方各地でクラスターの発生のニュースが増える。都内では、7月のコロナの新規感染者が5千人を超えたという。重症者の数もじわりと増えている。やはり心配になる。

 国内の累計感染者数が、ダイヤモンド・プリンセス号を含めた累計は3万人を超えたという。検査数が増えていることも影響してのことだろうが、その数に驚く。

 また、東京の新規感染者数が200人超えたようだ。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 西村経済再生担当相が、先週の記者会見で、一時2~3割にまで減っていた通勤者が、最近は7割程度に戻っていると強調したという。

「(各企業は)後戻りせず、多様な働き方の中でテレワークの割合を維持してほしい」と訴えたと時事通信が伝える。

 

www.jiji.com

 

 

 

 「コロナ以前の世界には、もう戻れない」だが...

 「コロナ以前の世界には、もう戻れない」との言葉をいく度となく聞く。

 しかし、現実の世界ではそうともいかないのだろうか。


 TSR 東京商工リサーチが、第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査の結果を公表した。
 調査期間は、2020年6月29日~7月8日。インターネットでアンケートを実施、有効回答は1万4,602社だったという。

 

感染防止で導入が広がった在宅勤務やリモートワークを「現在、実施している」と回答した企業は31.0%にとどまった。

「実施したが、現在は取りやめた」は26.7%で、都市部を中心に感染拡大が続くなか、「三密」や「クラスター」回避の面で不安を残している。
 感染防止と経済活動の狭間で、業績悪化を避けたい企業が翻弄されている姿が透けて見える。 (出所:東京商工リサーチ公式サイト)

 

www.tsr-net.co.jp

 

 TSRによれば、在宅勤務を「現在、実施している」は、31.0%、一方、「実施したが、現在は取りやめた」は26.7%にのぼり、「新型コロナ以降、一度も実施していない」が42.2%もあるという。

 規模別では、大企業の55.2%が「現在、実施している」と回答したのに対し、中小企業では26.1%にとどまるという。

 社内インフラの整備、人員充足度など、業務オペレーションの違いが背景にあるとみられると指摘する。

 

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(資料出所:TSR公式サイト「第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査」

 

 TSRは、経済活動の段階的な再開に伴い、勤務形態も「コロナ前」に戻りつつあるようだと指摘する。

 また、在宅勤務を「現在、実施している」企業のうち、従業員の何割が実施しているかとの問いに、最多は「1割」の21.8%だったという。「5割以上」で合算すると50.9%で半数にのぼるという。(回答があったのは4,395社)

 

 規模別でみると、大企業で「5割以上」と回答したのは49.4%だったのに対し、中小企業では51.6%に上った。中小企業は大企業に比べて、在宅勤務・テレワークの実施率は低いものの、実施している企業の「従業員在宅率」は大企業よりも高いことがわかった。 

(出所:東京商工リサーチ「第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査」)

 

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(資料出所:TSR公式サイト「第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査」
 

 

 

コロナ渦における「ワーケーション」検討始まる

 菅官房長官が、27日の会見で、「ワーケーションなど観光政策を兼ねた社会経済活動の推進に向けて休暇分散化などの検討に入る」と述べたそうだ。

 

専門家から国内観光の新しい形としてワーケーションの提案もあるとし、政府として感染防止と経済活動の両立を図るため、「普及に向けた取り組みにあたり、関係省庁で休暇分散化などを検討していきたい」とも述べた。 (出所:ロイター)

 

jp.reuters.com

 

 「ワーケーション」とは、「ワーク」と「バケーション」を合わせた造語で、旅先などでリモートワークする働き方のことをいう。

 

 ユニリーバなどの先駆的な企業は、もう「ワーケーション」を取り入れていると聞く。

 

ワーケーションを経験したユニリーバの社員は、「生産性が上がった」(75%)、「新しい働き方が始まってから生活が良くなった」(67%)、「幸福度が上がった」(33%)とその効果を実感している。

 

 業績悪化を危惧することで、テレワークが定着しないとTSRは指摘していた。

 さて、どこまで「ワーケーション」を取り入れる企業が現れてくるだろうか。 

 

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環境省は「ワーケーション」推進へ

 環境省が、「ワーケーション」を省全体で推進する方針を固めたという。

環境省はワーケーションによって、職員が現地で自然を観察し、さまざまな人々と交流する機会が増えると判断。社会のニーズに沿った政策を考える能力の向上につながると期待している。
 実行本部は報告書で、省内の会議を開く際、遠隔地にいる職員の参加を可能とするため、ウェブ開催を併用する方針を示す。 (出所:JIJI.COM)

 

www.jiji.com

 

 時事通信によれば、職員が担当業務外のイベントや意見交換に参加しやすい仕組みづくりに着手するという。

 いいことかもしれない。

 

