Into The FUTURE

未来はすべて次なる世代のためにある

ポストコロナ 存続し続ける企業の特徴は何なのか

 

 また、コロナの影響が明るみに出る。タイ航空が破産法に基づく会社更生手続きとのニュースが流れる。会社更生手続きを申請するのはタイ政府だそうだ。

 米国では、航空会社は連邦政府からの救済措置で、従業員の解雇や一時帰休命令、給料削減は禁じられているという。が、ユナイテッド航空は、従業員保持義務の期間が終わればすぐに人員削減に踏み切るようで、10月1日に解雇通知を受ける見通しとForbesが伝える。

 米国では、対応が冷淡で配慮に欠けているのかもしれない。ウーバーも大量解雇に踏み切り、その対応をForbesがレポートする。 

 

forbesjapan.com

 

 

 国内では、老舗アパレル「レナウン」が破綻した。破綻すべくして破綻したとの意見が多い。バブル期の成功体験があだになり、その後、改革が進まず、コロナが引き鉄になったようだ。

 時事通信が指摘する「時代に対応できず」という言葉がすべてを表しているのかもしれない。

 小郡の小さな洋品店だったユニクロが、グローバル企業に成長している。国内市場規模は小さくなったが、こうした成功事例があるのだから、老舗企業は時代に乗り遅れたということなのだろうか。

 

www.jiji.com

 

 ユニ・チャームやライオンはコロナ特需で利益を大幅に伸ばすようだが、多くの企業は深刻な影響を受けている。

 自動車産業もその影響は深刻のようだ。ブルームバーグによれば、欧州の新車販売が、4月は78%減になったという。スペインでは、97%減と4100台をわずかに上回る水準だったといい、その数字に驚愕する。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 先日、トヨタが業績発表を行った。コロナにより甚大な影響を受けるというが、それでも、次期は5000億円の営業利益を確保することを目標にするという。こんなに厳しい状況下で、達成できる数字なのかと勘ぐってしまう。

 

 日経XTECHがこの数字のからくりを解説する。

 トヨタは、次期の売上目標を24兆円としている。まず、この24兆円の妥当性がどうかという議論もあるかもしれないが、この売上をベースにすると、5000億円の利益を得るためには、1兆5000億円のコスト改善が必要になるという。

 日経XTECHによれば、リーマンショック時にも、トヨタはこうしたコスト改善を実施していたという。09年3月期には約1300億円の利益改善を行い、営業損失をミニマイズし、翌年には、営業利益は1475億円を確保し黒字化を果たしたという。このときは、原価改善で5200億円、固定費削減で4700億円の利益改善を達成したという。

  実は、トヨタが行う改善は地味なもので愚直に積み重ねていくという。

緊急VA(Value Analysis、価値分析)活動
新工場プロジェクトの中止・延期・規模縮小
生産調整による在庫の圧縮と、労務費低減策の実施
一般経費の徹底的な削減  (出所:日経XTECH)

 

 日経XTECHは、「真実は平凡の中にある」と指摘する。

 

xtech.nikkei.com

 

 

 

 何もトヨタが特別なことをやっているようではない。ただひたすら基本を繰り返し繰り返し実行しているということであろうか。それが、大きな利益につながり、その継続に繋がっていく。

  アパレルも同じものづくりの業界である。ものづくりの基本に大きな差などないのではなかろうか。

 

 電機会社で働いていたとき、「トヨタの生産方式」を学ばされた。地獄の研修といわれるものであったが、今から思えば、よいことだったとつくづく思う。

 研修の最初に叩き込まれたのが、「つくり方の固定概念を捨てよ」ということだった。そして、協働の大切を教え込まれ、改善は無限であることを知った。

 会社は何に為にあるのかと繰り返し問われ、利益を永続的に上げ、雇用を創出して、地域社会に貢献することを教わる。

 

 豊田社長も、先日の業績発表の場で雇用のことに触れた。

今の世の中、「V字回復」ということがもてはやされる傾向があるような気がしております。

雇用を犠牲にして、国内でのモノづくりを犠牲にして、いろいろなことを「やめること」によって、個社の業績を回復させる。それが批判されるのではなく、むしろ評価されることが往々にしてあるような気がしてなりません。 