 官僚目線や従来のやり方に固執することなく、社会のニーズや庶民目線での社会課題の掘り起こしにつなげて欲しい。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

 

気がかりな激化する米中対立  

 

 米中対立が気になる。互いの総領事館閉鎖まで事態がこじれてきた。単なる経済的な対立ではなそうだ。

 

 23日、米カリフォルニア州で演説したポンペオ米国務長官の内容をブルームバーグが伝える。

 

ポンペオ長官は演説で中国の習近平国家主席について、「われわれが許さない限り、中国の国内外で暴政を行う運命にはない」と述べ、「われわれの自由を中国共産党から守ることが現代の使命だ」と強調した。

さらに、「今ひざまずけば、われわれの子孫は、中国共産党の言いなりになる。共産党の行動は今の自由世界にとって主な挑戦となっている」と指摘し、「自由世界はこの新たな暴政に勝利しなくてはならない」と訴えた。 (出所:ブルームバーグ) 

 

www.bloomberg.co.jp

 

 少し過激に聞こえるが、それだけ苛立ちを募らせているということのなのだろうか。

 

「無分別な関与という古いパラダイムは失敗だった」

「必要なのは(かつての)封じ込めではない。これは直面したことのない、複雑で新しい問題だ。ソ連は自由世界の外にいたが、中国は既に内側にいる。だから一国では対処できない」

 と、ポンペオ長官が演説で語った言葉が朝日新聞が紹介する。

 

 

 

 中国は、「中国標準2035」を今年中に発表するという。

 こうした動きが、米中対立の背景のひとつなのであろうか。

 

「グローバルな技術標準はまだ形成の途中です。このことは、中国の産業と標準に、世界を追い越す機会を与えてくれます」。

 

国際規格を作成するための産業計画であるChina Standards 2035(中国標準2035)を立ち上げようとしているところだ。

China Standards 2035は、Made in China 2025(中国製造2025)後継計画だ。このあと続く10年間のさらに大胆な計画は、グローバルな商品の製造場所を管理することではなく、それらを生産、交換、消費を定義する標準を策定することを狙っている。

例えば産業用IoTを支配することによって、世界の産業を取り込むこと。次世代の情報技術およびバイオ技術基盤を定義すること。社会的信用システムを輸出すること ―― そして北京政府のインセンティブ形成プラットフォームのこれでもかというほどの強化などだ。私たちはそこに、商業、資本、協業を武器にしていこうとする明白でグローバルな野心を見た。

China Standards 2035は、ハイエンド機器製造、無人車両、付加製造技術(additive manufacturing)、新素材、産業用インターネット、サイバーセキュリティ、新エネルギー、エコロジー産業などの、新興産業向けの標準策定に焦点を当てている。これらは、Made in China 2025にもあった、戦略的新興産業活動の重点分野とも一致している。 (出所:TechCrunch)

 

jp.techcrunch.com

 

 こうしたことは何も特別なことでもないように思う。

 日本政府も同様に、「Society 5.0」を国家戦略の中心に置き、デジタル化を推進する。この戦略下で開発した技術を使って国際貢献と称し、ある意味ではデファクトを狙っている。

 

 ただ違いは、中国は緻密に計画し、それを強かに確実に実行している。

 

 こうした中国の強みは、欧米視点からすれば、間違いなく脅威であろう。逆に、中国の立場からすれば、欧米が以前からしてきたことと同じように振舞って何か問題があるといっても何も不思議ではない。中国には中国の価値観があるということだけだ。

 

 

 

 地政学リスクが高まってきているのかもしれない。

 

 朝日新聞によれば、中国は局面を変えようと水面下で動いてきたという。香港や台湾への介入を控えるようポンペオ長官に求めていたが、議論は平行線をたどったという。

 

中国もトランプ政権の対中強硬路線が、民主党を含むワシントンの総意に近いとみるようになっている。

対米関係が専門の北京の大学教授は「大統領選が終わるまでの我慢だという意見もあるが、どちらが勝っても米中関係が元に戻る可能性は低いだろう。我々はその前提で対米政策を考える必要がある」と指摘する。 (出所:朝日新聞

  

digital.asahi.com

 

 何事にも極端にならず、中立を貫いて欲しいと思う。米中どちらも重要なパートナ関係にあることは間違い。

 

 多くの企業が中国に進出している。巨大な中国市場をターゲットにしている企業が多いようだが、このコロナで、マスクや医療防護服などは中国で作られていることが判明した。

 VIETJO ベトナムニュースによれば、JETRO日本貿易振興機構が、サプライチェーン脆弱性への対策他を目的とした海外サプライチェーン多元化等支援事業の第1回公募結果を発表したという。
 採択された30社は生産拠点を中国から東南アジア諸国にシフトし、政府から補助金を受けることになるという。

 