「それは違う」と私は思います。

企業規模の大小に関係なく、どんなに苦しい時でも、いや、苦しい時こそ、歯を食いしばって、技術と技能を有した人財を守り抜いてきた企業が日本にはたくさんあります。 (出所:トヨタ プレスリリース)

 

 「企業は何のために存在するのか」、それが明確であれば、苦境にあっても抜け出ることができるということなのかもしれない。

 

 ソニーも社長が交代し、会社の存在意義、パーパスを定義した。そのソニーは何やらソニーらしさを取り戻したように思う。

 昨日、5月19日にソニーの「2020年度経営方針説明会」があった。ソニーは「ソニーグループ株式会社」に社名を変更するという。「ソニー株式会社」の商号は、ソニーグループの祖業であるエレクトロニクス事業を行うソニーエレクトロニクス株式会社が継承するという。

 

www.sony.co.jp

 

 コロナショックと言われるが、多くの企業が基本に立ち返り、お客様と従業員、そして、地域社会や地球を大切にすれば、この苦境も抜け出ることができるのではなかろうか。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.comdsupplying.hatenadiary.com

dsupplying.hatenadiary.com

 

f:id:dsupplying:20200520133652j:plain

 

世論調査に思う、「迷走」それも新しい日常なのかも

 

 コロナ関連のニュースは重苦しいものばかりだ。そこに政治が絡めば、なお一層のことだ。世界経済を蝕んでいるのは間違いなそうだし、なかなか明るい兆しが見えない。第2波のリスクを犯して、無理して移動制限を解除するが、人々はどこまで行動範囲を広げることができるのだろう。まだ、感染の不安を払拭しきれていないのかもしれない。

 

jp.reuters.com

 

 フランスに在住の作家 辻仁成さんの日記を読まさせていただいている。日本にいながらニュースでは知りえないフランスの様子を手に取るようい知ることができる。

 5月18日の日記には、マクロン仏大統領が病院を訪問したことが描かれていた。

 看護師2人がマクロン大統領を呼び止め、抗議したという。これに大統領も興奮気味に応酬、身振り手振りを交えて話をしていたという。しかし、看護師は引き下がらない。

「ヨーロッパの大国なのに道具もない、予算減らされ、ベッドも足りない。政治的な発言はいらないから、私たちの質問にあなたの言葉で具体的に答えてください。なんで私たちは2001年に期限が切れているマスク(FFP2タイプ、コロナを通さないマスク)を使わされてるの?」とかなりきつい言葉を投げつけたのだ。 

(出所:辻仁成さんの滞仏日記)

 マクロン大統領は一瞬、言葉を失ったという。長年低い給料で働かされてきたことへの、道具もなく戦わなければならない現状への抗議だったと辻さんはいう。

 

 

 

 ベルギーでも、病院を訪問した首相に抗議があったようだ。

こちらは無言の抗議だった。病院を訪問した首相一行の車列が到着すると玄関前に並んだその病院の医師、看護師、医療従事者たちが全員出向かえたのだ。ただし、全員が背中を向ける格好で。この映像はあまりに衝撃的であった。コロナ軍と予算も武器もなく戦う最前線の兵士たちの無言の抗議であった。 (出所:辻仁成さんの滞仏日記)

 

www.designstoriesinc.com

 

 日本の総理が病院を訪問したら、どうなるのだろうか。

 

 フランスの通信社AFPは、「新型コロナ、日本の政策は奏功しているのか?」という記事で、 

「事態に先回りして対処することが最初からできていない。コミュニケーションを効果的なものにすることができず、補佐役からのサポートも十分ではない」

と、総理の対応には「むらがある」と辛辣に指摘する。

 

 どの国も、政治的な発言ばかりで、対応のまずさは同じということだろうか。 

「(感染件数が少ないのは)政策的なものではない

そこではかりきれない、生活習慣とか、日本の行動のスタイルそういったもので一見そういうふうになってるだけなんじゃないか」とも付け加え、衛生観念やあいさつの仕方などを例に挙げた。 (出所:AFP BB News)

 

www.afpbb.com

 

 朝日新聞世論調査で、内閣支持率が前回調査から急降下33%になったという。

 

www.asahi.com

 

 当然の結果なのだろう。突然現れたコロナにみなが右往左往しているときに、「コロナ」と全く関係のないことを密かに進めようとするのだから、当然の報いなのかもしれない。

 世論調査の結果をみて、法案を取り下げたいうのならもう呆れるしかない。

 熟考もない,

赴くままにということなのだろうか。そうしたことを他者が見えれば、それを迷走と呼ぶ。

 それも「新しい日常」ということなのだろう。

  

 

 

 ニュージーランドでは、コロナから国民の生命を守ったアーダーン首相の支持が急上昇しているという。 

 59.5%、前回の調査から20.8ポイント上昇したという。 

 

 AFPが、アーダーン首相がカフェで入店を断られると報じる。何か微笑ましい。

ニュージーランド新型コロナウイルス対策で厳格な予防措置を敷いており、誰一人としてこの措置を免れる者はいない。ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相も例外ではなく、自身が掲げたソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規則のためカフェへの入店を拒否された場面を目撃された。

 アーダーン首相と婚約者のクラーク・ゲイフォード(Clarke Gayford)さん、その友人らが16日、首都ウェリントンのカフェを訪れたところ、受け入れ可能な客数の上限に達しているとして入店を断られた。 (出所:AFP BB News)  

 

www.afpbb.com

 

  こうしたことが日常になれば、もっと政治が身近になるのかもしれない。

 

「参考文書」

www.reuters.com

 

f:id:dsupplying:20200519043611j:plain

 

せっかちな国政 頼みは「知事たちの裁量」

 

 「政府、ビジネス渡航解禁を検討」と時事通信が伝える。少しばかり、せっかちすぎないかと感じてしまう。やはり、経済優先の考えなのだろうか。

 政府は新型コロナウイルス感染症の収束をにらみ、抗体検査やPCR検査によって非感染が確認されたビジネス渡航者に「陰性証明書」を発行し、中国などへの渡航を容認する方向で検討に入った。(出所:JIJI.COM)

 

www.jiji.com

 

 39県の緊急事態宣言が解除され、首相の記者会見があった。対象39県から漏れていたこともあってか、あまり興味がわかなかったが、会見内容をみて違和感があった。

 言葉の節々がどうしても気になってしまう。その内容を読み進めると、結局、経済のことしか考えていないように思えてならない。

 

「多くの地域における緊急事態宣言の解除によって、ここから、コロナの時代の新たな日常を取り戻していく。今日は、その本格的なスタートの日であります」と語り、

80を超える業界ごとに、感染予防のためのガイドラインが策定したという。

 

 その上で、「事業者の皆様にはこのガイドラインを参考に、事業活動を本格化していただきたい」と語った。

 

 どういう真意かはつかみかねるが、「本格化」という言葉に引っかかってしまった。

 感染予防に努め、事業を再開していくとか、事業再開の条件としてガイドラインの徹底があるとかではなく、事業活動を本格化との表現に戸惑った。まだ、経済の中心である首都圏と関西圏が解除に至っていない段階で....

 

 対象39県に対する「3つのお願い」は理解できたが、その後、2次補正予算関連の話が延々と続き、

「今、また感染拡大を予防しながら、同時に社会経済活動を本格的に回復させていく。新たな日常をつくり上げるという極めて困難なチャレンジに踏み出します。しかし、このチャレンジも国民の皆様の御協力があれば、必ず乗り越えることができる。私はそう確信しております」

という言葉で結んだ。

極めて困難なチャレンジ」という表現も、どうも引っかかってしまう。

 

 

 

  「アベノマスク」はまだ届かない

 

www.tokyo-np.co.jp

 

「特別定額給付金」の申請書も届かない

 

(5月13日付読売新聞)

www.yomiuri.co.jp

 

 それでも、さらに「極めて困難なチャレンジ」を強いるのですかと言いたくなる。

 せっかち過ぎていないだろうか。

 この内容なら、すべての都道府県の緊急事態宣言が解除されたタイミングが語ることではないのかと感じてしまう。

  今までの施策の問題点をレビューし、その上での2次補正予算との説明でなければ、何の効果があるのかと疑念が生じてしまう。

 