 ベトナムに移転する15社のうち9社が中小企業、6社が大企業。

製造品別では、医薬製造機器や医療用防護服・ガウン、医療用フェイスシールドなどの医療関連製品を生産する企業が全体の半分近くにあたる7社に上る。 (出所:VIETJO ベトナムニュース)

 

www.viet-jo.com

 

 ベルリンの壁が崩壊して、世界はグローバル化に向かった。それから30年あまり、コロナが触媒となって、パラドックスに満ちた世界が突如出現したようだ。

 従来の考え方では、もう対処できないということかもしれない。

 この地政学リスクを鑑みれば、企業はバリューチェーンの見直しを迫られている。

 

dsupplying.hatenadiary.com

 

 今、国際社会はSDGsという世界共通の目標を共有している。

 国家という枠組みを超え、国際協調が求められているのだろう。

 

 

「関連文書」

r.nikkei.com

 

www.nikkei.com

 

www.sankeibiz.jp

 

f:id:dsupplying:20200725153349j:plain

 

コロナを封じ込めたニュージーランド 国内で再拡大するコロナ 優先すべき公衆衛生

 

 世界に先がけコロナから抜け出したニュージーランド経済が好調のようだ。

 ニュージーランドでの市中感染者は80日前を最後に確認されていないとロイターが伝える。

 

ロバートソン財務相は会見で「(NZ)経済は予想以上に良好で、世界のどの国よりも開放的である」と述べた上で、緊急事態に備えて債務はできるだけ抑える意向を示した。5月に検討中としていた、個人への現金支給(ヘリコプターマネー)はもはや考えていない、とした。 (出所:ロイター)

 

jp.reuters.com

 

 国内で、感染が再拡大している。そんな時期に、経済対策を実施し、人の移動が増えれば、感染拡大を助長しないかと危惧するばかりだ。

  

this.kiji.is

 

 

 

 22日に始まった「Go To トラベル」の出鼻を挫くように、大阪で新たに121人の感染者が確認され過去最多を更新したという。愛知県、埼玉県、福岡県でも過去最多を更新し、全国計で795人の感染者が確認された。1日当たりの最多感染者数を更新したという。

 23日の東京での感染者が360人台にのぼりそうだと日本経済新聞が伝える。都内で1日に確認された新規感染者としては過去最多となるという。

 

www.nikkei.com

 

 「Go To トラベル」に続き、「Go To イート」が8月下旬から始まる予定だという。

 

www.asahi.com

 

 飲食店の苦しい状況を考慮してのことであろうが、この状況下で経済優先でいいのだろうかと疑問符が付く。

 ワタミが始めた新事業「かみむら牧場」のような感染予防策が各店舗で展開されるようになればいいのではないだろうか。

 

店内では新型コロナ対策を見据えた取り組みを導入。

できるだけ“非接触”の状態をつくるため、回転ずしチェーン店のようにタッチパネル端末で注文すると、特急レーンで注文品が運ばれるシステムを採用したほか、店内の空気を3分半で入れ替える空調設備も導入した。 (出所:産経新聞

 

www.sankei.com

 

 時事通信によれば、ワタミが、これから力を入れるのが「テークアウト、デリバリー、ファミリー」の三つだという。

 和牛焼き肉食べ放題の「かみむら牧場」は、家族連れを狙った店ということのようだ。5年後に国内外で300店を展開するのが目標だという。

 

www.jiji.com

 

 

 

  公衆衛生に資する事業が増えない限り、感染リスクがいつまでも続き、経済の再生が厳しいと思えてならない。

 ポストコロナは、コロナ以前と同じ世界に戻らないと言われる。いつまでも、ガイドラインに沿った対応だけでよいのだろうか。

 

「米欧の航空トップがペンス米副大統領、EUのヨハンソン欧州委員に大西洋間を横断する航空便を対象に新型コロナウイルス検査を協調して実施するように要請した」と日本経済新聞が伝える。

 

米欧航空トップの要請では、どのように検査を実施するかなどの詳細は含まれていない。

ただ「米欧両政府のガイドラインには多くの共通点があり、安全に大西洋を横断できるようになる基盤を作ることができる」と指摘している。 (出所:日本経済新聞

 

www.nikkei.com

 

 このコロナでアパレルも苦境に陥っている。

 その苦しい中で、オンワードはZOZOと提携するという。ZOZOが持つ約100万件の体形データを活用、男女向けのジャケットやパンツなどを10日程度で製造して届けるサービスを8月下旬に始めると日本経済新聞が伝えている。

 

新サービスはZOZOの衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」で展開する。

利用客が自分の身長と体重を選択するだけで、体形に合ったオーダーメードのジャケットやパンツを注文できる。

商品はオンワードHDが中国のグループ工場で製造し、10日~2週間で自宅などに届ける。

商品は男女向けにジャケットやパンツ、ワンピースなど計28種類をそろえ、価格は1万3千~3万円台に設定する。

ZOZOは全身採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」などで、約100万件の体形データを蓄積しており、このデータを活用する。

オンワードHDは製造ラインの自動化などにより、注文から最短1週間で商品を届けるオーダーメード事業に力を入れている。2社が強みとする分野を組み合わせる。 (出所:日本経済新聞

   

www.nikkei.com

 

 USJの再建に尽力した森岡毅氏は「100とゼロの間に最適解」があると日経Xトレンドのインタビューで答える。

 

「コロナが絡むと、なぜか100かゼロの議論になりがちです」。

人々の消費を抑えている根本は、恐怖や不安にあります。そうであるなら、安全・安心を高める策を実施し、恐怖を打ち消している飲食店や小売店のプレファレンスは上がります。

その意味では、丸亀製麺は店内の消毒や換気体制について「お客様とともに」という姿勢でいち早く打ち出し、安全・安心の取り組みに関するCMを作りました。また同社は、打ちたての麺を店内で提供することを重視してきたブランドなので、元来はマクドナルドやケンタッキーフライドチキンのようにテイクアウトには強くありません。

しかし外出自粛に対応し、専用の麺や容器を用意して持ち帰りに踏み切った。需要に応えて、果敢な決断をされたと思います。 (出所:日経Xトレンド)

 

xtrend.nikkei.com

 

 コロナは街中でクラスターを作り感染を拡大させる。

 街と人に「公衆衛生」という概念が定着しない限り、コロナの抑制は厳しいそうだ。

 今、人は安心・安全なところに集まっているのではないだろうか。

 

 

「参考文書」

www.sankeibiz.jp

 

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アマゾンのEVトラックを作るリビアンが資金調達、SDGsと株価とは無関係なのか

 

 「2040年より前に、石油の需要が半減になる」かもしれないという。

 こう語ったのは、石油元売り最大手、ENEOSホールディングスの大田勝幸社長。朝日新聞のインタビューでそう答えたようだ。

 歓迎と思いつつ、少々驚いたりもする。いよいよそんな時代になってきたのかと。

 この先、再生可能エネルギーによる電気、二酸化炭素フリー水素などの新規事業を急ぐ考えも示したという。

大田氏は「ガソリン(の需要)は足元で前年に比べ5~6%減、ジェット燃料は7割減。コロナ前のように戻るか見通しは正直わからない」と話した。

「事業ポートフォリオが脆弱(ぜいじゃく)だった。石油一本足だと原油市況のリスクが大きく、ポートフォリオの充実化を図りたい。将来、座礁資産になるリスクもないわけではないので、(石油資源開発の)上流事業でリスクはとれない」とも述べた。

 コロナ後の経営のあり方については「厚みがある事業を複数を持つことが、企業が生き残っていくには必然。従業員の問題も同じで、多様性のある人の集まりじゃないと、何か大きな変化があったときに弱くなる。とがった人やいろんな人が一緒に集まって事業ができる方が強みが絶対にある」との考えを示した。 (出所:朝日新聞

 

digital.asahi.com

 

 

 

リビアンが25億ドル資金調達

 米アマゾンにEVトラックを供給予定のリビアンが、25億ドル(約2670億円)を新たに調達したことを明らかにしたという。

 Forbesによれば、今回のラウンドを主導したのは既存株主であるティー・ロウ・プライスで、ソロス・ファンド・マネジメントやフィデリティの他、既存株主であるアマゾンやブラックロックも参加したという。

リビアンが大型調達を行った背景には、製品に対する需要が当初計画を上回っていることがあると推測する。

リビアンは公表していないが、潜在顧客が十分見込めると考えて生産拠点の増設を検討しているのかもしれない」 (出所:Forbes)

 

 この資金調達で、初期オペレーションが円滑になるとの指摘があるようだ。

 今回のラウンドを主導したティー・ロウ・プライスでポートフォリオ・マネジャーは、

リビアンは、カーボンニュートラルな環境づくりに貢献する、革新的な車両の生産準備を進めている。」とForbesにコメントしたという。

 

forbesjapan.com

 

 ホームページを見る限りリビアンは明確にSDGsのことを謳ってはいないようだが、SDGsの達成に貢献しそうだ。

 こうした企業が、現実、多額の資金を調達している。

 

rivian.com

 

企業のSDGs意識= 帝国データバンクの調査結果

 先日帝国データバンクが発表した企業のSDGsの意識調査では、「SDGs の達成への貢献による企業価値の向上」という調査では、「企業好感度」と「社会的評価」が上位にあがったという。
 帝国データバンクによれば、「株価」に関しては、SDGs の達成で向上すると考えている企業 は 12.7%だったという。企業の 4 割が 「分からない」としているそうだ。

少々驚く調査結果だ。

 

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(資料出所:帝国データバンク公式サイト)

 

 

 