 その上、ニュース番組では、緊急事態宣言解除に戸惑う声もある。

 

 

 

  夏の甲子園が中止になりそうだ。まだ警戒を解くことができないということであろうし、学校現場での課題もあるようだ。

 

www.jiji.com

 

 夏山シーズン到来前に、山梨県は富士吉田口の登山ルートの閉鎖を決めた。

 

www.jiji.com

 


 何かちぐはぐになってはいないだろうか。

 

 

  ニッセイ基礎研究所が、緊急事態宣言の一部解除について解説する。

....とは言え、すぐさま人々の生活がコロナ以前に戻り、経済が力強いV字回復を果たすのは容易ではない。4月7日に7都府県を対象に緊急事態宣言が発出されてから、1か月以上が過ぎた。巣ごもり消費、オンラインサービス活用、テレワーク、「3密」を避ける行動など、我々の生活様式も変化しつつある。そして、完全にウイルスが終息していない中では、気軽に旅行やレジャー、外食も出来ないという人も多いだろう。

今回、緊急事態宣言が解除される県は、日本のGDPに占める割合でみると約5割を占める。東京圏や大阪圏が緊急事態宣言の対象になっている限り、経済の本格回復は見えてこない。緊急事態宣言が解除された39県についても、東京圏・大阪圏との人の往来(出張、旅行など)が制限される上、感染拡大防止に向けて「新しい生活様式」を引き続き徹底せざるを得ず、経済活動が元の水準にすぐさま戻るわけではない。日本経済のV字回復の道は、非常に厳しいと言わざるを得ない。 (出所:ニッセイ基礎研究所

 

www.nli-research.co.jp

 

 

 

 5月15日、小池都知事が記者会見を行い、「休業要請緩和の目安」について説明を行った。

 

www.businessinsider.jp

 

 ニッセイ基礎研究所は、「感染状況や医療体制などには地域差があり、社会や経済の状況も全く同じというわけではない。自粛の要請(施設の使用制限の要請など)は、地域における感染状況などに応じて、各都道府県の知事が適切に判断する必要があり、政府だけではなく、地方自治体及びその知事の役割も極めて重要になってくる」と指摘し、「今問われているのは、民主主義や地方分権の「真価」であると言うこともできるだろう」という。

 

 このコロナの対応を見ると、何人かの知事の行動には目に瞠るものがあったように思う。

 一方で、国政はどうなのであろうか。この機に及んで、検察庁法の改正を急ぐ必要があるのだろうか。

 何から何まで、せっかちにことを進めようとし過ぎていないか。


「急いては事を仕損じる」ともいう。

どこかでつけが回ってくることはないのだろうか。

 

 小池都知事は記者会見で、6月の都知事選について問われると、

「それどころではないというか、私はやはりこのコロナ対策をしっかり取り組むというのが現職としての最大の仕事でございますので、これに最大限注力をしていくということで、それに答えは尽きるというところです」

と答えていた。

 

 何事も優先順位がある。今解決すべき問題を何より優先すべきということであろう。

 

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

  

 「参考文書」

www.kantei.go.jp

www.metro.tokyo.lg.jp

 

f:id:dsupplying:20200516131648p:plain

 

トヨタが考えるSDGsの本質とは

 

 トヨタが業績発表を行った。多くの企業が今期の予想を見送る中、「通期予想あえて開示 再始動へ基準必要」と日本経済新聞が伝える。

 日経新聞によれば、「コロナで一瞬見えにくくなってはいるが、自動車業界の構造変化で電動化などCASE対応が必要なことには変わりなく、豊田社長も「未来への種まきについてはアクセルを踏み続けたい」と強調した」という。

 

www.nikkei.com

 

 豊田章男社長は、この業績発表の会見時に、SDGsのことについても触れていた。

 ・・・・世界中で、自分以外の誰かの幸せを願い、行動することができるトヨタパーソンを育てることだと思います。私流に言えば「YOUの視点」をもった人財を育てるということです。

これが、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に向けて、私自身が全身全霊をかけて取り組むことだと思っております。