「ESG投資とSDGsのつながり」 = GPIF

 機関投資家であるGPIF 年金積立金管理運用独立行政法人は、「ESG投資とSDGsのつながり」で、SDGsに賛同する企業が17の項目のうち自社にふさわしいものを事業活動として取り込むことで、企業価値が持続的に向上すれば、GPIFにとっては長期的な投資リターンの拡大につながると指摘、ESG投資と、投資先企業のSDGsへの取り組みは、表裏の関係にあるという。

 

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(資料出所:年金積立金管理運用独立行政法人公式サイト「ESG投資」)

 

www.gpif.go.jp

 

 ここ最近、「デジタル化」「DX デジタルトランスフォーメーション」に注目が集まる。政府の後押しがあってのことだ。「デジタル化」を進めれば、政府が進めるSDGsプランに貢献することになるが、各社横並びになって、他社との差別化が難しく、それだけではメリットをあまり感じないのかもしれない。

 自社独自のSDGsへの取り組みがあってこそ、それが持続的に企業価値を高めてくれることになるのかもしれない。

 

 しかし、何故か国内では、アマゾンにも認められるリビアンのようなモノを作る会社が生まれてこない。リビアンもまたデジタル化、DXデジタルトランスフォーメーションと無縁な会社ということではあるまい。そこに何かヒントがあるように思う。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenadiary.com

 

gentosha-go.com

 

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ウィズコロナ時代のアマゾンのDashカートと政府の骨太方針

 

 東京のコロナ感染者数が、ついに9000人を超えた。検査数が増え、感染率が上昇していれば、当然なことなのだろうけれども、拡大ペースを見ていると不安を感じる。

 防疫体制もさることながら、公衆衛生を向上させていくことも課題なのであろう。

 こうした状況下で、人の往来が増せば、感染に拍車をかけないかと心配になる。何事も人命優先というわけにはいかないのだろうか。

 

 「国」vs「東京都」という何かきな臭いニュースが流れる。こんなときに、「政治」になってしまうのは如何かなと感じる。

 

www.jiji.com

 

 

 

 帝国データバンクが、「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020 年 6 月) 」を公表した。

 調査期間は 2020 年 6 月 17 日~30 日、調査対象は全国 2 万 3,681 社で、有効回答企業数は 1 万1,275 社(回答率 47.6%)だったという。

 調査したのが6月だったこともあるのだろうか、「先行きへの不透明感和らぐ」と伝える一方で、感染の第 2 波・第 3 波の発生で、再び経済活動などが停滞する可能性も引き続き懸念されていると指摘する。

 帝国データバンクによれば、「家具類小売」は 4 カ月連続、「旅館・ホテル」は、3 カ月連続で、業績に『マイナスの影響がある』と答えた割合が100%となったという。この他にも、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」、「放送」、「広告関連」が悪いという。

 

 その一方で、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」では 業績に『プラスの影響がある』と答えた割合が最も高く、3 割近くにのぼったという。次いで、インターネット接続業などの「電気通信」、「飲食料品小売」、「家電・情報機器小売」、「医薬品・日用雑貨品小売」が続いたという。


 東京商工リサーチTSRは、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が、7月16日17時までに、2月からの累計で、全国で331件に達したという。
 TSRは、感染者数が再び増加に転じ、警戒感が強まるなか、消費回復にも影響を与えそうだと指摘、難しい舵取りが求められている一方、疲弊した企業の脱落などコロナ関連破たんの増勢が懸念されるという。

 

~ 飲食業が52件、宿泊業・アパレル関連が40件で続く ~
 業種別は、来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が52件で最多。次いで、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業と、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が40件と並び、消費関連の業種で突出している。 (出所:東京商工リサーチ

 

www.tsr-net.co.jp

 

 

 

  米アマゾンが、レジ精算を不要にできるスマートカート「Amazon Dash Cart」を実用化すると公表した。

 カートは、今年中に、カリフォルニア州ウッドランドヒルズにあるアマゾンの食料品店「Amazon Grocery」に導入されるという。

 

Amazon Dash Cart」のセンサーを利用することで、その場で料金を算出できる。

パッケージ商品だけでなく、野菜や果物の量り売りにも対応し、クーポン(割引券)も利用できるなど、レジ機能を搭載したカートである。

レジで会計せずに持ち帰り可能なので、会計までの待ち時間や支払いの手間を省ける。加えて、客と店員が接する機会がなくなるので、お互いに新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減できる。 (出所:日経XTECH)

 

www.amazon.com

 

 日経XTECHによれば、米国では基本的に、野菜や果物といった生鮮食品は量り売りするという。

これまでのAmazon GoやAmazon Go Groceryでは、量り売りではなく、野菜や果物を1個や1束ごとに値付けしたり、あらかじめ決められた重さでパッケージに封入したものに値付けしたりしていた。今回のスマートカートでは、米国の一般的なスーパーマーケットのように生鮮食品の量り売りが可能になった。  (出所:日経XTECH)