そして、これは、「誰ひとり取り残さない」という姿勢で国際社会が目指している「SDGs」、「持続可能な開発目標」に本気で取り組むことでもあると考えております。

人類に乗り越えられない危機はありません

(出所:トヨタ プレスリリース)

  

global.toyota

  

 

 

SDGsに関する調査から見えてくる生活者の意識変化

 電通が、第3回「SDGsに関する生活者調査」の結果を公表した。

 SDGsという言葉の認知が急上昇、認知率は29.1%、2019年2月の調査から13.1ポイント上昇しているという。学生の認知率は45.1%、前回調査24.8%から約20.3ポイントも上昇したという。 

 "ミニマリスト"や"シェアリングエコノミー"などの関心が高まり、個人の生活の質を高めるために社会の仕組みが大きく変化することへの期待も高まっているという。そうした生活行動の変化の中にはテレワーク(在宅ワーク)も含まれている。

在宅ワーク」と「シェアリングエコノミー」については、調査終了後に新型コロナウィルスの感染拡大がみられたため、現時点では大きく変化していると予想されると電通は指摘する。

 

www.dentsu.co.jp

  

上場企業で進むSDGs

 GPIF 年金積立金管理運用独立行政法人は、「第5回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」を公表した。

 このアンケート調査は東証1部上場企業を対象にしている。この中で、SDGsの認知についても調査が行われたようだ。GPIFによれば、知っていると回答した企業がほぼ100%となり、取組みを始めている企業も6割を超えたという。

 取組みの際に参考にしているものとして、経済産業省の「SDGs 経営ガイド」が最も多く(49.8%)、次いでGRI国連グローバル・コンパクト(UNGC)と wbcsd による 「SDG Compass」(38.5%)、環境省の「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」(36.9%)、経団連の「Society 5.0 for SDGs」(32.9%)などが多く挙げられたという。

 

「第5回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」の公表について (年金積立金管理運用独立行政法人)

 

 上場企業の多くがSDGsを認知しているにもかかわらず、いざ生活者となると、その認知率が29%に急減という見方があるのかもしれない。企業のSDGs活動が、消費者はもちろんのこと従業員も巻き込んでいないとも言える結果なのかもしれない。

  

 

 

豊田社長の使命

 豊田社長は、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に向けて、

「自分以外の誰かの幸せを願い、行動することができる人財を育てる」ことが自身の使命だと語った。

 

 確かに、それがSDGsの本質なのかもしれない。

 

 

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コロナで見えてくる難しい問題たち

 

 コロナで、様々な意見、議論が巻き起こっている。

 今はメディアの意見を鵜呑みすることは危険なものかもしれない。それはあくまでも個人的な見解に過ぎない。ニュースネタを提供する通信社が中立性を保っているのかもしれないが、それでも個人的な見解を100%排除することは厳しいのかもしれない。

 

  フランスの通信社AFPが、「トランプ氏のコロナ対応は「大惨事」 オバマ米大統領が批判」と報じた。

 11月の大統領選に向けて、民主党候補指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領を共に支持するよう前政権メンバーらに呼び掛けたという。 

オバマ氏は、「われわれが闘っているのは、自己中心的で仲間を優先し、分裂して他者を敵視する長期的な傾向だ。それは米国人の生活の中でより強い衝動となっている」と語った。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大の対応について、「政府が極めて有能でも、うまくいかなかっただろう。

『自分にとってどのような利益があるか』や『他人のことなど構わない』という考え方が政府でまかり通る時、(コロナ対応は)全くの混乱を招いた大惨事となる」と述べた。 (出所:AFP BB News)

 

www.afpbb.com

 

 

 

 「政府が有能でも、うまくいかなかっただろう」というのは率直の意見のように思う。

 数字だけを見えれば、国内の対応は米国ほど酷くなかったと言えそうだが、単なる比較論は適正ではないのかもしれない。

 

 中国新聞が、「橋下徹氏が東京都・小池百合子知事の功績認める」と報じた。中日スポーツによれば、「休業要請かけたときにお金を補償するとはっきり言い出したのは小池さんですから。....小池さんがそれを言ってから、補償しなければいけないというムードになった」と功績を認めたという。

 その東京都は、緊急事態宣言が延長されたことに伴い、「協力金」を追加支給するという。

 

www.nikkei.com

 

「休業補償をしない場合は「国民全体の命を守るために、一部の人を犠牲にすることがまかり通っちゃう」としているが、国政側が重い腰をなかなか上げなかった」と橋本氏は指摘したという。

 

www.chunichi.co.jp

 

 読売新聞が「安倍内閣の支持率、横ばい42%」と報じた。8~10日に読売新聞が実施した全国世論調査で、安倍内閣の支持率は42%となり、不支持率は48%だったという。

 一人の意見は、必ずしも全体が受け入れることはない。

 今も過半数近い42%が現政権を支持している。

 

 

 

 「#検察庁法改正案に抗議します」が話題になっているようだ。ツイッターで急速に広がり、このハッシュタグを付けた投稿が470万件を超えたと東京新聞が伝える。俳優や歌手ら著名人も投稿し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で街頭での抗議が難しい中、ネット上でのデモとなっているという。

 

 この声は政権に届くのだろうか。470万件とは膨大な数字に見えるが、1億人以上になる有権者数からすれば、微々たる数字となってしまうのだろうか。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

 オピニオンリーダーや知識人と言われる人々が、「不安」を煽るような言葉を使い過ぎていないだろうか。

 Newspicksは、「逆境に勝つ企業 SURVIVAL」という特集を組み、「絶対生き残る」とか「Cash is King」と題した記事を投稿する。

 SURVIVAL、生き残るという言葉から、生き残れない人を見捨てるような語感がある。

 日経ビジネスは、「雇用クライシス コロナ・エフェクトに備えよ」という特集を組む。何もこうした記事が間違ったことを言っていると思わないが、言葉を選ぶ必要があるのではないかと感じる。過激な言葉を使えば、何か尖ったような気分になるのかもしれない。しかし、それでは、このコロナで社会がだめになっていくような印象を与えてしまうかもしれない。

 

 「われわれが闘っているのは、自己中心的で仲間を優先し、分裂して他者を敵視する長期的な傾向だ。それは米国人の生活の中でより強い衝動となっている」

オバマ氏は語ったという。

 何も米国ばかりでなく、日本も同じようになっていないだろうか。

 

 コロナは人類にとって共通の危機なはずだ。サバイバルゲームにすることは自己中心的な考えになっていないだろうか。

 

 コロナが過ぎ去った後では、温暖化対策やSDGsが人類共通の課題に立ち向かっていかなければならない。もうそろそろ分断を煽る自己中心的な考えから抜け出るべきではなかろうか。

 

 日本資本主義の父、渋沢栄一は道徳と経済は両立すると説いた。渋沢は道徳が「論語」であると憚らない。その論語の中心的な考えは、「仁」という言葉である。そこには尖ったもの考え方などは似つかわしくないのかもしれない。それよりは、忠恕、中庸の徳といった言葉であろうか。

 

渋沢氏は、「人を思いやり、慈しむ心である『仁』があれば、おのずと道徳は保たれ、社会が安定する」という孔子の教えに加えて、「経済を成長させるために稼ぐことも大事。ただし、正しい方法で稼ぐために論語が必要であり、論語と算盤をバランスよく両立することが大切なのだ」と説きました。

人間の欲が、論語と算盤のバランスを崩した結果、引き起こされたリーマン・ショックや日本のバブル崩壊は、渋沢氏の懸念が現実化したものだったのです。

では、論語と算盤を両立させるためにはどうすればいいのでしょうか。渋沢氏は、物事を見分ける「知恵」と、他人に降りかかってくる痛みがわかる「情愛」、強い「意志」が必要だと言います。 (出所:Forbes)

 

forbesjapan.com

 

 来年の大河ドラマ「青天を衝け」では、渋沢栄一が主人公となる。どんなドラマになるか、今から楽しみでもある。

 

f:id:dsupplying:20200511133106j:plain

 

「関連文書」

www.cnn.co.jp

 

 

「参考文書」

www.yomiuri.co.jp

コロナ ビフォー&アフター 地球環境の改善は一瞬で終わるのか

 

 世界を震撼させたコロナも一時の勢いが失せてきたのだろうか。 今また、世界は静かに経済活動を再開させる方向に動き始めた。第2波、第3波がやって来るかもしれないが、そうしたことを乗り越えながら、経済活動は力強さを回復させていくのだろうか。