 

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xtech.nikkei.com

 

 

 

 政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2020」、いわゆる骨太方針を公表した。

「新たな日常」の実現:10年掛かる変革を一気に進める 」と「国民の生命・生活・雇用・事業を守り抜く」 の2本柱になっているということだろうか。

「国民の生命・生活・雇用・事業を守り抜く」 では、感染症拡大への対応と経済活動の段階的引上げ- 「ウィズコロナ」の経済戦略ということで、医療提供体制等の強化の他、消費など国内需要の喚起ということで、「GoToキャンペーン」や「マイナポイント」など、新しい財やサービスの創出につながる民間投資やイノベーションの促進と謳う。

 これに加えて、「防災・減災、国土強靱化-激甚化・頻発化する災害への-対応」が加わる。

 

 「新たな日常」の実現:10年掛かる変革を一気に進める 」では、「新たな日常」構築の原動力となるデジタル化への集中投資・実装とその環境整備~デジタルニューディール~が最初に上がり、「次世代型行政サービスの強力な推進」「デジタルトランスフォーメーションの推進」などがすべての項目がこれにぶら下がる。

 

 経済のみを優先する政府のことだから、致し方無いのかもしれない。デジタルがすべてを解決してくれるのだろうか、そんな疑問がわく。

 

www.kantei.go.jp

 

 ウィズコロナ、ポストコロナの時代を思えば、アマゾンの「Amazon Dash Cart」のような技術開発が必要ではないかと思う。こうしたサービスであれば、公衆衛生にも資する。そのためにデジタルを活用するということであれば、理解することはできるのだが。

 

 経済産業省が示した「産業技術ビジョン2020」にはこんな文言がある。

実社会が仮想空間でなく、人やモノが動く現実空間である以上、デジタルとマテリアルの両技術が揃って初めて社会が駆動。近年、デジタル技術が急速に進展する中、改めてハードウェアの重要性が認識されている。

(出所:経済産業省「産業技術ビジョン2020」

 

 デジタルを普及させるためにモノがなければならないということだろう。モノがあれば、産業構造にも厚みが増す。

 

 政府は今年160兆円ものお金を使うという。コロナの感染を抑制し、経済を再生できるのだろうか。

 なぜか国内にはアマゾンのような会社は育ってこない。

 

 

ウィズコロナでの「SDGs」意識調査 変化はあるのか 

 

「感染拡大警報」を発すべき状況だと、昨日の臨時会見で、東京都の小池知事がいったという。コロナの全国での感染者が450人となった。

 特措法の実効性を上げるためにも、休業要請などに応じない事業者に対する罰則の適用など、国に対して特措法の改正を改めて強く求めて参りますと小池都知事は会見で語り、Go Toキャンペーンに対しては、「準備された頃と今とは状況が変わっている。延期なのか地域を限定するのか、一番良い方法を考えてもらいたい」と訴えたという。

 

 身構えてしまう感染の拡大状況になってきた。

 

www.businessinsider.jp

 

 

 

SDGs 企業の意識 = 帝国データバンク調査結果

 調査会社の帝国データバンクが「SDGsに関する企業の意識調査」の結果を公表した。

 帝国データバンクによれば、調査期間は2020年6月17日~30日、調査対象は全国2万3,681社で、有効回答企業数は1万1,275社(回答率47.6%)だという。

 調査対象数が多く、信頼性のあるデータのようだ。

 帝国データバンクからの発表内容は次の通り。

 

調査結果(要旨)

1. 自社におけるSDGsへの理解や取り組みについて、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は8.0%となった。「意味もしくは重要性を理解し、取り組んでいる」(16.4%)と合わせて、企業の24.4%がSDGsに積極的だった。

他方、「言葉は知っていて意味もしくは重要性を理解できるが、取り組んでいない」(32.9%)が3割超となり、「言葉は知っているが意味もしくは重要性を理解できない」(14.8%)も含めると、半数近くがSDGsを知りつつも取り組んでいないという結果となった

2. SDGsの17目標のうち現在力を入れている項目は、目標8の「働きがいも経済成長も」が27.1%でトップとなった(複数回答)。

次いで「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(15.9%)、「つくる責任つかう責任」(14.8%)が続いた。

また、今後最も取り組みたい項目においても「働きがいも経済成長も」(14.8%)が最も高かった(単一回答)