 

 昨年、欧州の平均気温は過去最高だったという。「地球が温暖化するにつれ、高気圧で深刻な事態になる可能性が指摘されている」とロイターは報告していた。

 

 コロナと地球温暖化の関係性についてのニュースも増える。

「人間による環境破壊で生態系が混乱を起こしている影響だ」、

「開発や地球温暖化によって野生動物とヒトの暮らす空間が近づき、ウイルスがヒトに伝播しやすくなった」

と述べた長崎大熱帯医学研究所の山本太郎教授のことばをロイターは紹介する。  

 

 AFPは、「動物由来感染症」、拡大原因は人的活動と指摘する。

 UNEPが2016年に発表した報告書の説明では、「動物由来感染症の出現は、農業の集約化、人の定住、森林や他の動物生息地への侵入などの環境の変化やかく乱に関連する場合が多い」という。

 主要な懸念領域は、農地に転用するための森林伐採と集約的な畜産業だ。

家畜は自然界の病原体と人との間の「橋渡し」となる場合が多い。また、畜産業界で抗生物質が広く使用されることにより、臨床現場で用いられる薬剤に対して病原体が耐性を持つことにもつながるのだ。

 さらには、都市化と生息環境の断片化によって生物種間のバランスが大きく乱され、また地球温暖化によって病気を媒介する動物が新たな生息地へと追いやられることも考えられる。 (出所:AFP BB News)

 

 このUNEP報告書では、「生態系の保全が、人の健康と発展を明確に示す」と指摘していたという。

「人類が自然を無視し、地球を共有すべき動物たちを軽視した結果、パンデミックが発生した」と指摘する学者の言葉をAFPが紹介していた。

 

www.afpbb.com

 

 

 

 欧米でオーバーシュートを起こり、コロナの巣窟と化した時、映画のエイリアンを思い出した。

 エイリアン2だったか、エイリアンに侵され繭になってしまった人間やプラント内がエイリアンだらけのシーンが、コロナの巣窟と化した欧米の様子と重なった。

 そんなシーンを連想すると、SFが描くディストピアの世界がやって来るのではと恐怖に慄き、何かサバイバルゲームが始まるのではと思い込んだりもした。

 しかし、それはSF映画の世界だ。世界各地でコロナもピークアウトし、徐々に日常を取り戻そうとしている。

 気の早いせっかちなコンサルタントは、そんなSFまがいな世界を想定し、新たな社会を予想する。

 

 休業要請で人気がなくなった街から、現代文明は破綻したと想像し、マスクや消毒用品を求め列をなす人々はディストピアの世界の象徴のように映り、これからはサバイバル社会だと指摘する。

 いつ社会のインフラが止まり生活の基盤が崩れても生き残れるよう、エコミニマル&エシカルなサバイバルを誰もが心の底で決意したかもしれない。

 不要不急の贅沢をあおる百貨店や中途半端な割高ブランドなど存在場所がなくなる一方、ライフラインを支える公共サービスや医療はもちろん、食品や医薬衛生品など生活必需品を提供する小売業者やサプライヤーは供給維持のサステナビリティ責務を痛感したのではないか。 (出所:WWD Japan)

 

www.wwdjapan.com

 

 人の心はそんなに単純に変化していくものだろうか。米国では、一部の百貨店が破綻したようだが、国内でもそんなことが起きるのだろうか。DXが一気に進み、業界を一変させることがあるのだろうか。

 

 ロイターは「新型コロナからの再生、主要国は温暖化に対応を 投資家が要請」と伝える。ロイターによれば、投資家グループが「気候変動を悪化させる再生計画を実施すれば、投資家や国家経済は将来的にさらなる金融、保険、社会的なリスクにさらされる」と警鐘を鳴らしたという。

 これが現実なのであろう。ビフォーコロナと変わらない世界を危惧しているようだ。手を緩めると、何も変わらずに温暖化対策が進まない社会がもう一度再生されてしまうのかもしれない。

 

jp.reuters.com

 