3. SDGsの達成への貢献によって向上される企業価値では、「企業好感度」が53.3%(「非常にそう思う」と「ある程度そう思う」の合計)でトップだった。

「社会的評価」も50.4%で半数超となり、SDGsによって社外からの見られ方に好影響があるとの意見が強い

4. SDGsの達成に向けて付加価値を生むために取り組みたいテーマでは、「顧客・人財確保」(33.8%)、「適正な労働時間・環境・内容」(30.0%)といったヒトに関連する項目が上位となった。

また、原材料や生産工程への配慮といった環境面に関する項目も続いている

5. 企業経営上大切にしていることを1位~3位まで尋ねたところ、「顧客・従業員満足度」が最も高く、「自社事業拡大」、「社会貢献」が続いた

(出所:帝国データバンク公式サイト「SDGsに関する企業の意識調査」)

 

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(資料出所:帝国データバンク公式サイト「SDGsに関する企業の意識調査」)

 

www.tdb-di.com

 

 ウィズコロナといわれるこのときに、調査した結果だけに興味を感じた。

 過去の他社の調査データなどと比較すると意外だなとの印象を持つが、社会情勢からすれば、これが実態かもとも思ったりする。

 

力を入れる 目標8「働きがいも経済成長も」

 SDGsの内、力を入れている項目に、目標8の「働きがいも経済成長も」があがったことは、このコロナの影響で、働き方改革を意識するようになったことが反映されているとということであろうか。

 

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(資料出所:帝国データバンク公式サイト「SDGsに関する企業の意識調査」)

 

 

 

  ここ最近、働き方改革に関わる報道を目にする機会が増えた。

  「3密を避ける通勤」「広がるリモートワーク」「ジョブ型雇用」等々。

「3密を避ける通勤」「広がるリモートワーク」を考えると、街の風景が変わるきっかけになったりはしないだろうか。

「ジョブ型雇用」が広がることで、人々の意識に何か変化は生まれるのだろうか。

 

vdata.nikkei.com

 

 帝国データバンクの「付加価値を生むために取り組むテーマ」という調査では、「顧客・人財確保」がトップ にあがり、「適正な労働時間・環境・内容」が続いたという。

 

ジョブ型雇用と「ジョブディスクリプション」

 最近注目されるようになったジョブ型雇用は、社員がやるべき職務を会社がはっきりと「ジョブディスクリプション」という形で定め、成果にもとづいて処遇する制度のことといい、欧米では一般化しているという。

 日経XTECHによれば、先行する欧米企業は「ジョブディスクリプション」に職務内容、責任範囲、義務、要求される職務経験やスキルなどを事細かに記載しているという。

 

 企業がSDGsを通して、感じているこうした人に関する課題は、ウィズコロナで耳にするようになったワードに対応していくことで、解決に導かれていくのかもしれない。

 

 

  シンガポールに赴任し、新たな部署を立ち上げ、採用した現地スタッフに「ジョブディスクリプション」を提示した。

 それが初めて作った「ジョブディスクリプション」だった。その後も、新たに人を採用するたびに提示した。

 慣れてはいなかったが、「ジョブディスクリプション」を作成したことで、それを意識してマネージメントするようになった。帰任して感じたことであるが、仕事の効率を上げるには良い手段だったなと感じた。

 

 今まである習慣を変えることには困難を伴うものだが、ウィズコロナの時代にあっては意外にスムースに移行できたりはしないだろうか。

まずは試行してみる。無理せず、そんなレベルから始めてみるのがいいのかもしれない。

 

「参考文書」

xtech.nikkei.com

 

project.nikkeibp.co.jp

 

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米中対立はサプライチェーンの見直しを促す 「環境損益計算書」という視点も

 

 米中対立、秋の米国の大統領選の影響もあるのだろうけれど、それにしてもと感じてしまう。もう少し大人な対応はないのだろうか。

 ハイテク戦争、香港問題、そして、ここに来て南シナ海の問題、次から次へと対立点が増える。 

11月の米大統領選を前に、米中が相互に威嚇し合う構図はエスカレートする見通しで、当面はほとんど仕切り直しが見込める状況にない。

ナティクシスのアジア太平洋担当チーフエコノミストアリシア・ガルシアエレロ氏は「勢力の再編成が急速に進展している。威嚇のスパイラルは少なくとも米大統領選まで、そしてその後も続く公算が極めて大きい。それは新たなパラダイムにすぎない」と話した。 (出所:ブルームバーグ

 

www.bloomberg.co.jp

 

 

 

強硬姿勢変わらず 

 米民主党のバイデン氏も、必然、対中国強硬姿勢を打ち出さなければならなくなっているのだろう。対立解消というよりは、中国に対抗しようとの姿勢がうかがえる。 

 日本経済新聞によれば、中国のハイテク産業育成策「中国製造2025」に関して「米国の技術の優位性をなくし、将来の産業を支配する取り組みだ」と指摘、米国も政府主導で技術革新を促す必要があるとの考えを強調したという。

政府調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン条項」をめぐり、米国製品の認定条件を厳しくして米国製の原材料などの使用を増やすよう促す。(出所:日本経済新聞) 

 

www.nikkei.com

 

 急激な変化は混乱をもたらす。これまでの政策を踏破しつつ、独自色を模索することになるのだろうか。米国の製造業を守るために中国の不公平な商慣行にも切り込むという。具体的にはアンチダンピング(不当廉売)や為替操作、国有企業による競争の阻害、不公平な補助金に対処、鉄鋼や造船などの過剰生産問題に関しては、同盟国と協力し中国政府に是正を求めていくという。また、それに加え、サイバー攻撃などで米企業から機密を盗んだ中国企業は米国市場から締め出すとしたという。 

 トランプ、バイデンどちらの候補が勝とうとも、多岐にわたり対立は続き、米製造業の国内回帰の流れが強まるということなのだろうか。 

 対立が表面化、激化するまでは、ウィン-ウィンの関係によるグローバル化が進んでいたが、今ではすっかりと陰りを見せ、世界の流れは、その逆の動きが始まるという大きな変化が起きているとダイヤモンドオンラインは指摘する。

ピュリツァー賞を受賞した米国ジャーナリストのローリー・ギャレット氏は「サプライチェーン消費地に近づき、企業の短期的な利益はカットされるが、システム全体の回復力は高くなる」と論じ、米外交官のリチャード・N・ハース氏は「サプライチェーン脆弱性から、地産地消に向かうだろう」と主張している。 (出所:ダイアモンドオンライン)

  

diamond.jp

 

 

 

動き始めたアップル

 アップルのiPhoneを製造するフォックスコン鴻海精密工業)が、インド南部の工場拡張に向けて最大10億ドルを投資する計画だとロイターが伝える。 

 アップルがこうした米中貿易摩擦新型コロナウイルス危機の混乱に対応、生産拠点を中国から徐々に他の地域に移行しようとしている動きの一環だとロイターは指摘する。地政学リスクが高まれば、それを避けるの自然の流れなのだろう。

関係者の1人はロイターに「アップルが取引先に対してiPhone生産の一部を中国国外に切り替えるよう強く求めている」と話した。(出所:ロイター)

 

jp.reuters.com

 

 この先、国内企業の動きはどうなるのだろうか。

 かねてからあったチャイナリスクを機に、「チャイナプラスワン」が加速し、中国市場向け生産が主になっているかと思っていたが、このコロナで、マスクや医療用防護具など、まだ多くのモノが中国で生産され、国内向けに輸出されていることが明るみになった。

 

自然資本会計から見直す

 地政学リスクは、サプライチェーンを検討する際に、重要な事項であることは間違いないが、昨今では、SDGsエシカル消費からいっても、サプライチェーンの健全性、トレーサビリティが求められるようになっている。こうした視点も無視できなくなってきているのかもしれない。 

日経BizGateの古い記事に、プーマの「環境損益計算書」を紹介する記事がある。 

グローバルに拡大したサプライチェーンを駆使してビジネスを展開することは、実は薄氷の上を歩くようなことなのかもしれない

 世界中に長く、複雑に広がった分、サプライチェーンのどこにリスクがあるのか、非常に見えにくくなってしまったと日経BizGateは指摘する。そのどこにあるかわかりにくいリスクを可視化してくれるのが、自然資本会計なのだという。

自然資本会計の手法を使ってどこが負荷やリスクが高いかを特定できれば、そこを強化したり、避けたりすることができる。

それは既に述べたサプライヤーの問題だけではない。自社の新しい工場をどこに作るのか、将来のリスクに備えてどの程度の対策をすべきなのか・・・、自然資本会計を活用すれば、こうしたさまざまな事業判断を容易に、自信を持って行うことができるようになる。 (出所:日経BizGate)

 

bizgate.nikkei.co.jp

  

 日経BizGateは、プーマの事例を紹介する。プーマはサプライヤーごとの環境負荷を調べ、どのサプライヤーの負荷が大きいかを分析したという。

プーマはファブレスだから、自社の環境負荷は極端に低い。物流などを含めても、全体の6%にすぎない。一方、縫製工場などが含まれる第1層から綿花畑などの第4層までサプライチェーンを遡っていくと、上流にいくほど自然資本に与える影響は大きい。第4層の影響は57%と、実に半分以上を占めていた。 (出所:日経BizGate)

 

 こうした調査結果から、シューズに使う牛革をとる牛を育てるための飼料生産に要する水使用が大きな負荷があることわかったという。そして、当時のプーマのCEOは、シューズの原材料を環境負荷がより少ないものに変更するように指示を出したという。

その結果、1年後には牛革に代わる再生素材を原料としたシューズが市販されるようになっのであると日経BizGateは解説する。

 

 今日では、こうした視点での取り組みが求められるようになっている。

 コストや地政学リスクからだけではなく、サプライチェーンを再考すべき時期になっているのかもしれない。 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenadiary.com 

dsupplying.hatenadiary.comwww.nikkei.com

 

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