この異常事態、危機から何か教訓を学ばなければならない。

その教訓を活かした先に持続可能な社会があり、SDGsが完遂に向かい、感染症のリスクも低下していくのかもしれない。 

 AFPが指摘した「生態系の保全が、人の健康と発展を明確に示す」そんな社会だ。

 

 自然は飛躍などしない。拙速やあまりにも突飛過ぎることは自然からかけ離れている。

 

 コロナで世界各地の環境が改善されたということがニュースになった。地球環境と経済をバランスさせることが求められているのは間違いなそうだ。

 

 

「参考文書」

jp.reuters.com

 

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始まるのかコロナイノベーション、そこでもアップルが主役になるのか

 

 アップルには驚かされてばかりだ。コロナの影響があったはずにもかかわらず、1-3月期増収増益だっという。

 ロイターによれば、iPhoneの売上高は減少したが、テレビ番組のストリーミングサービスなどサービス事業の売上高は増加したという。コロナの影響で、多くの人が自宅で過ごすことを余儀なくされたためと指摘する。何やら、アップルが始めたサブスクサービスが功を奏したということなのだろうか。

 なお、4-6月期の業績見通しは示していないという。「マクロ経済環境の影響を免れないのは明白だ」と語ったクックCEOの言葉を紹介する。 

 

jp.reuters.com

 

 アフターコロナの業界予測が始まっている。打撃を受ける業界が多そうであるが、その中で影響が少ないのが電機業界かもしれない。

 

jp.reuters.com

 

 テレワークやオンライン学習などは、この先、定着していくのだろうか。従来予測と違ったイノベーションが起こるのかもしれない。タブレットやPCなどハードウェア需要も増えそうだ。

 足元の需要減はあるかもしれないが、その先はアップルにも追い風が吹きそうな気もしてくる。アップルの成長に死角はないのだろうか。

 

 

 

優良企業は弱気市場から生まれる

  コロナの影響でスタートアップ投資に影響が出てくるのだろうか。

「近年は、スタートアップが出資元を選べる時代になったともいわれていた。スタートアップがコロナ危機を乗り越えられるための支援が加速しているとはいえ、社会状況を鑑みて、依然として、投資に慎重になっているVCも多いだろう」とForbesは指摘する。

 一方で、Fortune 500に選出されている企業のうち、半数以上が不況や弱気市場で生まれたともいう。

 

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イノベーションの萌芽 困難はより良くする機会

 アップルのクックCEOは、オンラインで開催されたオハイオ州立大学の卒業式で、祝辞を述べたとiPhone Maniaが伝える。

 

確実と思っていたよりも、良い未来を築いて

 iPhone Maniaによれば、クックCEOは、コロナが蔓延する今、人々の生活を支えるために必死で働く人々に想いを寄せることの大切さを語り、第16代米国大統領のエイブラハム・リンカーンの言葉を引用したという。

 

「平穏な時代の教養は、嵐のような現代にはそぐわない」

「この時代は困難に満ちているが、我々はこれを機会と捉え、この時代とともに立ち上がらなくてはならない。新たな事態には、新たな思考と新たな行動をもって、対応しなければならない」 

(出所:iPhone Mania)

 

iphone-mania.jp

 

 クックCEOの言葉は、イノベーションの萌芽を予感させる。Forbesが指摘するように、これを機に飛躍するスタートアップが登場するのだろうか。

 

 

 

 この苦境下でも、アップルは計画通りに物事を進めようとしているようだ。

「自社開発のメインプロセッサーを搭載したパソコン「Mac(マック)」を来年までに発売する計画だ」とロイターが報じた。

   

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  突飛なことではなく、自身が進める「垂直統合モデル」を完成させるために、着実の歩みを進めているように映る。

 クックCEOのアップルには派手なイノベーションは似合わないのかもしれない。コロナ危機と言われる時代にアップルは何か新たな挑戦をするのだろうか。

 

 新型iPhoneの量産延期の可能性をがあるという。ロイターによれば、米ウォールストリートジャーナルが1か月程度延期する見通しと伝えたという。また、下期の生産台数を最大20%削減する計画とも報じた。

 

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 さて、これらの予測は当たるのだろうか。このご時世である。ますますアップルの動きが気になり始めた。

 

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